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第四章 世界の片隅で生きる者たち
328 通り抜けの交渉
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「それで、何がしたいんだ?」
顔役の男がやや投げやりに言った。
ロージーによると管理官だっけか?
「はい。身分け山と竜の谷の間にある古い迷宮跡を調べたいのです」
「は? 今更あんなところをか? すでに魔鉱石は枯れているし、未だ魔物が出没する危険なだけで実入りのない場所だぞ」
「俺たちは請けた依頼を果たすだけですし、仕事の内容を話すことも出来ません。ただ通行の許可が欲しいだけです」
「ふん。なるほどな」
男はしばし考えるようにしながら俺たち全員を見た。
その視線が、女性たちのところに長く留まるのを感じる。
口元が緩んでいるところをみるといらんことを言い出しそうなので先に言葉を発した。
「見ての通り、俺たちのパーティにはやんごとなき方がいらっしゃいます」
「ん? んん?」
色ボケたことを考えていたところに急に話を振られて、男の目が泳ぐ。
「顔役殿ほどの方なら自明の理でしょうが、聖女さまです」
「へっ? お、おおう。もちろんわかっておったとも」
瞬時に相手の意識が切り替わるのを感じた。
聖女という存在に対して自分たちの利を計算しようとしているのだろう。
どこの国でも商売人というのはしたたかだな。
「実は聖女さまのおっしゃるには、この地にはよくない気が溜まっているらしいのですが、何か心当たりはありませんか?」
「な、なんだと。……それは聞き捨てならないな」
「山というのは魔力の溜まりやすい場所ということはご存知ですよね?」
「も、もちろんだ。近くに竜の谷もあるしな。そういうものに詳しい現地の者たちを雇って定期的に魔物は駆除している」
「駆除する必要があるということは、結果的に魔物が発生しているということです。ですが、そこまで行く前に瘴気を払う方法もあります」
「知っている。払いの儀式だろう。だが、あれは国に依頼すると大金を要求される。どうせ魔物と言っても大したものは出ないのだ。小さいものは滋養になるからと鉱夫共の食料の足しにもなっているようだしな」
ここも魔物食いの文化があるのか。
いや、文化というよりもやむにやまれずということかもしれない。
下処理さえちゃんとしていれば美味い肉ではあるし。
「確かに小物はそうそう害になるようなものではありませんが。問題は人間に対する負荷です。この辺では病気の者が多いのではありませんか?」
「う、むう。……そういうことは外部の者には明かしかねる」
いや、それは多いと言ってるようなもんだよな。
こっちは既に大人も子どもも死にやすいという情報を街の連中から仕入れてある。
「実は俺たちは聖女さまを伴っていることからもおわかりのように、大聖堂と接点があります。聞いたことはありませんか? あらゆるところに教会は恵みをもたらす、と。それは私有地であっても同じです」
「どういうことだ?」
「ぶっちゃけて言うと、街に教会を誘致すればタダで定期的に払いの儀式をしてもらえるということです」
「……ほう?」
うんうん、やっぱり商売人にタダって言葉は効果的だな。
「しかし、それはどうなのかね。教会は場所を取ると聞く。会社の土地にそのような宗教施設を建ててしまうと土地が無駄になるだろうに」
「俺も詳しいことは知りませんがね、小さい村にある教会などはほんの馬小屋程度の大きさですよ。教手が一人で運営するような場所ですが、もう少し広くして施術師を一人置くだけで、いざというときの治療も安心です」
「ふむ」
「ですよね、聖女さま?」
もうひと押しかな?
俺は満を持して聖女に登場を願った。
聖女はここまでの話をびっくりしたような顔でずっと聞いていたが、急に話を振られてビクッとして立ち上がる。
「……ここの状態はとても悪い。救いが必要です」
「おおっ」
何がどう悪いのか言わない辺り、聖女もわかっているな。
実は教会というのは利益を追求しない組織であるということに大きな意味がある。
会社側と労働者側の意見を公平に聞き、その仲裁をすることが出来るのだ。
教会がこの地に出来れば、働かせる側と働く側の力のバランスが必要以上に偏った場合に中立の立場からそれに意見を言える人間が存在することになる。
小さなことだがその存在は大きい。
そしてなによりも、教会は子どもの庇護者だ。
教会は教義を広げるために子どもの教育と育成に力をいれている。
絶対に孤児たちを放置したりはしない。
透き通った声で言葉を告げる聖女を、顔役の男は感じ入ったように見つめた。
この国は大聖堂や勇者に対して思い入れが深い。
つまりそれは信心深いということだ。
「ほ、本物の聖女さま……」
聖女が首から下げている神璽からその儚げな顔を舐めるように眺めている。
う~ん、この男には信心深い以外の邪な何かがありそうだな。
聖女が必至で顔をしかめるのを堪えているのがわかる。
体がフルフル震えていた。
「そういうことなので、俺としてもちょっと気になったので、余計なこととは思いつつ助言をさせてもらったのですよ。気を悪くしたんなら申し訳ないが、ここで知り合ったのも何かの縁ですしね」
話を進めて顔役の男の視線をこちらに向けさせる。
視線が外れた途端、聖女はほっとしたように椅子に座り込んだ。
「なるほど。いや、そういう気遣いが出来る冒険者というのはまぁ珍しいと言えるだろうな。これまで見た冒険者は粗野な者ばかりでな。確かにこうして見れば君たちのパーティは高貴な顔ぶれが多いようだ」
お、これは、聖女連れということで、俺たちを貴族落ちの冒険者と思ってくれたようだな。
子沢山の貴族の家とかで、貴族枠に入りきらない子どもがいる場合、その剣術や魔法の力を活かして冒険者になることがある。
そういう冒険者は親族に貴族を持っているから国ではそれなりの力を持つことがあるのだ。
まぁ勇者のパーティなんだからある意味似たようなものか。誤解とも言えないな。
「教会の話はわかった。いい助言をしてもらった。会社で検討させていただく」
「いえ、余計な差し出口を申し訳ありませんでした。それで、本題なのですが、迷宮跡へ行くために鉱山近くの道を通らせていただくことは大丈夫でしょうか?」
「うむ、まぁ我々に何か不都合がある訳でもないし。いいだろう。ただし、迷宮跡は我が社の土地ではないとは言え、現在入り口は封印してあると聞いている。その解除は我々では出来ないし、封印を解いた後は危険がないように封印しなおしてもらいたいのだが。そうだな、……聖女さまがいらっしゃるなら問題あるまい」
「はい。もちろんです。その点は大切なことですから誓約書を書きましょう」
お、これは、俺たちが大聖堂から派遣された調査の冒険者だと思ってくれたな。
ある意味正しいことは正しいんだが、目的が違うだけで。
「そうしてもらえるなら我が社としても安心出来るのでありがたい」
そうして無事交渉も終わり、俺は顔役の男と握手を交わした。
聖女と握手をしたそうにしていたが、気づかないフリをしてブロックする。
そういえばお互いに名乗りもしなかったな。
道を通してもらうだけだから気にするようなことでもないし、どうせ誓約書を書く以上は名前はわかるから問題ないか。
顔役の男がやや投げやりに言った。
ロージーによると管理官だっけか?
「はい。身分け山と竜の谷の間にある古い迷宮跡を調べたいのです」
「は? 今更あんなところをか? すでに魔鉱石は枯れているし、未だ魔物が出没する危険なだけで実入りのない場所だぞ」
「俺たちは請けた依頼を果たすだけですし、仕事の内容を話すことも出来ません。ただ通行の許可が欲しいだけです」
「ふん。なるほどな」
男はしばし考えるようにしながら俺たち全員を見た。
その視線が、女性たちのところに長く留まるのを感じる。
口元が緩んでいるところをみるといらんことを言い出しそうなので先に言葉を発した。
「見ての通り、俺たちのパーティにはやんごとなき方がいらっしゃいます」
「ん? んん?」
色ボケたことを考えていたところに急に話を振られて、男の目が泳ぐ。
「顔役殿ほどの方なら自明の理でしょうが、聖女さまです」
「へっ? お、おおう。もちろんわかっておったとも」
瞬時に相手の意識が切り替わるのを感じた。
聖女という存在に対して自分たちの利を計算しようとしているのだろう。
どこの国でも商売人というのはしたたかだな。
「実は聖女さまのおっしゃるには、この地にはよくない気が溜まっているらしいのですが、何か心当たりはありませんか?」
「な、なんだと。……それは聞き捨てならないな」
「山というのは魔力の溜まりやすい場所ということはご存知ですよね?」
「も、もちろんだ。近くに竜の谷もあるしな。そういうものに詳しい現地の者たちを雇って定期的に魔物は駆除している」
「駆除する必要があるということは、結果的に魔物が発生しているということです。ですが、そこまで行く前に瘴気を払う方法もあります」
「知っている。払いの儀式だろう。だが、あれは国に依頼すると大金を要求される。どうせ魔物と言っても大したものは出ないのだ。小さいものは滋養になるからと鉱夫共の食料の足しにもなっているようだしな」
ここも魔物食いの文化があるのか。
いや、文化というよりもやむにやまれずということかもしれない。
下処理さえちゃんとしていれば美味い肉ではあるし。
「確かに小物はそうそう害になるようなものではありませんが。問題は人間に対する負荷です。この辺では病気の者が多いのではありませんか?」
「う、むう。……そういうことは外部の者には明かしかねる」
いや、それは多いと言ってるようなもんだよな。
こっちは既に大人も子どもも死にやすいという情報を街の連中から仕入れてある。
「実は俺たちは聖女さまを伴っていることからもおわかりのように、大聖堂と接点があります。聞いたことはありませんか? あらゆるところに教会は恵みをもたらす、と。それは私有地であっても同じです」
「どういうことだ?」
「ぶっちゃけて言うと、街に教会を誘致すればタダで定期的に払いの儀式をしてもらえるということです」
「……ほう?」
うんうん、やっぱり商売人にタダって言葉は効果的だな。
「しかし、それはどうなのかね。教会は場所を取ると聞く。会社の土地にそのような宗教施設を建ててしまうと土地が無駄になるだろうに」
「俺も詳しいことは知りませんがね、小さい村にある教会などはほんの馬小屋程度の大きさですよ。教手が一人で運営するような場所ですが、もう少し広くして施術師を一人置くだけで、いざというときの治療も安心です」
「ふむ」
「ですよね、聖女さま?」
もうひと押しかな?
俺は満を持して聖女に登場を願った。
聖女はここまでの話をびっくりしたような顔でずっと聞いていたが、急に話を振られてビクッとして立ち上がる。
「……ここの状態はとても悪い。救いが必要です」
「おおっ」
何がどう悪いのか言わない辺り、聖女もわかっているな。
実は教会というのは利益を追求しない組織であるということに大きな意味がある。
会社側と労働者側の意見を公平に聞き、その仲裁をすることが出来るのだ。
教会がこの地に出来れば、働かせる側と働く側の力のバランスが必要以上に偏った場合に中立の立場からそれに意見を言える人間が存在することになる。
小さなことだがその存在は大きい。
そしてなによりも、教会は子どもの庇護者だ。
教会は教義を広げるために子どもの教育と育成に力をいれている。
絶対に孤児たちを放置したりはしない。
透き通った声で言葉を告げる聖女を、顔役の男は感じ入ったように見つめた。
この国は大聖堂や勇者に対して思い入れが深い。
つまりそれは信心深いということだ。
「ほ、本物の聖女さま……」
聖女が首から下げている神璽からその儚げな顔を舐めるように眺めている。
う~ん、この男には信心深い以外の邪な何かがありそうだな。
聖女が必至で顔をしかめるのを堪えているのがわかる。
体がフルフル震えていた。
「そういうことなので、俺としてもちょっと気になったので、余計なこととは思いつつ助言をさせてもらったのですよ。気を悪くしたんなら申し訳ないが、ここで知り合ったのも何かの縁ですしね」
話を進めて顔役の男の視線をこちらに向けさせる。
視線が外れた途端、聖女はほっとしたように椅子に座り込んだ。
「なるほど。いや、そういう気遣いが出来る冒険者というのはまぁ珍しいと言えるだろうな。これまで見た冒険者は粗野な者ばかりでな。確かにこうして見れば君たちのパーティは高貴な顔ぶれが多いようだ」
お、これは、聖女連れということで、俺たちを貴族落ちの冒険者と思ってくれたようだな。
子沢山の貴族の家とかで、貴族枠に入りきらない子どもがいる場合、その剣術や魔法の力を活かして冒険者になることがある。
そういう冒険者は親族に貴族を持っているから国ではそれなりの力を持つことがあるのだ。
まぁ勇者のパーティなんだからある意味似たようなものか。誤解とも言えないな。
「教会の話はわかった。いい助言をしてもらった。会社で検討させていただく」
「いえ、余計な差し出口を申し訳ありませんでした。それで、本題なのですが、迷宮跡へ行くために鉱山近くの道を通らせていただくことは大丈夫でしょうか?」
「うむ、まぁ我々に何か不都合がある訳でもないし。いいだろう。ただし、迷宮跡は我が社の土地ではないとは言え、現在入り口は封印してあると聞いている。その解除は我々では出来ないし、封印を解いた後は危険がないように封印しなおしてもらいたいのだが。そうだな、……聖女さまがいらっしゃるなら問題あるまい」
「はい。もちろんです。その点は大切なことですから誓約書を書きましょう」
お、これは、俺たちが大聖堂から派遣された調査の冒険者だと思ってくれたな。
ある意味正しいことは正しいんだが、目的が違うだけで。
「そうしてもらえるなら我が社としても安心出来るのでありがたい」
そうして無事交渉も終わり、俺は顔役の男と握手を交わした。
聖女と握手をしたそうにしていたが、気づかないフリをしてブロックする。
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