バウンダリ-ソート ―WITCH HUNT―

ナカムラ

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あるソート師の誕生

魔女ナオミとの戦い

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 私は、ライラインの術を得て、浮かれて、テレポートサークルを作り、コミーと中に入った。

 すると、とんでもないバンドルがいた。
バンドルが木に寄りかかったバンドルのことを拳で殴り続けていたのだ。
私は、急いでルーペで覗いてみた。
 殴っているバンドルには、黒い霧やモヤのようなものがかかっていた。
 そして、殴られているバンドルの方には、そのようなものがなかった。

「コミー、殴っているバンドルは、魔女で、殴られているバンドルは、魂だ。それにしても、あの魔女、相当悪いヤツだな」
「ジェロ、魂をすぐに救いに行こう」

 私達は、走って近付いたが、その間も、ずっと魔女は、魂を殴り続けていた。

 私は、魔女に言った。
「やめろ、やめるんだ。魔女め!! この魂、意識をとっくに失っているでは、ないか。いつまで、殴り続ける気だ」
「ハッハッハ!!私は、ずーと、このバンドルを殴り続けている。私と目を合わすとは、生意気だ。だから、殴っているんだ。私は、コイツがこの世界に来て以来、おそらく何百年も殴り続けている」
「お前、それだけの理由で惨すぎる!! 早く、殴るのを止めるんだ!!」
「嫌だね!!」

「ワーッ!!」
私は、叫びながら、魔女に突進した。
魔女は、1回は、倒れたものの、すぐに起き上がり、魂を殴り続けた。

 私は、コミーに言った。
「コミー、コイツこそ、消滅させていいよな!!」
「それが……それが駄目なんだ、ジェロ。済まない。この魔女は、この世界の秩序を乱していない」
私は、叫びながら言った。
「おかしいぞ、それは!! 種1つ持ち込んだだけで、消滅させられたエリー、こっちは、魂を何百年も殴り続けていたんだぞ!! それなのに、この魔女のことを消滅させることが許されないとは、どういうことだ!!」

 コミーは、厳しい口調で言った。
「お前、ルイヴァスに来る前の自分の行いを忘れたようだな。お前は、女、子供を殺していたんだぞ!! コイツのことが言えるのか!」
「確かに……しかし、私は、この魔女のことを絶対、赦すことは、出来ん!! 消滅させてやる!!」

「そうか。仕方あるまい。エヴァケーション!!」
そう言うと、コミーは、手を使って、空に四角を描き、エヴァケーションで作った空間の中に、私を閉じ込めた。

 私は、空間の中で何度も叫んだ。
「私が消滅させてやる!! 私が……」
「駄目だ。お前にこの魔女を消滅させることは、できない」

 空間の中から、私は、外の様子を見ることができた。
コミーは、巨大化し、魔女のことを鋭い爪で引っ掻いて飛ばした。
魔女は、意識を失って倒れた。

「シャックル!!」
そう言うと、コミーは、手を使い八の字を空に描いた。
そして、テレポートサークルを作り、魔女を中に放り込んだ。
コミーは、テレポートサークルを覗き込み、ディヴァイド師サニーに魔女のことを頼んだ。
「あとは、頼んだぞ。サニー」
「あぁ、お前も大変だな」
「まぁな」

 コミーがそう言うと、私は、やっと、エヴァケーションの術から解かれて、外に出ることができた。

 空間の中は、長くいるには、息を吸うことがしづらく、私は、肩で息をして、やっとのことでテレポートサークルを作り、すぐに、ディヴァイド師サニーの元へ行った。
サニーの前には、もう、魔女の姿は、なかった。

 サニーは、鋭い眼光で私を見た。
「魔女は、お前に消滅させる前にヘルへ送った。〈ナオミ〉という魔女であった。それより、ジェロ。お前は、とんでもないことをしたんだぞ。コミーは、お前の尻拭いをせねばいけなくなった。今頃、我が王ハデスに赦しを乞いに行ってるぞ。果たして、赦されるかどうか……」
サニーがそう言い終わらないうちに、傷だらけのコミーが現れた。

 私は、コミーに駆け寄った。
「どうした。コミー、こんなに傷だらけで、済まなかった。本当に済まなかったよ……」
私は、泣きながら言うと、コミーが今にも消え入りそうな声で答えた。
「ジェロ。良かったな。なんとか、赦しを得ることができた……」
そう言うと、コミーは、意識を失った。

 サニーは、その様子を見て言った。
「可哀想に、コミー。お前のせいで相当な拷問を受けて、やっと、赦しを得たようだ」

 私は、ずっと泣き続けた。
「ごめんよ。コミー。コミー。コミー……」

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