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番外編1
旦那様の誕生日パーティーを開きます~その5~
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お姉様と一緒に街に出てから1週間、明日はいよいよ旦那様のお誕生日だ。
「旦那様、そろそろキーキを出してあげて下さいませんか?」
あの日以降、ずっとキーキを出してくれない旦那様。さすがに明日はキーキを出してもらわないと困る。キーキも、旦那様のお誕生日パーティーを楽しみにしているはずだ。
「ダメだ。あいつは最近調子に乗りすぎなんだ。ローラ、そんなにキーキがいないと寂しいか?俺が傍にいるのにか?」
うっ…そう言われると何も言い返せない。
「そんな事はありませんわ。旦那様が傍にいて下さるので、寂しくはないです。ただ…」
「ただ何だ?」
どうしよう。どういえばいいのかしら?
「アーサー様、実はローラ様は今回、妖精をモチーフにしたぬいぐるみ作りを依頼されていらっしゃるのです。それで、本物の妖精でもあるキーキ様を、モデルにしたいとお考えなのです」
すかさずモカラが助け船を出してくれた。
「そうなのか?ローラ」
「はい…明日1日だけでもいいので、朝からキーキを出していただけないでしょうか?」
嘘が苦手な私はすぐに旦那様に見破られてしまう。それでもできるだけ真剣な顔を作り、訴えた。すると旦那様が顎に手を当てて考えている。
「分かった…その代わり、明日1日だけだぞ」
「ありがとうございます、旦那様」
これで明日は朝からキーキも一緒に準備が出来るわ。以前旦那様と喧嘩して実家に帰った時、キーキ一匹で様子を見に来てくれた事があった。きっとキーキなら、旦那様が屋敷にいなくても、半日くらいなら問題ないだろう。
つい嬉しくて頬が緩んでしまう。
「ローラ、そんなにあいつに会えるのが嬉しいのか?」
私の耳元でそう呟くのは旦那様だ。しまった、また旦那様のご機嫌を損ねると面倒だわ。
「そうですわね、これでやっとぬいぐるみ作りが進むので、嬉しいですわ。オホホホホ」
どうだ、私の渾身の演技。チラリとモカラを見ると、なぜか頭を抱えていた。なぜだ…
「…まあいい。そろそろ寝るぞ」
なぜか旦那様も、何とも言えない顔をしているが、まあいいか。明日はいよいよ旦那様のお誕生日、盛大にお祝いをしないと!
翌日
「ローラ」
「キーキ、久しぶり。今日はよろしくね」
「ええ、任せて」
久しぶりに会ったキーキは、相変わらず可愛い。
「いいか、キーキ。今日は特別に朝から出してやるんだ。しっかりローラに協力しろよ」
「分かっているわよ。早く騎士団に行かないと遅刻するわよ」
シッシッと旦那様を追い払おうとするキーキ。そんなキーキを旦那様が睨んでいる。
「ローラ、出来るだけ早く帰って来るからな。それじゃあ、行ってくる」
私に口づけをして馬車に乗り込んだ旦那様。馬車が見えなくなるまで、しっかりお見送りをした。
「やっとアーサーが行ったわ。それにしても、まさか私にまで嫉妬するなんて、本当に情けない男ね…あんな男が騎士団長じゃあ、この国もお先真っ暗よ」
あきれ顔のキーキ。
「キーキ、ちょっと言い過ぎよ。旦那様はとても強くてカッコいいのよ」
「もう、ローラったら。すっかりアーサーの毒牙にかかっちゃって…」
毒牙って…相変わらずこの子は…
「ローラ様、キーキ様。そんなところでお話されていないで、早速アーサー様のお誕生日パーティーの準備をいたしましょう」
「そうね。それじゃあ、まずはお花を摘みに行きましょう。モカラ、ちゃんと料理長に沢山お菓子を作る様に言ってくれた?」
「はい、もちろんです。ローラ様やキーキ様がお好きなお店の料理長も、今日は手伝いに来てくれる予定ですわ」
「それは本当?あの可愛いお料理がまた食べられるのね。嬉しいわ」
羽をパタパタ動かし、周りを飛び回るキーキ。相当嬉しい様だ。
「さあキーキ、お庭に行きましょう。きっとマテオが今が見ごろのお花を色々と教えてくれるわよ」
「そうね、早くお花を見に行きましょう」
凄い速さで中庭に向かって飛んでいくキーキ。あんな小さな体なのに、あんなに早く飛べるだなんて。やっぱり妖精はすごいのね。私も急いでキーキに付いていく。
「ローラ様、キーキ様。お待ちしておりましたよ」
中庭に着くと、マテオが待っていてくれた。
「今はフリージアやグラジオスが奇麗ですよ。バラも見頃です」
「本当に綺麗ね。それじゃあ、これらの花にしましょう。キーキ、花はこれで…て、キーキ!どこにいるの?キーキ」
マテオと話をしている間に、キーキの姿が見えなくなってしまった。
どこに行ってしまったのかしら?
その時だった。
「ローラ、ちょっとこっちに来て。とてもいい香りの花があるの」
嬉しそうに私の方に向かって飛んできたキーキに連れられ、中庭の奥の方へと進む。すると、なんだかいい香りがして来た。
「ほら、ローラ。このお花。オレンジ色の小さなお花なんだけれど、とてもいい香りがするの」
確かにとてもいい香りがする。初めて見る花ね。
「それはキンモクセイという花です。異国の花で、先日取り寄せたのです」
「キンモクセイというのね。初めて聞いたわ。本当にいい香りね」
「ねえ、マテオ。このお花、少し貰ってもいい?私、この香りが気に入っちゃった」
「もちろんです。キーキ様が欲しい分だけ、持って行ってください」
「それじゃあ、私も少し頂いてもいい?寝室に置きたいの」
「かしこまりました。今準備しますね」
マテオがキンモクセイを上手に切り分けてくれた。本当にいい香りだ。早速寝室に飾らないと。
ふとキーキの方を見ると、小さなオレンジの花をとり、頭にのせていた。緑色の髪にオレンジのお花が良く似合っている。ちょうどキーキサイズのお花ね。
お花を選んだ後は、モカラと合流しお部屋を飾り付ける。こうやってお部屋を飾っていると、なんだか旦那様が討伐から帰って来た日の事を思い出すわ。あの日もこうやって飾りつけをしたのよね。
昼食後は、万年筆をお店の人が届けに来てくれた。仕上がりを見せてもらったが、とても素晴らしい出来栄えだ。水色の万年筆にピンクサファイアがよく合っている。それに、しっかりと旦那様の誕生日も刻まれている。
世界に一つだけの万年筆。旦那様、喜んでくれるといいな…
その後も急ピッチで準備を進めた。美味しそうなお料理も次々に完成していく。もちろん、ケーキやお菓子もだ。
「ローラ、見て。こんなに沢山のお菓子が並んでいるわよ。美味しそうね。ねえ、一つ食べてもいいわよね」
「キーキ、ダ…」
ダメよ!そう言う前に、嬉しそうにお菓子を頬張っていた。キーキったら、本当に甘いものに目がないのだから…
「このお菓子、美味しいわ。もう一つ」
「キーキ、もうすぐ旦那様も帰って来るのだから、少し我慢して」
お菓子に手を伸ばしていたキーキを捕まえた。
「もう、ローラのケチ」
プンっと怒っていたが、これ以上つまみ食いを見逃すわけにはいかない。
「ローラ様、もうすぐ旦那様がお帰りになるとの連絡が入りました」
「わかったわ、ありがとう」
いよいよね。なんだかワクワクしてきたわ。
「旦那様、そろそろキーキを出してあげて下さいませんか?」
あの日以降、ずっとキーキを出してくれない旦那様。さすがに明日はキーキを出してもらわないと困る。キーキも、旦那様のお誕生日パーティーを楽しみにしているはずだ。
「ダメだ。あいつは最近調子に乗りすぎなんだ。ローラ、そんなにキーキがいないと寂しいか?俺が傍にいるのにか?」
うっ…そう言われると何も言い返せない。
「そんな事はありませんわ。旦那様が傍にいて下さるので、寂しくはないです。ただ…」
「ただ何だ?」
どうしよう。どういえばいいのかしら?
「アーサー様、実はローラ様は今回、妖精をモチーフにしたぬいぐるみ作りを依頼されていらっしゃるのです。それで、本物の妖精でもあるキーキ様を、モデルにしたいとお考えなのです」
すかさずモカラが助け船を出してくれた。
「そうなのか?ローラ」
「はい…明日1日だけでもいいので、朝からキーキを出していただけないでしょうか?」
嘘が苦手な私はすぐに旦那様に見破られてしまう。それでもできるだけ真剣な顔を作り、訴えた。すると旦那様が顎に手を当てて考えている。
「分かった…その代わり、明日1日だけだぞ」
「ありがとうございます、旦那様」
これで明日は朝からキーキも一緒に準備が出来るわ。以前旦那様と喧嘩して実家に帰った時、キーキ一匹で様子を見に来てくれた事があった。きっとキーキなら、旦那様が屋敷にいなくても、半日くらいなら問題ないだろう。
つい嬉しくて頬が緩んでしまう。
「ローラ、そんなにあいつに会えるのが嬉しいのか?」
私の耳元でそう呟くのは旦那様だ。しまった、また旦那様のご機嫌を損ねると面倒だわ。
「そうですわね、これでやっとぬいぐるみ作りが進むので、嬉しいですわ。オホホホホ」
どうだ、私の渾身の演技。チラリとモカラを見ると、なぜか頭を抱えていた。なぜだ…
「…まあいい。そろそろ寝るぞ」
なぜか旦那様も、何とも言えない顔をしているが、まあいいか。明日はいよいよ旦那様のお誕生日、盛大にお祝いをしないと!
翌日
「ローラ」
「キーキ、久しぶり。今日はよろしくね」
「ええ、任せて」
久しぶりに会ったキーキは、相変わらず可愛い。
「いいか、キーキ。今日は特別に朝から出してやるんだ。しっかりローラに協力しろよ」
「分かっているわよ。早く騎士団に行かないと遅刻するわよ」
シッシッと旦那様を追い払おうとするキーキ。そんなキーキを旦那様が睨んでいる。
「ローラ、出来るだけ早く帰って来るからな。それじゃあ、行ってくる」
私に口づけをして馬車に乗り込んだ旦那様。馬車が見えなくなるまで、しっかりお見送りをした。
「やっとアーサーが行ったわ。それにしても、まさか私にまで嫉妬するなんて、本当に情けない男ね…あんな男が騎士団長じゃあ、この国もお先真っ暗よ」
あきれ顔のキーキ。
「キーキ、ちょっと言い過ぎよ。旦那様はとても強くてカッコいいのよ」
「もう、ローラったら。すっかりアーサーの毒牙にかかっちゃって…」
毒牙って…相変わらずこの子は…
「ローラ様、キーキ様。そんなところでお話されていないで、早速アーサー様のお誕生日パーティーの準備をいたしましょう」
「そうね。それじゃあ、まずはお花を摘みに行きましょう。モカラ、ちゃんと料理長に沢山お菓子を作る様に言ってくれた?」
「はい、もちろんです。ローラ様やキーキ様がお好きなお店の料理長も、今日は手伝いに来てくれる予定ですわ」
「それは本当?あの可愛いお料理がまた食べられるのね。嬉しいわ」
羽をパタパタ動かし、周りを飛び回るキーキ。相当嬉しい様だ。
「さあキーキ、お庭に行きましょう。きっとマテオが今が見ごろのお花を色々と教えてくれるわよ」
「そうね、早くお花を見に行きましょう」
凄い速さで中庭に向かって飛んでいくキーキ。あんな小さな体なのに、あんなに早く飛べるだなんて。やっぱり妖精はすごいのね。私も急いでキーキに付いていく。
「ローラ様、キーキ様。お待ちしておりましたよ」
中庭に着くと、マテオが待っていてくれた。
「今はフリージアやグラジオスが奇麗ですよ。バラも見頃です」
「本当に綺麗ね。それじゃあ、これらの花にしましょう。キーキ、花はこれで…て、キーキ!どこにいるの?キーキ」
マテオと話をしている間に、キーキの姿が見えなくなってしまった。
どこに行ってしまったのかしら?
その時だった。
「ローラ、ちょっとこっちに来て。とてもいい香りの花があるの」
嬉しそうに私の方に向かって飛んできたキーキに連れられ、中庭の奥の方へと進む。すると、なんだかいい香りがして来た。
「ほら、ローラ。このお花。オレンジ色の小さなお花なんだけれど、とてもいい香りがするの」
確かにとてもいい香りがする。初めて見る花ね。
「それはキンモクセイという花です。異国の花で、先日取り寄せたのです」
「キンモクセイというのね。初めて聞いたわ。本当にいい香りね」
「ねえ、マテオ。このお花、少し貰ってもいい?私、この香りが気に入っちゃった」
「もちろんです。キーキ様が欲しい分だけ、持って行ってください」
「それじゃあ、私も少し頂いてもいい?寝室に置きたいの」
「かしこまりました。今準備しますね」
マテオがキンモクセイを上手に切り分けてくれた。本当にいい香りだ。早速寝室に飾らないと。
ふとキーキの方を見ると、小さなオレンジの花をとり、頭にのせていた。緑色の髪にオレンジのお花が良く似合っている。ちょうどキーキサイズのお花ね。
お花を選んだ後は、モカラと合流しお部屋を飾り付ける。こうやってお部屋を飾っていると、なんだか旦那様が討伐から帰って来た日の事を思い出すわ。あの日もこうやって飾りつけをしたのよね。
昼食後は、万年筆をお店の人が届けに来てくれた。仕上がりを見せてもらったが、とても素晴らしい出来栄えだ。水色の万年筆にピンクサファイアがよく合っている。それに、しっかりと旦那様の誕生日も刻まれている。
世界に一つだけの万年筆。旦那様、喜んでくれるといいな…
その後も急ピッチで準備を進めた。美味しそうなお料理も次々に完成していく。もちろん、ケーキやお菓子もだ。
「ローラ、見て。こんなに沢山のお菓子が並んでいるわよ。美味しそうね。ねえ、一つ食べてもいいわよね」
「キーキ、ダ…」
ダメよ!そう言う前に、嬉しそうにお菓子を頬張っていた。キーキったら、本当に甘いものに目がないのだから…
「このお菓子、美味しいわ。もう一つ」
「キーキ、もうすぐ旦那様も帰って来るのだから、少し我慢して」
お菓子に手を伸ばしていたキーキを捕まえた。
「もう、ローラのケチ」
プンっと怒っていたが、これ以上つまみ食いを見逃すわけにはいかない。
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