離縁前提で嫁いだのにいつの間にか旦那様に愛されていました

Karamimi

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番外編1

旦那様の誕生日パーティーを開きます~その1~

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「ねえ、ローラ。来週はアーサーの22歳の誕生日ね。もちろんお祝いするのでしょう?」

キーキと一緒に、夕食後のティータイムを楽しんでいる時だった。急にキーキがそんな事を言いだしたのだ。そういえば私、旦那様の誕生日がいつなのか知らないわ。

「もしかしてローラ、アーサーの誕生日を知らなかったの?」

「ええ…」

せっかく旦那様と心が通じ合い、段々旦那様の事が分かって来たと思っていたのに…

「そんなに落ち込む必要は無いわ。きっとアーサーもローラに教えていなかったのでしょう。アーサーはあまり自分の事に興味がないのよ。現にこの屋敷に移り住んでから、誕生日パーティーなんて一度もしたことがないのよ」

確かにキーキの言う通り、旦那様なら自分の誕生日をスルーしそうだ。

「それなら、今年は盛大にパーティーを開きましょう。キーキも手伝ってくれる?」

「ええ、もちろんよ。私、パーティーとか大好きなのよね。当日は盛大にお祝いしましょう。もちろん、アーサーには内緒よ。アーサーがびっくりする顔、想像しただけで面白そう」

サプライズパーティーね。それは楽しそうだわ。早速モカラを呼び、2人と1匹で計画を立てる。

「当日は甘いお菓子をたくさん準備しましょう。私、お花を使ったケーキが食べたいわ」

「もう、キーキ。あなたの食べたいものばかり準備しても仕方がないでしょう。旦那様はお肉が好きだから、お肉料理をたくさん作ってもらいましょう。それから…」

「あら、人間界のお誕生日パーティーには、ケーキを食べると聞いたことがあるわ。せっかくなら色々なお菓子をお腹いっぱい食べたいわ。お菓子は絶対に準備してもらって!」

キーキがものすごい勢いで詰め寄って来る。

「わかったわ。モカラ、料理長にお菓子をたくさん準備してもらう様に、頼んでもらえるかしら?」

「かしこまりました。本当にキーキ様は、お菓子がお好きなのですね」

そう言ってモカラがクスクスと笑っている。

「そうよ、私はお菓子もお花も大好きなの。来週はどちらも沢山準備して頂戴ね」

「はい、かしこまりました」

キーキの要望に、笑顔で頷くモカラ。いつの間にかキーキのお誕生日パーティーみたいになっているが、まあいいか。

その時だった。

「ローラ、ここにいたんだな。なんだかとても楽しそうに話をしていたが、一体何を話していたんだ?」

やって来たのは旦那様だ。さっきの話、聞かれていないかしら?万が一旦那様に聞かれていたら、せっかくのサプライズ誕生日パーティーが台無しだ。

「別に大した話ではありませんわ。ねえ、キーキ」

「ええ、そうよ。それよりアーサー、女同士の会話を盗み聞きするなんて、一体どういう神経をしているのよ。気持ち悪い」

「何だと!お前、最近ちょっと自由に出してやっているからって、調子に乗るな。ほら、もう妖精界に戻れ」

そう言うと、さっさとキーキを妖精界に戻してしまった。

「本当にあいつは、言いたい事をズケズケというのだから。ローラ、もう寝る時間だ。寝室に行くぞ」

「わざわざ迎えに来てくれたのですね。ありがとうございます。あの…旦那様、明日はキーキを出してもらえますか?」

明日もお誕生日パーティーの打ち合わせをしたいのだが…

「しばらくダメだ。あいつは最近調子に乗っているからな」

「そうですか…」

久しぶりに眉間に皺を寄せて怒っている旦那様。この分だと、しばらくキーキは出してもらえなさそうね…

「もうキーキの事はいいだろう。寝室に行くぞ」

差し出された旦那様の手を取り、一緒に寝室へと向かった。寝室に着くと、そのままベッドに座らされる。

「ローラ、お前がキーキと仲がいいのは知っている。俺もお前の喜ぶことはしてやりたいと思っている。でも、最近キーキと一緒にいる時間の方が長いだろう。俺たちはやっと心が通じ合った夫婦なんだ。俺との時間も…その…」

なぜか最後の方、言葉を濁している。あら?もしかして旦那様…

「ごめんなさい。旦那様の気持ちに全く気が付きませんでしたわ」

そう言うと旦那様にギューッと抱き付いた。どうやら旦那様は、キーキに嫉妬していた様だ。まさか妖精に嫉妬するなんて…でも、そんな旦那様も可愛いわね。ついクスクスと笑ってしまう。

すると一気に唇を塞がれた。そしてゆっくり旦那様が離れる。

「お前、今笑っていただろう…まあいい、今日は俺がどれほどお前を愛しているか、徹底的に教えてやろう」

旦那様がニヤリと笑った。これは…マズイ展開だわ…

そう思った時はすでに遅し…
そのまま明け方近くまで、旦那様に可愛がられてしまったのであった。
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