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第33話:ダルク様に街を案内しました
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「ありがとう、それじゃあ、一応陛下と侯爵に許可を取ってから行こう」
近くにいた執事に、陛下に確認してもらう様に声を掛けるダルク様。すぐに執事が確認に行ってくれたところ、承諾を得られた。
「それじゃあ、早速行こうか」
「はい」
ダルク様と一緒に、馬車に乗り込む。どうやら王宮の馬車で行く様だ。
「カリオス王国の街もとても綺麗だ。あちこちに木々や花々が植えられているし。緑が近くに感じられるのはいいね」
窓の外から街並みを見ながら、ダルク様が呟く。
「はい、我が国は、緑を大切にしておりますので。王都の外れには、絹糸を使った製品を製造している大きな工場もあるのですよ。時間があれば、紹介したいのですが…」
「ありがとう、アンジュ嬢。今日はとりあえず、君が普段行っている場所を紹介してもらえたら嬉しいな。絹糸を使った製品の製造工場は、侯爵に案内してもらうよ。そうだ、その時はぜひアンジュ嬢も一緒に来てくれると嬉しいよ」
「もちろん、私も同行させていただきますわ。私が言うのも何ですが、父は本当に子供思いで。私の為にミラージュ王国を調べ、留学を勧めてくれたのも父なのです。だからこそ、今回父に少しでも恩返しが出来た事が嬉しくて…」
今まで散々お父様には、心配と迷惑を掛けてきたのだ。
「アンジュ嬢は、家族思いなんだね。家族仲が良いというのは、いい事だ」
「ダルク様のご家族は、仲が良くないのですか?」
「そうだな、仲が悪くはないかな。私は三男坊だから、良くも悪くも比較的自由にさせてもらっているから。ただ、母が少し心配性で…私がこのまま結婚しないのではないかと、よく心配していたよ」
そう言えばダルク様は、一生独身を貫き、王太子殿下を支えると聞いたことがある。親としては、息子の事が心配なのだろう。私もデイビッド様の事があったせいか、結婚に関して消極的なのだ。
もしかしたら私も、一生独身を貫くかも…そう思っている。
「アンジュ嬢、街に着いた様だよ。早速案内してくれるかい?」
色々と話をしている間に、街に着いた様だ。
「ええ、もちろんですわ。参りましょう」
ダルク様と一緒に馬車を降りた。
「ここが貴族たち専用のゾーンです。我が国では貴族と平民のトラブルを避けるため、生活圏を住み分けております。どうぞこちらへ」
ダルク様と一緒に、貴族通りを歩く。
「沢山お店があるのだね。それに絹を使った衣装が沢山ありそうだ」
「我が国では、貴族のドレスは絹を使うのが基本ですので。さあ、こちらが私がよく行くお店です。どうぞ」
ダルク様を連れて、いつも良く行くドレスショップへと入って行く。
「まあ、アンジュ様、よくお越しいただきました。留学から帰国されたのですね」
「お久しぶりですわ、マダム。はい、1ヶ月くらい前に帰国しましたの。これからはまた、社交界にも顔を出すつもりでおりますので、その時はよろしくお願いします」
「もちろんです、その時はお屋敷にお伺いさせていただきますので、お気軽にお声がけください。あら?お隣にいらっしゃるのは?」
マダムがダルク様に気が付いた様だ。
「ミラージュ王国からやって参りました、ダルク・ファリグラスと申します。今回は、この国の絹をぜひ我が国でも取り扱いたいと考え、留学もかねてこの国に来ました。今日はアンジュ嬢に、色々と街を案内して頂こうと思いまして」
「まあ、ミラージュ王国のお方でしたか?我が国の絹は本当に品質が良いのですよ。私のお店では、男性用のスーツ以外にも、ネクタイやハンカチなどをちょっとした小物も取り扱っておりますので、ぜひご覧ください。こちらのスーツなどはいかがでしょうか?ダルク様によくお似合いかと」
早速マダムの営業トークが始まった。
「本当に肌触りがいいのですね。試着してみてもよろしいですか?」
「はい、もちろんです」
嬉しそうにスーツを持ったマダムが、試着室を案内している。早速試着するダルク様。
「まあ、なんとお似合いなのでしょう。とても素敵ですわ」
「本当によく似合っておりますわ、ダルク様」
すらりと背の高いダルク様に、とてもよく似合っている。
「とても着心地がいいのですね。それじゃあ、これを1着、それから、これと色違いのものを家族にも買いたいので、この色とこの色の物を各2着、それからこのハンカチもお願いします。あと、この寸法のドレスも作って頂けますか?色はこの色とこの色でお願いします」
凄い勢いで購入するダルク様。さすがだ。
「ありがとうございます!分かりましたわ、ただ、制作に少しお時間を頂きますが、よろしいでしょうか?お届けはスィークルン侯爵家に届ければよろしいですか?」
「納期に関しては問題ないです。届け先は王宮の方に頼みます。しばらく王宮でお世話になる予定でおりますので」
「分かりましたわ、ありがとうございます!!」
さすがミラージュ王国の公爵令息のダルク様、スッと支払いを済ませている。
「アンジュ嬢、君も何か欲しいものはないのかい?」
「私は大丈夫ですわ。それじゃあ、次の場所に行きましょう」
笑顔のマダムに見送られ、お店を出た。
近くにいた執事に、陛下に確認してもらう様に声を掛けるダルク様。すぐに執事が確認に行ってくれたところ、承諾を得られた。
「それじゃあ、早速行こうか」
「はい」
ダルク様と一緒に、馬車に乗り込む。どうやら王宮の馬車で行く様だ。
「カリオス王国の街もとても綺麗だ。あちこちに木々や花々が植えられているし。緑が近くに感じられるのはいいね」
窓の外から街並みを見ながら、ダルク様が呟く。
「はい、我が国は、緑を大切にしておりますので。王都の外れには、絹糸を使った製品を製造している大きな工場もあるのですよ。時間があれば、紹介したいのですが…」
「ありがとう、アンジュ嬢。今日はとりあえず、君が普段行っている場所を紹介してもらえたら嬉しいな。絹糸を使った製品の製造工場は、侯爵に案内してもらうよ。そうだ、その時はぜひアンジュ嬢も一緒に来てくれると嬉しいよ」
「もちろん、私も同行させていただきますわ。私が言うのも何ですが、父は本当に子供思いで。私の為にミラージュ王国を調べ、留学を勧めてくれたのも父なのです。だからこそ、今回父に少しでも恩返しが出来た事が嬉しくて…」
今まで散々お父様には、心配と迷惑を掛けてきたのだ。
「アンジュ嬢は、家族思いなんだね。家族仲が良いというのは、いい事だ」
「ダルク様のご家族は、仲が良くないのですか?」
「そうだな、仲が悪くはないかな。私は三男坊だから、良くも悪くも比較的自由にさせてもらっているから。ただ、母が少し心配性で…私がこのまま結婚しないのではないかと、よく心配していたよ」
そう言えばダルク様は、一生独身を貫き、王太子殿下を支えると聞いたことがある。親としては、息子の事が心配なのだろう。私もデイビッド様の事があったせいか、結婚に関して消極的なのだ。
もしかしたら私も、一生独身を貫くかも…そう思っている。
「アンジュ嬢、街に着いた様だよ。早速案内してくれるかい?」
色々と話をしている間に、街に着いた様だ。
「ええ、もちろんですわ。参りましょう」
ダルク様と一緒に馬車を降りた。
「ここが貴族たち専用のゾーンです。我が国では貴族と平民のトラブルを避けるため、生活圏を住み分けております。どうぞこちらへ」
ダルク様と一緒に、貴族通りを歩く。
「沢山お店があるのだね。それに絹を使った衣装が沢山ありそうだ」
「我が国では、貴族のドレスは絹を使うのが基本ですので。さあ、こちらが私がよく行くお店です。どうぞ」
ダルク様を連れて、いつも良く行くドレスショップへと入って行く。
「まあ、アンジュ様、よくお越しいただきました。留学から帰国されたのですね」
「お久しぶりですわ、マダム。はい、1ヶ月くらい前に帰国しましたの。これからはまた、社交界にも顔を出すつもりでおりますので、その時はよろしくお願いします」
「もちろんです、その時はお屋敷にお伺いさせていただきますので、お気軽にお声がけください。あら?お隣にいらっしゃるのは?」
マダムがダルク様に気が付いた様だ。
「ミラージュ王国からやって参りました、ダルク・ファリグラスと申します。今回は、この国の絹をぜひ我が国でも取り扱いたいと考え、留学もかねてこの国に来ました。今日はアンジュ嬢に、色々と街を案内して頂こうと思いまして」
「まあ、ミラージュ王国のお方でしたか?我が国の絹は本当に品質が良いのですよ。私のお店では、男性用のスーツ以外にも、ネクタイやハンカチなどをちょっとした小物も取り扱っておりますので、ぜひご覧ください。こちらのスーツなどはいかがでしょうか?ダルク様によくお似合いかと」
早速マダムの営業トークが始まった。
「本当に肌触りがいいのですね。試着してみてもよろしいですか?」
「はい、もちろんです」
嬉しそうにスーツを持ったマダムが、試着室を案内している。早速試着するダルク様。
「まあ、なんとお似合いなのでしょう。とても素敵ですわ」
「本当によく似合っておりますわ、ダルク様」
すらりと背の高いダルク様に、とてもよく似合っている。
「とても着心地がいいのですね。それじゃあ、これを1着、それから、これと色違いのものを家族にも買いたいので、この色とこの色の物を各2着、それからこのハンカチもお願いします。あと、この寸法のドレスも作って頂けますか?色はこの色とこの色でお願いします」
凄い勢いで購入するダルク様。さすがだ。
「ありがとうございます!分かりましたわ、ただ、制作に少しお時間を頂きますが、よろしいでしょうか?お届けはスィークルン侯爵家に届ければよろしいですか?」
「納期に関しては問題ないです。届け先は王宮の方に頼みます。しばらく王宮でお世話になる予定でおりますので」
「分かりましたわ、ありがとうございます!!」
さすがミラージュ王国の公爵令息のダルク様、スッと支払いを済ませている。
「アンジュ嬢、君も何か欲しいものはないのかい?」
「私は大丈夫ですわ。それじゃあ、次の場所に行きましょう」
笑顔のマダムに見送られ、お店を出た。
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