781 / 885
第八章 真なる聖剣
886 月夜の祝祭
しおりを挟む
霧が立ち込めてから、一人でうんうん唸りながら首をかしげていたメルリルだったが、やがて、俺に告げた。
「どちらも普通の植物とは違うので精霊との同調が取りにくかったんだけど、やっとなんとなくわかって来た。外側の子がこの……」
と、俺達が立っている島の大地に育つ、黄金の灯火のような花を示す。
「こっちの子のために土と水を用意しているみたい。魔力と普通の養分と水とのバランスがとても難しいデリケートな子らしいの、この子達」
「あの子とかこの子とか、何がなんだかわからん」
勇者が文句を言うので、げんこつではたく。
「いてえ!」
「仲間が頑張って調べたことを茶化すな」
「師匠はメルリルに甘すぎるだろ」
「何を今更……」
なおもわめく勇者の背後で、モンクがぼそりと言う。
んー? なんのことかわからないな。
いや、真面目な話、別に贔屓とかしてねーからな!
メルリルは森人の巫女だが、俺達平野人には、彼女がどのぐらいのことが出来て、どこから出来ないかということがわからない。
限界がわからないまま無理をさせてしまう可能性もあるのだ。
一生懸命やった結果は、そのまま受け入れる。
そもそもメルリルの得意とするのは普通の植物だ。
魔物は普通の植物とは全く違う。
理解しろというほうが無茶なんだぞ。
「いいじゃないか呼び方ぐらい。そのほうが相手を理解しやすい場合もあるだろ」
「む、それは考えなかった。すまないメルリル」
「い、いえ。その、そういう風に言われてしまうと、かえって恥ずかしい、かも」
月の光の影響が強い夜なので、いかに俺の夜目が利くと言っても、相手の顔色まではわからない。
だが、おそらく今、メルリルは真っ赤になって照れているのだろうと思う。
陽の光の下で見たかったな。
「それにしても、不思議な関係ですね。魔物がほかの魔物を育むことがあるなんて……」
俺達のちょっとしたいざこざを他所に、素直で誠実な感想を口にしたのは聖女である。
「共生関係とか、寄生関係とか、普通の動物や植物でもたまにあるぞ」
「まぁ、そうなんですね」
俺が説明すると、聖女が驚きの声をあげた。
「そういった助け合いや、相手を利用したりということは、知恵ある人間だけの特権だと思っていました」
「そういう風に考える人間も多いな。生き物同士の関係性を知っている人間のなかにも、別に感情がある訳じゃないから、そういう風な性質を元から持って生まれただけという者もいる。だけど、俺は、人間以外にも、なんらかの感情があって、それに従って変化を起こすことがあると思っている」
「人間は傲慢だからネ。まぁそういうところも神に選ばれしモノらしいところダヨネ」
勇者の肩にちょろりと乗った若葉がそんな風に評した。
「何偉そうに語ってるんだ? 同じドラゴンから追い出されたくせに」
「僕は追い出されてないゾ! 自分で選んだんダ!」
意味ありげなことを言った若葉を勇者が馬鹿にする。
しかしそうか、そう言えば、若葉も自分の心に従って、本来の種族の道とは違う道を選んだ者なんだな。
「とは言え、片方だけが利益を得るような関係は、寄生と呼ばれるものだ。そういう場合は、普通は寄生する側が宿主に働きかけを行うものなんだが、これはちょっと毛色が違うな。……外側の蔦のほうに、湖を作るほどの手間をかけるだけの理由があるのかもしれない」
俺の疑問の答えは、しばらくすると明らかになった。
霧のベールに包まれながら、存分に月の光を浴びた可憐な黄金の花は、短い時間で結実を始める。
チリーンチリーンと、小さな鈴のような音を響かせながら、ふんわりとした金色の光を帯びた小さな丸い種らしきものが地面へと転がり落ちた。
上に立っている俺達は気づかなかったが、どうもこの島の地面は、外側に向かって傾斜しているらしい。
地面に転がった丸い種らしきものは、コロコロと、それぞれ外側に向かって転がって行く。
俺は楽しげに転がる小さな種の一つを掬い上げてみた。
「魔力……いや、ん? 精霊……とも違うな……」
種の帯びている金色の輝きは、普通の魔力とは質が違うように感じる。
ただ、それを言い表す言葉を俺は持たなかった。
「コレは、甘いね。すごく濃いけど、僕の好みじゃない。僕は堅いほうが好き。苦労してヒビを入れてもすぐに閉じちゃうアルフのようなのが味わいがあるよね」
「どういう意味だ!」
俺と同じように種を拾った若葉が、何やら魔力道楽のようなことを言っているが、甘さと堅さというのは果たして比べられるものなのか?
そもそも味の評価としてどうなのか? と、疑問が尽きない。
ドラゴン独特の感覚なんだろうなぁ。
ともあれ、若葉もこの種の魔力が独特であると評価したことから、俺の感じた違和感も、あながち間違っている訳ではないとわかる。
この感覚は、実際に魔力に多く触れている者じゃないとわからないだろう。
「そうだ……」
一つ、この魔力に近いものを思い出すことが出来た。
神の盟約だ。
あれになんとなくだが、似ている。
「ミュリア、この種の魔力、覚えがないか?」
このメンバーのなかで、神の盟約に最も触れている者がいるとしたら、それは聖女に違いないだろう。
「少しだけ、懐かしい感じがします。初めて神の盟約に触れて、倒れたときに、聖者さまが飴玉をくださったのです。その味を、ふと思い出しました」
「飴玉?」
こっちはこっちでまた違う感想があるようだ。
だが、若葉と聖女に共通しているのは、甘いという感覚か。
これは俺にはないものだな。
「ダスター。これには、精霊の核となる魔力が溶け込んでるんだと思う。この子達、きっと、月の光を体のなかに集めて、種を護る守護者を作ろうとしたんじゃないかな? ただ、この種の魔力だけじゃ、精霊は生まれないから、その魔力を吸った植物が、守護者役の魔物になった、のかも?」
メルリルの推測は大胆なものだったが、納得は出来た。
それが真実かどうかは、誰かがきっちりと調べて証明しなければならないだろうけど。
「師匠、これが何でどうしてこうなったのかってのは、後にしよう。今は採取だろ」
なん、だ……と?
勇者がアドミニス殿の課題を優先させる意見を言うとは、正直びっくりした。
だが、よく考えてみれば、勇者の聖剣のための課題なんだから、当然かもしれない。
「よし、とりあえず採取するか」
俺は、まとまって生えている頼りな気な花のうちの一株を、なまくらなナイフを使って土ごと掘り起こし、用意した鉢に移し替えたのだった。
「どちらも普通の植物とは違うので精霊との同調が取りにくかったんだけど、やっとなんとなくわかって来た。外側の子がこの……」
と、俺達が立っている島の大地に育つ、黄金の灯火のような花を示す。
「こっちの子のために土と水を用意しているみたい。魔力と普通の養分と水とのバランスがとても難しいデリケートな子らしいの、この子達」
「あの子とかこの子とか、何がなんだかわからん」
勇者が文句を言うので、げんこつではたく。
「いてえ!」
「仲間が頑張って調べたことを茶化すな」
「師匠はメルリルに甘すぎるだろ」
「何を今更……」
なおもわめく勇者の背後で、モンクがぼそりと言う。
んー? なんのことかわからないな。
いや、真面目な話、別に贔屓とかしてねーからな!
メルリルは森人の巫女だが、俺達平野人には、彼女がどのぐらいのことが出来て、どこから出来ないかということがわからない。
限界がわからないまま無理をさせてしまう可能性もあるのだ。
一生懸命やった結果は、そのまま受け入れる。
そもそもメルリルの得意とするのは普通の植物だ。
魔物は普通の植物とは全く違う。
理解しろというほうが無茶なんだぞ。
「いいじゃないか呼び方ぐらい。そのほうが相手を理解しやすい場合もあるだろ」
「む、それは考えなかった。すまないメルリル」
「い、いえ。その、そういう風に言われてしまうと、かえって恥ずかしい、かも」
月の光の影響が強い夜なので、いかに俺の夜目が利くと言っても、相手の顔色まではわからない。
だが、おそらく今、メルリルは真っ赤になって照れているのだろうと思う。
陽の光の下で見たかったな。
「それにしても、不思議な関係ですね。魔物がほかの魔物を育むことがあるなんて……」
俺達のちょっとしたいざこざを他所に、素直で誠実な感想を口にしたのは聖女である。
「共生関係とか、寄生関係とか、普通の動物や植物でもたまにあるぞ」
「まぁ、そうなんですね」
俺が説明すると、聖女が驚きの声をあげた。
「そういった助け合いや、相手を利用したりということは、知恵ある人間だけの特権だと思っていました」
「そういう風に考える人間も多いな。生き物同士の関係性を知っている人間のなかにも、別に感情がある訳じゃないから、そういう風な性質を元から持って生まれただけという者もいる。だけど、俺は、人間以外にも、なんらかの感情があって、それに従って変化を起こすことがあると思っている」
「人間は傲慢だからネ。まぁそういうところも神に選ばれしモノらしいところダヨネ」
勇者の肩にちょろりと乗った若葉がそんな風に評した。
「何偉そうに語ってるんだ? 同じドラゴンから追い出されたくせに」
「僕は追い出されてないゾ! 自分で選んだんダ!」
意味ありげなことを言った若葉を勇者が馬鹿にする。
しかしそうか、そう言えば、若葉も自分の心に従って、本来の種族の道とは違う道を選んだ者なんだな。
「とは言え、片方だけが利益を得るような関係は、寄生と呼ばれるものだ。そういう場合は、普通は寄生する側が宿主に働きかけを行うものなんだが、これはちょっと毛色が違うな。……外側の蔦のほうに、湖を作るほどの手間をかけるだけの理由があるのかもしれない」
俺の疑問の答えは、しばらくすると明らかになった。
霧のベールに包まれながら、存分に月の光を浴びた可憐な黄金の花は、短い時間で結実を始める。
チリーンチリーンと、小さな鈴のような音を響かせながら、ふんわりとした金色の光を帯びた小さな丸い種らしきものが地面へと転がり落ちた。
上に立っている俺達は気づかなかったが、どうもこの島の地面は、外側に向かって傾斜しているらしい。
地面に転がった丸い種らしきものは、コロコロと、それぞれ外側に向かって転がって行く。
俺は楽しげに転がる小さな種の一つを掬い上げてみた。
「魔力……いや、ん? 精霊……とも違うな……」
種の帯びている金色の輝きは、普通の魔力とは質が違うように感じる。
ただ、それを言い表す言葉を俺は持たなかった。
「コレは、甘いね。すごく濃いけど、僕の好みじゃない。僕は堅いほうが好き。苦労してヒビを入れてもすぐに閉じちゃうアルフのようなのが味わいがあるよね」
「どういう意味だ!」
俺と同じように種を拾った若葉が、何やら魔力道楽のようなことを言っているが、甘さと堅さというのは果たして比べられるものなのか?
そもそも味の評価としてどうなのか? と、疑問が尽きない。
ドラゴン独特の感覚なんだろうなぁ。
ともあれ、若葉もこの種の魔力が独特であると評価したことから、俺の感じた違和感も、あながち間違っている訳ではないとわかる。
この感覚は、実際に魔力に多く触れている者じゃないとわからないだろう。
「そうだ……」
一つ、この魔力に近いものを思い出すことが出来た。
神の盟約だ。
あれになんとなくだが、似ている。
「ミュリア、この種の魔力、覚えがないか?」
このメンバーのなかで、神の盟約に最も触れている者がいるとしたら、それは聖女に違いないだろう。
「少しだけ、懐かしい感じがします。初めて神の盟約に触れて、倒れたときに、聖者さまが飴玉をくださったのです。その味を、ふと思い出しました」
「飴玉?」
こっちはこっちでまた違う感想があるようだ。
だが、若葉と聖女に共通しているのは、甘いという感覚か。
これは俺にはないものだな。
「ダスター。これには、精霊の核となる魔力が溶け込んでるんだと思う。この子達、きっと、月の光を体のなかに集めて、種を護る守護者を作ろうとしたんじゃないかな? ただ、この種の魔力だけじゃ、精霊は生まれないから、その魔力を吸った植物が、守護者役の魔物になった、のかも?」
メルリルの推測は大胆なものだったが、納得は出来た。
それが真実かどうかは、誰かがきっちりと調べて証明しなければならないだろうけど。
「師匠、これが何でどうしてこうなったのかってのは、後にしよう。今は採取だろ」
なん、だ……と?
勇者がアドミニス殿の課題を優先させる意見を言うとは、正直びっくりした。
だが、よく考えてみれば、勇者の聖剣のための課題なんだから、当然かもしれない。
「よし、とりあえず採取するか」
俺は、まとまって生えている頼りな気な花のうちの一株を、なまくらなナイフを使って土ごと掘り起こし、用意した鉢に移し替えたのだった。
21
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。