異世界の美少女と入れ替わったらいきなり婚約破棄を突き付けられたんですけど‥‥。無問題!私、幸せになるんで!!

むぎてん

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‥‥これ、多分だけどさぁ。

アーロンさんも勝手に婚約破棄なんかしたら王様から怒られるって分かっててやってるんじゃないの?

エリーゼの記憶によると、
エリーゼはアーロンさんに物凄く冷たい。

口を開けば
『殿下はそんなことも出来ませんの?』
『努力が足りないのではなくて?』

そして、最後は
『はああぁぁあーーー』
と大きなため息。

これが、幼少期に婚約してから学園卒業の今日に至るまで延々と続いてる。

こりゃ、アーロンさんもエリーゼのこと嫌いで当然だね。

大嫌いなエリーゼとの結婚がいよいよ近づいてきて
『もう全部壊してしまおう!!』
って自暴自棄になってるんだよ、きっと。

可哀想に。
アーロンさん、完全に拗らせちゃってる。



「エリーゼ!!お前はキャメロンを男爵令嬢のくせにと言って虐めていたそうだな!
お前にはキャメロンを虐めた罰を与える!北の修道院に入るか平民になるか選べ!」

げ!!
なにそれ!
やだよ、何で私がエリーゼの代わりに罰を受けなきゃなんないのさ。

とにかくこの場は婚約破棄を有耶無耶にしちゃおう。
後からゆっくりアーロンさんと話し合えばいい。

私、こういう男女のいざこざを収めるのは得意なの。
勤めてたキャバクラでは一応ナンバーワン張ってたしね。

枕してた同僚と怒ったお客さんの修羅場だって、まーるく収めたもん。

状況さえ理解してしまえば余裕余裕♪





「修道院か平民ですか?じゃあ、平民で」

「‥‥は?‥い、いや、待て!まさかいくら何でもそれはっ‥‥」

アーロンさんが両手を振ってあわあわしてる。
自分で言っといて慌てるって、なにそれ、面白いな。

「アーロン様ぁ、わたくしの為にエリーゼさんに罰を与えてくれてありがとうございますぅ!」

「あ‥?ああ!これくらい、この俺なら朝飯前だ!ふはははは!!」

アーロンさん、一生懸命虚勢張ってるけどさ。
声も体もぶるりんちょ、大量の脂汗が二重顎からしたたり落ちてる。

「エリーゼさん!頑張ってくださいね!何も出来ない貴女が平民として生きていけるとは思えませんけど、ふふっ!」

え、キャメロン、ホントにエリーゼに虐められてたの?
どう見てもこの子、大人しく虐められるようなタマには見えないけど?
エリーゼがキャメロンを虐めてる記憶、出て来ないし。

「最後にこれまでわたくしを虐めたことを謝ってください!ほら、早く!土下座して謝って!」

土下座?
この舞踏会のど真ん中で、皆が見てる前で土下座しろと?

あー、これ、絶対虐めてないわ。
てか、キャメロン、ホントはアーロンさんのこと好きでも何でもないな。

自分より格上の女から男を奪って『あたしが魅力的だから~』って悦に入りただけだろうね。
このくらいの年頃の、このくらいの可愛らしさを持つ女の子が陥りがちの思考だ。

でもそれ相手が悪すぎる。


エリーゼの記憶によれば

王族>  公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵
 ↑    ↑           ↑
アーロン エリーゼ      キャメロン 


でしょ?
男爵家のキャメロンが公爵家のエリーゼにそんなこと言ったら怒られるよ?

もう、アーロンさんも、キャメロンもお馬鹿なんだから。
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