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第五章 破滅を招くもの
375 報われない者
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炎は強烈だったが、継続時間自体は短かった。
恐ろしい熱量で建物全体を舐めるように燃やし、どこかに吸い込まれるかのように引いて行ったのだ。
やがて入り口の向こうは静まり返った。
「もう盾を解除しても大丈夫かな?」
勇者が不安そうに尋ねる。
俺はウルスを見た。
「どう思う?」
「なんで俺に聞く?」
「予知者は特に危険に敏感だと聞いたことがある」
俺の言葉にウルスは一つため息をつくとうなずいた。
「大丈夫そうだ」
「わかった。もう解除していいぞ」
「よし、解除するぞ」
俺の言葉に勇者は一言宣言して盾の魔法を解除する。
その瞬間、奥で身を寄せ合っていた女性と子どもたちが緊張して、さらにお互いを抱き締め合った。
鼻がツンとするような刺激臭と、ものが焦げた臭い。
意外なことに火自体はそこまで残っていないようだ。
「おおう」
勇者に続いて外に出て、思わず声が出る。
通路からここまで天井に穴が開いていて、外が見えているのだ。
「ここから直接上に出るか?」
「そのほうがよさそうだ」
俺の言葉に勇者が同意する。
俺たちの後から全員が恐る恐る出て来た。
合成魔獣の子どもたちがだいぶ弱っている。
治癒の力で体内の状態が改善されても、ずっと食事をしていないということだから体を動かす力自体が足りないのだろう。
早めになんとかしてやりたい。
そのためには、聖女と合流することが必要だった。
俺たちは少々熔けてはいるが形の残っている足場になるようなものを集めるとそれを重ねて行く。
その様子を見て、何をやっているのかを理解した捕まっていた人たちも手伝ってくれた。
本来は重ねただけだと不安定な足場を、勇者が表面を熔かして接着し、崩れないように成形した。
便利だな、魔法。
それでもなんとか穴の縁に届く程度。
だが、それだけでなんとかなる。
「外に出てロープを固定してなかに放ってくれ」
勇者に冒険者御用達の鉤爪付きロープを渡した。
あの所員が焦っていたからか荷物は一切没収されなかったので助かる。
武装解除すらしないとは呆れた不用心さだと思ったが、まぁおかげでなんとかなったんだから文句は言うまい。
俺たちは垂らされたロープに子どもたちを結びつけて一人ずつ出し、ある程度大きな子や大人はロープを伝って不安定な足場を使って外に出た。
外に出てみると、俺たちのいる場所は、あの要塞のような研究所のある崖の下だった。
崖の上に崩壊した研究所の建物が見える。
周囲にあの研究所の関係者らしき人間はいない。
どこに行ったのやら。
見つけたら絶対ただではおかないつもりだったんだがな。
「……師匠」
「わかってる。行くか」
勇者は崖の上を見つめて眉をひそめた。
あそこに、まだ、魔物と人の入り混じった気配があるのだ。
「あんたたち、逃げてもいいが、もし助けが必要なようならここで待っててくれ。あっちを放っておく訳にもいかないからな」
「いったい何を?」
ウルスが不審げに俺たちを見る。
「犠牲者が苦しんでいるんだ。うちの勇者さまはそういうのを見捨てたりしないのさ」
何を言っているのかわからないという感じのウルスたちを置いて、俺と勇者は崖を駆け上った。
この崖は特に侵入者対策はしていないようで、勾配もそれほど厳しくない。
ほどなくして建物のあった崖の上に到着した。
そこにあった巨大な構築物は跡形もないという程ではなかったものの、元の姿を思い出せないほどには崩壊していた。
あちこちから黒い煙と、チラチラと赤い炎が上がっている。
「アアアアアアアアアアッ!」
半ば崩れた壁の向こうで、何かが苦しみの声を上げてのたうち回っていた。
俺は残った壁を叩き斬ると、なかに進んだ。
元はホールになっていた場所はところどころ穴が空いて、一部の床が浮いているような状態になっている。
そこにまだ煙を炎を上げながら、のたうちまわる植物の魔物の姿をした少女がいた。
「水よ、降れ」
勇者が短く唱えると、サアアッと、雨のように降り注いだ水が少女の体の火を消して行く。
「ダレ? アイツラ? カエセ! ヤクソク! ダマシタ!」
怒りと憎しみが甦ったように半分焼け落ちた少女の顔が俺たちを見る。
「落ち着くんだ。もうここの連中はいない。君を怖がってみんな逃げたようだ」
「ダレ? ダレ? 誰?」
「彼は勇者さまだよ」
「ユウシャ? おとぎ話、弟が好きだった……」
炭化した体がボロボロと崩れ、大きさが削られた少女の姿は、皮肉なことにだいぶ人間に近くなっていた。
「驚くなよ、本物の勇者さまだぞ」
今の勇者はボロボロでそこらにいる若造のような姿だった。
剣だけは持っているが、ちょっと真実味が足りないかもしれないな。
「ワタシガ、我慢すれば、弟はタスケテくれるって、言ったのに、シンダって! 死んだって!」
少女が叫ぶ、叫ぶ度に体が崩れて行く。
「どうしたい? 復讐が望みか?」
勇者が優しく尋ねた。
「弟にアイタイケド、私、バケモノになっちゃった……」
「君は化物じゃないさ。君を苦しめた連中こそが化物だ」
「本当? 私、ちゃんと命の巡りの輪のなかに戻れるかなぁ」
「戻れるさ。俺は命の輪の盟約の子、勇者だ。その俺が保証するんだから確かだ」
「あの子、勇者になるって……言ってたな」
少女が半分になった顔で微笑む。
「……家に帰りた……おかぁ……さ」
ボロボロと、植物の体が炭化して真っ黒に変わり果て、崩れ落ちるのは、もうどうにも止めようがなかった。
もともと人間と魔物では体と精神が違い過ぎる。
一緒にしてバランスが取れるはずがないのだ。
無理に無理を重ねていたその代償に、彼女は脆くなり、その身は崩壊した。
なんとも言えない苦い思いと共に、少女の痕跡は風のなかへと消えてしまう。
「師匠」
「どうした?」
「俺、勇者なのに苦しんでいる人を助けられなかったよ」
「勇者だから全てを助けられると思うのは傲慢だ。彼女だって憐れまれたくはないだろうしな。彼女は戦って死んだ。最後まで戦った者に対しては敬意を払うのが礼儀ってもんだ」
「でも、彼女は戦う側じゃなく、救われる側の人間だったはずだ。こんな風に理不尽な目に遭う人を救うのが勇者だと、俺は思っていた」
勇者がひどく落ち込んでいるようだった。
俺に言わせれば、彼女の最期はお前のおかげで救われたと思うけどな。
きっと本人はそう思わないのだろう。
「その悔しい気持ちを忘れないでいればいい。きっといつか、その気持ちが誰かを救うはずだ。彼女の死に意味を持たせたいなら、お前が忘れないでいてやればいい」
「そうだな、……俺は忘れないよ」
ボロボロの廃墟のような場所で、勇者は囁くような声で誓いを立てたのだった。
恐ろしい熱量で建物全体を舐めるように燃やし、どこかに吸い込まれるかのように引いて行ったのだ。
やがて入り口の向こうは静まり返った。
「もう盾を解除しても大丈夫かな?」
勇者が不安そうに尋ねる。
俺はウルスを見た。
「どう思う?」
「なんで俺に聞く?」
「予知者は特に危険に敏感だと聞いたことがある」
俺の言葉にウルスは一つため息をつくとうなずいた。
「大丈夫そうだ」
「わかった。もう解除していいぞ」
「よし、解除するぞ」
俺の言葉に勇者は一言宣言して盾の魔法を解除する。
その瞬間、奥で身を寄せ合っていた女性と子どもたちが緊張して、さらにお互いを抱き締め合った。
鼻がツンとするような刺激臭と、ものが焦げた臭い。
意外なことに火自体はそこまで残っていないようだ。
「おおう」
勇者に続いて外に出て、思わず声が出る。
通路からここまで天井に穴が開いていて、外が見えているのだ。
「ここから直接上に出るか?」
「そのほうがよさそうだ」
俺の言葉に勇者が同意する。
俺たちの後から全員が恐る恐る出て来た。
合成魔獣の子どもたちがだいぶ弱っている。
治癒の力で体内の状態が改善されても、ずっと食事をしていないということだから体を動かす力自体が足りないのだろう。
早めになんとかしてやりたい。
そのためには、聖女と合流することが必要だった。
俺たちは少々熔けてはいるが形の残っている足場になるようなものを集めるとそれを重ねて行く。
その様子を見て、何をやっているのかを理解した捕まっていた人たちも手伝ってくれた。
本来は重ねただけだと不安定な足場を、勇者が表面を熔かして接着し、崩れないように成形した。
便利だな、魔法。
それでもなんとか穴の縁に届く程度。
だが、それだけでなんとかなる。
「外に出てロープを固定してなかに放ってくれ」
勇者に冒険者御用達の鉤爪付きロープを渡した。
あの所員が焦っていたからか荷物は一切没収されなかったので助かる。
武装解除すらしないとは呆れた不用心さだと思ったが、まぁおかげでなんとかなったんだから文句は言うまい。
俺たちは垂らされたロープに子どもたちを結びつけて一人ずつ出し、ある程度大きな子や大人はロープを伝って不安定な足場を使って外に出た。
外に出てみると、俺たちのいる場所は、あの要塞のような研究所のある崖の下だった。
崖の上に崩壊した研究所の建物が見える。
周囲にあの研究所の関係者らしき人間はいない。
どこに行ったのやら。
見つけたら絶対ただではおかないつもりだったんだがな。
「……師匠」
「わかってる。行くか」
勇者は崖の上を見つめて眉をひそめた。
あそこに、まだ、魔物と人の入り混じった気配があるのだ。
「あんたたち、逃げてもいいが、もし助けが必要なようならここで待っててくれ。あっちを放っておく訳にもいかないからな」
「いったい何を?」
ウルスが不審げに俺たちを見る。
「犠牲者が苦しんでいるんだ。うちの勇者さまはそういうのを見捨てたりしないのさ」
何を言っているのかわからないという感じのウルスたちを置いて、俺と勇者は崖を駆け上った。
この崖は特に侵入者対策はしていないようで、勾配もそれほど厳しくない。
ほどなくして建物のあった崖の上に到着した。
そこにあった巨大な構築物は跡形もないという程ではなかったものの、元の姿を思い出せないほどには崩壊していた。
あちこちから黒い煙と、チラチラと赤い炎が上がっている。
「アアアアアアアアアアッ!」
半ば崩れた壁の向こうで、何かが苦しみの声を上げてのたうち回っていた。
俺は残った壁を叩き斬ると、なかに進んだ。
元はホールになっていた場所はところどころ穴が空いて、一部の床が浮いているような状態になっている。
そこにまだ煙を炎を上げながら、のたうちまわる植物の魔物の姿をした少女がいた。
「水よ、降れ」
勇者が短く唱えると、サアアッと、雨のように降り注いだ水が少女の体の火を消して行く。
「ダレ? アイツラ? カエセ! ヤクソク! ダマシタ!」
怒りと憎しみが甦ったように半分焼け落ちた少女の顔が俺たちを見る。
「落ち着くんだ。もうここの連中はいない。君を怖がってみんな逃げたようだ」
「ダレ? ダレ? 誰?」
「彼は勇者さまだよ」
「ユウシャ? おとぎ話、弟が好きだった……」
炭化した体がボロボロと崩れ、大きさが削られた少女の姿は、皮肉なことにだいぶ人間に近くなっていた。
「驚くなよ、本物の勇者さまだぞ」
今の勇者はボロボロでそこらにいる若造のような姿だった。
剣だけは持っているが、ちょっと真実味が足りないかもしれないな。
「ワタシガ、我慢すれば、弟はタスケテくれるって、言ったのに、シンダって! 死んだって!」
少女が叫ぶ、叫ぶ度に体が崩れて行く。
「どうしたい? 復讐が望みか?」
勇者が優しく尋ねた。
「弟にアイタイケド、私、バケモノになっちゃった……」
「君は化物じゃないさ。君を苦しめた連中こそが化物だ」
「本当? 私、ちゃんと命の巡りの輪のなかに戻れるかなぁ」
「戻れるさ。俺は命の輪の盟約の子、勇者だ。その俺が保証するんだから確かだ」
「あの子、勇者になるって……言ってたな」
少女が半分になった顔で微笑む。
「……家に帰りた……おかぁ……さ」
ボロボロと、植物の体が炭化して真っ黒に変わり果て、崩れ落ちるのは、もうどうにも止めようがなかった。
もともと人間と魔物では体と精神が違い過ぎる。
一緒にしてバランスが取れるはずがないのだ。
無理に無理を重ねていたその代償に、彼女は脆くなり、その身は崩壊した。
なんとも言えない苦い思いと共に、少女の痕跡は風のなかへと消えてしまう。
「師匠」
「どうした?」
「俺、勇者なのに苦しんでいる人を助けられなかったよ」
「勇者だから全てを助けられると思うのは傲慢だ。彼女だって憐れまれたくはないだろうしな。彼女は戦って死んだ。最後まで戦った者に対しては敬意を払うのが礼儀ってもんだ」
「でも、彼女は戦う側じゃなく、救われる側の人間だったはずだ。こんな風に理不尽な目に遭う人を救うのが勇者だと、俺は思っていた」
勇者がひどく落ち込んでいるようだった。
俺に言わせれば、彼女の最期はお前のおかげで救われたと思うけどな。
きっと本人はそう思わないのだろう。
「その悔しい気持ちを忘れないでいればいい。きっといつか、その気持ちが誰かを救うはずだ。彼女の死に意味を持たせたいなら、お前が忘れないでいてやればいい」
「そうだな、……俺は忘れないよ」
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