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第47話:波乱の1日になりました
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友人たちと久しぶりに令嬢トークに花を咲かせていると、令息たちが次々に獲物を取られて帰って来始めた。
「アンジュ嬢、見てくれ。美しい狼だろう?」
ダルク様が取って来たのは、大きな狼だ。
「まあ、こんなに大きな狼を仕留めたのですか?凄いですわ。それはダルク様の優勝かもしれませんね」
本当に美しい狼だ。よくこんな立派な狼を仕留められたわね。さすがダルク様だわ。
そんな話をしている時だった。
「騎士団長、大変です。森の奥で令息数名が大柄のクマに襲われたとの事です。けが人も数名出ている様で、至急援助をとの事です」
「なんだって!わかった。今すぐ向かう」
騎士団長と数名の騎士団員たちが、急いで森の中に入って行った。
「そう言えばあれ以上奥に行ってはいけないと言われていたが、無視して入って行こうとしていた人たちが何人かいたな。デイビッドが必死に説得していたが…まさかあいつら、こっそりと入って行ったのか?」
既に戻って来ていた他の令息の1人が、その様な話をしていた。
「デイビッド様が止めていたにも関わらず、無視して入って行くだなんて、何を考えているのかしら?そんな不届きな者が貴族学院にいただなんて」
隣でルーシーが怒っている。ルーシーの言う通りだ。結果として、色々な人に迷惑を掛けているのだから。
それにしても、なんだか騒がしいわね。
気になって森の方に歩いて行くと…
「アンジュ嬢、危ない!!」
えっ?
ダルク様の叫び声と共に、誰かに突き飛ばされた。その勢いで、その場に倒れ込む。
「アンジュ、大丈夫?」
「おい、大丈夫か?」
友人達や騎士団員が飛んできた。私は大丈夫だけれど…
少し先には矢が刺さっている。そして、私の後ろには…
「ダルク様、大丈夫ですか?私を助けて下さったのですね。ありがとうございます。腕から血が出ておりますわ。まさかこの矢が!ダルク様」
真っ青な顔をして腕を抑えている。見た感じかすっただけの様だが…
「大丈夫かい?君。顔色が悪い。とにかく病院へ」
「私は…大丈夫だ。それよりもアンジュ嬢…怪我はないかい?突き飛ばしたりして…悪かった…」
「何をおっしゃっているのですか?ダルク様が助けてくれなかったら、今頃私は…」
「おい、この矢、毒が塗られているぞ。間違いない。俺は先日、ちょうど毒の勉強をしたから覚えているんだ。無色だから一見毒と判別できないが、この臭いは、プワゾンの木からとれる毒だ!」
「プワゾンの木の毒だって!病院に運んでいる時間はない。すぐに解毒剤を作るんだ。プワゾンの木の毒には、エタンドルの花の蜜だ!確かこの森にも咲いているはずだ。すぐに集めるんだ」
騎士団員たちが急いで花の蜜を集め始めた。先生たちも心配して私たちの元にやってきている。近くにいた生徒たちや騎士団員たちが、先生に状況を説明している。
そんな中、どんどん顔色が悪くなっていくダルク様。どうしよう、このままだとダルク様が死んでしまうわ。
恐怖から涙が溢れ出す。その時だった。
「アンジュ、一体どうしたんだ?ダルク殿はどうして倒れているのだい?」
ケガ人を運んできたデイビッド様が、血相を変えてこちらにやって来た。
「ダルク様が私を庇って、毒の塗られた矢で怪我をされて。今騎士団員の方たちが、解毒剤を取りに行ってくださっているのですが…」
「何だって!毒の塗られた矢だって!」
私達の元にやって来た騎士団長が、話に入って来た。
「団長、この矢の様ですね。確かにこの矢には、かすかにプワゾンの毒の臭いがします!大変だ!一刻の猶予も争えないぞ」
「そんな…ダルク様をどうか助けて下さい!ダルク様、私のせいで本当にごめんなさい」
ポロポロと涙を流し、ダルク様を抱きしめた。既に意識が朦朧としている。
「アンジュ、落ち着くんだ。俺も今から解毒剤でもある、エタンドルの花を探して来る。確か狩りの途中で見かけた!ダルク殿は絶対に死なせないから!」
そう言って、デイビッド様が走り出そうとした時だった。ちょうど騎士団員たちが戻って来たのだ。
「あったぞ、とにかく早くこの密を!」
意識が朦朧としているダルク様に、蜜を飲ませる騎士団員たち。どうか間に合って欲しい!
「アンジュ嬢、見てくれ。美しい狼だろう?」
ダルク様が取って来たのは、大きな狼だ。
「まあ、こんなに大きな狼を仕留めたのですか?凄いですわ。それはダルク様の優勝かもしれませんね」
本当に美しい狼だ。よくこんな立派な狼を仕留められたわね。さすがダルク様だわ。
そんな話をしている時だった。
「騎士団長、大変です。森の奥で令息数名が大柄のクマに襲われたとの事です。けが人も数名出ている様で、至急援助をとの事です」
「なんだって!わかった。今すぐ向かう」
騎士団長と数名の騎士団員たちが、急いで森の中に入って行った。
「そう言えばあれ以上奥に行ってはいけないと言われていたが、無視して入って行こうとしていた人たちが何人かいたな。デイビッドが必死に説得していたが…まさかあいつら、こっそりと入って行ったのか?」
既に戻って来ていた他の令息の1人が、その様な話をしていた。
「デイビッド様が止めていたにも関わらず、無視して入って行くだなんて、何を考えているのかしら?そんな不届きな者が貴族学院にいただなんて」
隣でルーシーが怒っている。ルーシーの言う通りだ。結果として、色々な人に迷惑を掛けているのだから。
それにしても、なんだか騒がしいわね。
気になって森の方に歩いて行くと…
「アンジュ嬢、危ない!!」
えっ?
ダルク様の叫び声と共に、誰かに突き飛ばされた。その勢いで、その場に倒れ込む。
「アンジュ、大丈夫?」
「おい、大丈夫か?」
友人達や騎士団員が飛んできた。私は大丈夫だけれど…
少し先には矢が刺さっている。そして、私の後ろには…
「ダルク様、大丈夫ですか?私を助けて下さったのですね。ありがとうございます。腕から血が出ておりますわ。まさかこの矢が!ダルク様」
真っ青な顔をして腕を抑えている。見た感じかすっただけの様だが…
「大丈夫かい?君。顔色が悪い。とにかく病院へ」
「私は…大丈夫だ。それよりもアンジュ嬢…怪我はないかい?突き飛ばしたりして…悪かった…」
「何をおっしゃっているのですか?ダルク様が助けてくれなかったら、今頃私は…」
「おい、この矢、毒が塗られているぞ。間違いない。俺は先日、ちょうど毒の勉強をしたから覚えているんだ。無色だから一見毒と判別できないが、この臭いは、プワゾンの木からとれる毒だ!」
「プワゾンの木の毒だって!病院に運んでいる時間はない。すぐに解毒剤を作るんだ。プワゾンの木の毒には、エタンドルの花の蜜だ!確かこの森にも咲いているはずだ。すぐに集めるんだ」
騎士団員たちが急いで花の蜜を集め始めた。先生たちも心配して私たちの元にやってきている。近くにいた生徒たちや騎士団員たちが、先生に状況を説明している。
そんな中、どんどん顔色が悪くなっていくダルク様。どうしよう、このままだとダルク様が死んでしまうわ。
恐怖から涙が溢れ出す。その時だった。
「アンジュ、一体どうしたんだ?ダルク殿はどうして倒れているのだい?」
ケガ人を運んできたデイビッド様が、血相を変えてこちらにやって来た。
「ダルク様が私を庇って、毒の塗られた矢で怪我をされて。今騎士団員の方たちが、解毒剤を取りに行ってくださっているのですが…」
「何だって!毒の塗られた矢だって!」
私達の元にやって来た騎士団長が、話に入って来た。
「団長、この矢の様ですね。確かにこの矢には、かすかにプワゾンの毒の臭いがします!大変だ!一刻の猶予も争えないぞ」
「そんな…ダルク様をどうか助けて下さい!ダルク様、私のせいで本当にごめんなさい」
ポロポロと涙を流し、ダルク様を抱きしめた。既に意識が朦朧としている。
「アンジュ、落ち着くんだ。俺も今から解毒剤でもある、エタンドルの花を探して来る。確か狩りの途中で見かけた!ダルク殿は絶対に死なせないから!」
そう言って、デイビッド様が走り出そうとした時だった。ちょうど騎士団員たちが戻って来たのだ。
「あったぞ、とにかく早くこの密を!」
意識が朦朧としているダルク様に、蜜を飲ませる騎士団員たち。どうか間に合って欲しい!
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