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第3章 救出編
酔っ払い 1
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言うまでもないことだが、俺の異世界好きは今に始まったことじゃない。
30年前のあの日から、ずっと異世界に心を奪われ続けている。
いつかまた再び足を踏み入れるであろう異世界のために、身体を鍛え、様々な武術を身につけ、魔法の練習をし、知識を蓄える。そんな生活をずっと続けてきたんだ。
そんなわけだから、異世界関連の小説、漫画なんかにもそれなりに手を出してきた。実在する異世界に降り立った経験がある俺から見ると、あり得ないと思うようなものも多かったが、それでも楽しめてしまうのは異世界好きの性なのだろう。
そんな所謂異世界ものの中には、こうしてオルドウで活動するようになった今でも参考になる事柄がいくつも存在している。
そして、今。
まさに俺の目の前で、異世界ものでよく見かける展開が始まろうとしていた。
「おいおい、新人と若造がこんなところで何してんだ」
「本当だぜ。こんな何もないところで何してんだ。馬鹿じゃねえのか」
シアの魔法訓練が終わり、オルドウの街に戻ろうと帰り支度をしていた時。
常夜の森の方から3人の冒険者らしき者たちが歩いてきた。
この場所で人を見かけるのは珍しいことだが、常夜の森からの帰りにここを通る冒険者がいないわけでもない。
「何してんだって聞いてんだよ!」
そんな場所にやって来た冒険者風の男たち。
その中のふたりが酒臭い息を吐きながら、俺たちに突っかかってくる。
「おい、聞こえねえのか」
酒臭い上に、顔も赤い。
明らかに酒を飲んでいる。
常夜の森の方向から来たのだから、冒険者活動の帰りじゃないのか。
「ゾルダー、ヤラン、やめとけ」
「うるせえぇ。俺はこいつらに話してんだ」
「そうだ。ケリーは黙っとけ」
「お前らこそ、こんな所で騒ぐな。もう帰るぞ」
この人の息は酒臭くない。
ひとりだけまともな人がいるようだ。
「ケリーは、ホントうるせぇ奴だぜ」
「分かってねぇよな」
「分かってなくていい。ほら行くぞ」
「お前ひとりで帰れ」
「そうだ、ケリーは帰れ」
「はぁ……」
大きな溜息をついている。
その気持ちはよく分かるぞ。
「で、お前らは何してんだ」
「口がきけねえのかよ」
「あんたら、申し訳ないが、こいつらのことは無視してくれないか」
素面のひとりが話しかけてくる。
「分かっていますよ」
こういう輩は無視するに限る。
ヴァーンも良く分かっているようで、黙ったまま。
普段の姿からは想像しづらいが、こいつは空気が読めるし頭もいいんだよな。
「ケリーに答えんなら、俺にも答えろや」
「おい、何か喋れ」
「それとも、俺たちが怖いのか」
「そうか、怖いのか」
「……」
俺とヴァーンとシアは話しかけてくるこいつらの相手などせず、帰る準備を進めていると。
「無視すんな!」
「いい加減、何か言えや」
酔っ払いのふたりが俺に近づき、至近距離で叫んできた。
うるさいなぁ。
「喋れ!!」
ああ、うるさい。
「何か言えと言われても、酔っ払いに話す言葉はないのでね」
あ~、つい答えてしまった。
「何だと!」
「どういう意味だ!」
「……」
「ちょっとこっち来い」
「礼儀を教えてやる」
「……」
「黙ってんな」
もう一度無視するが、効果がない。
まいったな。
「コーキ、どうする?」
ヴァーンが耳打ちしてくる。
「無視するのが一番だが……。ヴァーン、こいつらのこと知ってるのか?」
「いいや。でも、まあ、そこいらの三流冒険者だろ」
そうか。
三流冒険者か。
確かに、三流っぽいな。
「おい、お前、誰が三流だと!」
「こいつ、生意気な!」
聞こえてしまったか。
30年前のあの日から、ずっと異世界に心を奪われ続けている。
いつかまた再び足を踏み入れるであろう異世界のために、身体を鍛え、様々な武術を身につけ、魔法の練習をし、知識を蓄える。そんな生活をずっと続けてきたんだ。
そんなわけだから、異世界関連の小説、漫画なんかにもそれなりに手を出してきた。実在する異世界に降り立った経験がある俺から見ると、あり得ないと思うようなものも多かったが、それでも楽しめてしまうのは異世界好きの性なのだろう。
そんな所謂異世界ものの中には、こうしてオルドウで活動するようになった今でも参考になる事柄がいくつも存在している。
そして、今。
まさに俺の目の前で、異世界ものでよく見かける展開が始まろうとしていた。
「おいおい、新人と若造がこんなところで何してんだ」
「本当だぜ。こんな何もないところで何してんだ。馬鹿じゃねえのか」
シアの魔法訓練が終わり、オルドウの街に戻ろうと帰り支度をしていた時。
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この場所で人を見かけるのは珍しいことだが、常夜の森からの帰りにここを通る冒険者がいないわけでもない。
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そんな場所にやって来た冒険者風の男たち。
その中のふたりが酒臭い息を吐きながら、俺たちに突っかかってくる。
「おい、聞こえねえのか」
酒臭い上に、顔も赤い。
明らかに酒を飲んでいる。
常夜の森の方向から来たのだから、冒険者活動の帰りじゃないのか。
「ゾルダー、ヤラン、やめとけ」
「うるせえぇ。俺はこいつらに話してんだ」
「そうだ。ケリーは黙っとけ」
「お前らこそ、こんな所で騒ぐな。もう帰るぞ」
この人の息は酒臭くない。
ひとりだけまともな人がいるようだ。
「ケリーは、ホントうるせぇ奴だぜ」
「分かってねぇよな」
「分かってなくていい。ほら行くぞ」
「お前ひとりで帰れ」
「そうだ、ケリーは帰れ」
「はぁ……」
大きな溜息をついている。
その気持ちはよく分かるぞ。
「で、お前らは何してんだ」
「口がきけねえのかよ」
「あんたら、申し訳ないが、こいつらのことは無視してくれないか」
素面のひとりが話しかけてくる。
「分かっていますよ」
こういう輩は無視するに限る。
ヴァーンも良く分かっているようで、黙ったまま。
普段の姿からは想像しづらいが、こいつは空気が読めるし頭もいいんだよな。
「ケリーに答えんなら、俺にも答えろや」
「おい、何か喋れ」
「それとも、俺たちが怖いのか」
「そうか、怖いのか」
「……」
俺とヴァーンとシアは話しかけてくるこいつらの相手などせず、帰る準備を進めていると。
「無視すんな!」
「いい加減、何か言えや」
酔っ払いのふたりが俺に近づき、至近距離で叫んできた。
うるさいなぁ。
「喋れ!!」
ああ、うるさい。
「何か言えと言われても、酔っ払いに話す言葉はないのでね」
あ~、つい答えてしまった。
「何だと!」
「どういう意味だ!」
「……」
「ちょっとこっち来い」
「礼儀を教えてやる」
「……」
「黙ってんな」
もう一度無視するが、効果がない。
まいったな。
「コーキ、どうする?」
ヴァーンが耳打ちしてくる。
「無視するのが一番だが……。ヴァーン、こいつらのこと知ってるのか?」
「いいや。でも、まあ、そこいらの三流冒険者だろ」
そうか。
三流冒険者か。
確かに、三流っぽいな。
「おい、お前、誰が三流だと!」
「こいつ、生意気な!」
聞こえてしまったか。
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