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死神テオドアの強さ

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 寝床に着くと、アリスは、嬉しそうにローズに言った。
「マイルズは、死神カレンをすぐに吹き飛ばしたのよ」
「そうなのー。さすがは、マイルズ」
「凄いわよねー。マイル……」
 
 アリスは、アッという顔をして、慌ててジョセフの方を見た。
ジョセフは、案の定、アリスを睨み付けていた。

 ローズは、気付かずにアリスにまた、話し続けた。
「完璧だわね。マイルズって。格好いいし、面白いし、強いし、呪術も使えて。ねっ! アリス!」
「アハハッ……そ、そうね」
「どうしたの?」
歯切れの悪いアリスにやっとローズは、気付いて問いかけた。

「あ、あの……ほら……」
アリスは、小さな声で、ジョセフの方を小さく指差した。
ローズは、頷きながら、小さな声で言った。
「あっ……ごめんなさい」
「ううん。私が先にマイルズのことを話したから」

 次の日になって、ジョセフを先頭に人間の血を吸う通りを歩いた。

 すぐに死神カレンと死神テオドアが現れた。
ノアは、また、死神テオドアを見て、怒りに震えた。
ノアは、叫んで、死神テオドアに手を翳そうとした。
「ワーッ!」
しかし、逆に死神テオドアの方が早く、手を翳して、ノアを吹き飛ばし、ノアは、家の壁に強打して、気を失った。

 ジョセフは、ブルーノとローズに急いで小さな声で、指示をしようとした。
「ブルーノ、ローズ、お前達は……」
すると、死神テオドアは、ジョセフの指示を聞いていたローズとブルーノを次々と吹き飛ばした。
ローズとブルーノは、同じ家の壁にほぼ同時に叩きつけられ、気を失った。

 ジョセフは、怒った。
「何をする! 私の仲間に!!」
その言葉を無視するように、死神テオドアは、今度は、ジョセフに手を翳した。
ジョセフは、すんでのところで避けて、強い風がジョセフの横を通り抜けた。
死神テオドアは、手を緩めなかった。
次から次へとジョセフに向かって手を翳した。

 その頃、死神カレンは、アリスを狙った。
自分に手を翳されたのが分かり、アリスは、すぐに避けた。
しかし、避け切れず、アリスは、街路樹に叩きつけられて気を失った。
 
 それを見たオリバーは、死神カレンに向かって手を翳し、死神カレンは、家の壁に叩きつけられ、気を失った。

 ジョセフに手を翳し続ける死神テオドアに向かって、手を翳したのは、死神カレンを倒したオリバーだった。
不意打ちを食らった死神テオドアは、遠くまで吹き飛ばされ、気を失った。

 マイルズは、初めて、実戦の修羅場を見て、ただただ、その場にへたり込んで震えていた。

 気を失っていたヴァンパイア達は、次々と意識を取り戻した。
ジョセフとオリバーは、仲間のヴァンパイア達を立ち上がらせて、最後にジョセフがへたり込んで震えているマイルズを声をかけながら、立ち上がらせた。
「大丈夫か?」
「はい……」

 死神テオドアと死神カレンは、まだ、気を失っていて、その間に、慌てて皆で走って寝床に逃げた。

 寝床に着くと、ローズは、マイルズにがっかりした様子で言った。
「意外と気が小さいのね。マイルズ」
「悪かったよ……」
アリスが更に追い打ちをかけた。
「本当。あなたには、がっかりしたわ」

 ジョセフは、その様子を見ていて、こっそりノアに言った。
「アリスとローズ。マイルズへの手のひら返し凄いな」
「あぁ、そうだな。女って怖えな」
初めて、マイルズは、ヴァンパイア達の前で暗い顔をして、肩を落とした。

 その頃、死神カレンと死神テオドアは、やっと意識を取り戻した。
死神カレンは、言った。
「凄かったぞ、テオドア。訓練したからの。1日であそこまで術を使えるようになるとは、大したものじゃ。よくやったぞ。テオドア」
しかし、死神テオドアは、悔しそうだった。
「まだまだだ。あいつらを消滅させるまでは……」


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