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第5章 王都編
襲撃 5
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「ウインドエッジ!」
迫りくる風の刃。
不可視の風刃。
厄介な攻撃魔法だぞ。
が、遅い。
橘が撃った銃弾に比べたら止まっているようなもの。
だから、この通り。
風の刃を避けることも難しくはない。
「なにっ!? お前、どうして避けることができる?」
「……」
「まさか、見えるのか?」
「答える必要はない」
見えはしないさ。
ただ、魔力を感知すれば位置も捕捉できるんだよ。
「くっ! ウインドエッジ!」
次も無詠唱。
やはり、魔法名だけで放てるのか。
「また避けただと!」
「……ウインドエッジ!」
風魔法の三連発。
やるな。
「くそっ!」
連続で放てる技量は素晴らしい。
が、この遅い風刃なら何発撃たれても怖くはない。
「おまえ、どうして!」
「……」
「なら、これでどうだ! ウインドエッジ! ウインドエッジ!」
そんな使い方もできるのか?
「なっ! これも!」
「……」
威力は並で、魔力量も多くはない。
が、無詠唱での魔法構築や魔力運用、その速度には見るべきものがある。
かなりの技術を持った魔法使いだ。
こいつが野盗?
はは、冗談だろ。
こんな魔法使いが、ただの野盗だなんてあり得ないぞ。
という思考をしながらも、リーダーに接近。
そこで。
「っ! ウインドウォール!」
風の壁を作り、後ろに駆け出した。
戦うのは諦めたようだ。
もちろん、逃がしはしない。
壁を迂回し、あとを追う。
「くそっ、くそっ!」
速度が違うんだ。
あっという間に追いつくというもの。
「ウインドエッジ!」
もう何度目か分からない風の刃を避け、間を詰める。
そのまま至近距離から。
「雷撃」
この距離だ。
避けることなどできないだろ。
「ああぁぁ!!」
手刀でも掌底でも何でも良かったのだが、こいつにはしっかり眠ってもらいたいからな。
「ぁぁ……」
雷撃を受け、痙攣しながら倒れ伏すリーダー。
「……」
痙攣が止み沈黙。
完全に意識を失っている。
ということで、これで終了。
あとは、こいつを姫様のもとへ届けるだけだ。
ただまあ……。
ここまでの状況と、こいつの魔法の腕前。
ただの野盗の襲撃とは、到底思えない。
裏がありそうだ。
あまり関わりたくないな。
「捕えてきましたよ」
「おお、さすが兄さんだ。お疲れ」
「いえ」
姫様たちから少し離れた位置で、ジンクが俺を出迎えてくれる。
「それより、さっきはどうしたんです? 怪我でもしたんですか?」
「ちょっと足を捻ってな」
「足を捻った?」
「ああ、問題ないぜ。ただ、走って追いつけるとは思えなかったんでな」
「……なるほど」
とりあえず、意識を失ったままの野盗のリーダー格を地面に置き。
「今はどういう状況でしょう?」
「倒れている野盗たちを拘束しているところだ。それと、負傷者の治療だろ」
確かに、そんな感じだな。
「で、ジンクさんはあちらとはもう話をしたんですか?」
「少しだけしたぜ。詳しくは兄さんが戻ってからってことで」
「……そうなんですね」
ということは、今から姫様たちと話さなきゃいけないのか。
はぁぁ。
「このまま馬車に戻れませんかね?」
「そいつぁ、無理だろ。ほれ、あちらさん来なすったぜ」
「……」
姫様と護衛の騎士らしき者がふたり。
こちらに近づいてくる。
迫りくる風の刃。
不可視の風刃。
厄介な攻撃魔法だぞ。
が、遅い。
橘が撃った銃弾に比べたら止まっているようなもの。
だから、この通り。
風の刃を避けることも難しくはない。
「なにっ!? お前、どうして避けることができる?」
「……」
「まさか、見えるのか?」
「答える必要はない」
見えはしないさ。
ただ、魔力を感知すれば位置も捕捉できるんだよ。
「くっ! ウインドエッジ!」
次も無詠唱。
やはり、魔法名だけで放てるのか。
「また避けただと!」
「……ウインドエッジ!」
風魔法の三連発。
やるな。
「くそっ!」
連続で放てる技量は素晴らしい。
が、この遅い風刃なら何発撃たれても怖くはない。
「おまえ、どうして!」
「……」
「なら、これでどうだ! ウインドエッジ! ウインドエッジ!」
そんな使い方もできるのか?
「なっ! これも!」
「……」
威力は並で、魔力量も多くはない。
が、無詠唱での魔法構築や魔力運用、その速度には見るべきものがある。
かなりの技術を持った魔法使いだ。
こいつが野盗?
はは、冗談だろ。
こんな魔法使いが、ただの野盗だなんてあり得ないぞ。
という思考をしながらも、リーダーに接近。
そこで。
「っ! ウインドウォール!」
風の壁を作り、後ろに駆け出した。
戦うのは諦めたようだ。
もちろん、逃がしはしない。
壁を迂回し、あとを追う。
「くそっ、くそっ!」
速度が違うんだ。
あっという間に追いつくというもの。
「ウインドエッジ!」
もう何度目か分からない風の刃を避け、間を詰める。
そのまま至近距離から。
「雷撃」
この距離だ。
避けることなどできないだろ。
「ああぁぁ!!」
手刀でも掌底でも何でも良かったのだが、こいつにはしっかり眠ってもらいたいからな。
「ぁぁ……」
雷撃を受け、痙攣しながら倒れ伏すリーダー。
「……」
痙攣が止み沈黙。
完全に意識を失っている。
ということで、これで終了。
あとは、こいつを姫様のもとへ届けるだけだ。
ただまあ……。
ここまでの状況と、こいつの魔法の腕前。
ただの野盗の襲撃とは、到底思えない。
裏がありそうだ。
あまり関わりたくないな。
「捕えてきましたよ」
「おお、さすが兄さんだ。お疲れ」
「いえ」
姫様たちから少し離れた位置で、ジンクが俺を出迎えてくれる。
「それより、さっきはどうしたんです? 怪我でもしたんですか?」
「ちょっと足を捻ってな」
「足を捻った?」
「ああ、問題ないぜ。ただ、走って追いつけるとは思えなかったんでな」
「……なるほど」
とりあえず、意識を失ったままの野盗のリーダー格を地面に置き。
「今はどういう状況でしょう?」
「倒れている野盗たちを拘束しているところだ。それと、負傷者の治療だろ」
確かに、そんな感じだな。
「で、ジンクさんはあちらとはもう話をしたんですか?」
「少しだけしたぜ。詳しくは兄さんが戻ってからってことで」
「……そうなんですね」
ということは、今から姫様たちと話さなきゃいけないのか。
はぁぁ。
「このまま馬車に戻れませんかね?」
「そいつぁ、無理だろ。ほれ、あちらさん来なすったぜ」
「……」
姫様と護衛の騎士らしき者がふたり。
こちらに近づいてくる。
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