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第21話:どうしても諦めきれない~デイビッド視点~
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自室に戻り、ソファに腰を下ろす。机には、次期騎士団長の任命書が。
「俺は一体、何のために騎士団長を目指していたのだろう…」
俺は7年前、己の未熟さ故、大切なアンジュを傷つけてしまった。だからこそ、アンジュを守れるくらい強くなりたい、そのためにも騎士団長を目指してきた。全てはかつての自分の弱さを払拭し、アンジュと幸せな未来を築く為に。
でも…
結局俺は、自分の気持ちばかりで、アンジュを傷つけた。確かに侯爵や両親の言う通り、俺が騎士団長になるまでは、アンジュへの気持ちを封印するという思いは、アンジュには関係ない。
そもそもアンジュに、その事を伝えもせず、一方的に婚約の申し込みを拒み続けてきたのだ。
5度も断られたら、アンジュだって完全に心が折れてしまうだろう。その上、傷を癒すために向かったミラージュ王国では、酷い虐めを受けたとの事。
俺のせいで、アンジュはどれだけ傷つき、涙を流したのだろう…
考えれば考えるほど、俺は自分の事しか考えていなかったんだと、痛感した。きっとアンジュも、もう俺の事なんて嫌いになっているだろう。もしかしたら、もう二度と会いたくないと思っているかもしれない。
でも…
脳裏に浮かぶのは、俺に笑顔を向けてくれるアンジュの姿だ。俺はやっぱり、アンジュが好きだ、大好きだ!このまま諦めるなんて出来ない。少なくとも、今までの事をしっかりアンジュに謝りたい。
アンジュは、ミラージュ王国にいるんだよな…
すぐさま荷物をまとめる。
「お坊ちゃま、何をなされているのですか?まさかアンジュ様の元に向かわれるのではありませんよね」
近くで使用人が騒いでいる。
「そうだ、アンジュに会いに行くつもりだ。俺はアンジュを酷く傷つけた。本来であれば、どの面下げてアンジュに会えるのだろう…というところだが、それでも俺はアンジュに会って、ちゃんと謝りたい。たとえ許してくれなくても、一生をかけて償いたいんだ」
俺はアンジュ以外と結婚するつもりはない。アンジュが俺を受け入れてくれなければ、俺は一生独身を貫くつもりだ。
俺が荷造りをしていると
「デイビッド、一体何をしているのだ!」
騒ぎを聞きつけてやって来たのは、父上と母上だ。
「アンジュに会いに、ミラージュ王国に向かうための荷造りをしているのです。アンジュにあって謝りたい」
「デイビッド、さっきも言ったが、アンジュ嬢の事はもう諦めろ!スィークルン侯爵からも、デイビッドとは結婚させるつもりはないと言われている。今更お前がどうあがいても、アンジュ嬢はもうお前の元には戻って来ない!」
「そうよ、デイビッド。これ以上アンジュちゃんに迷惑を掛ける様なことは止めて。アンジュちゃんの事は忘れて、騎士団長として頑張ればいいじゃない。ずっと騎士団長になりたかったのでしょう?今は辛いかもしれないけれど、きっとあなたにもアンジュちゃん以外の素敵な令嬢が現れるわ」
「俺はアンジュを守るために騎士団長になりたかったのです。それに、アンジュ以外と結婚するつもりはありません。もしアンジュが俺を一生許さず、別の令息と結婚するというのなら…その時は…」
アンジュがもし別の令息と結婚したら…
考えただけで、胸が張り裂けそうだ。アンジュを失うくらいなら…いっその事…
「デイビッド、落ち着け。とにかくミラージュ王国には…」
「父上や母上がなんと言おうが、俺はミラージュ王国に向かいます!さあ、もう出て行ってください」
父上と母上を無理やり部屋から追い出した。ドンドンとドアを叩きながら、両親が何かを叫んでいるが、何を言われようと俺はもう決めたんだ。
とにかくアンジュに謝ろう。アンジュは俺を許してはくれないかもしれない。でも…
それでも俺にはアンジュしかいないんだ…
早くアンジュに会いたい。会って謝りたい!そんな思いで、荷造りを行った。
そして翌日
既に諦めたのか、両親は何も言わなかった。そんな両親に見送られ、俺は馬車に乗り込んだ。一旦騎士団に向かい、しばらく留守にする旨を騎士団長に伝えた。
すると
「デイビッドは今まで、血の滲む様な努力を重ねて来たんだ。貴族学院を卒院するまでは、ゆっくりしなさい。それから、ラミネスの件、本当にすまなかったね。ラミネスのせいで、アンジュ嬢は他国に留学してしまったのだろう?本当に、何とお詫びしていいか…」
「いいえ…ラミネス嬢のせいではありません。俺が…アンジュの心をズタズタに引き裂いたのです。騎士団長、お心づかい感謝します。それでは、行ってきます」
笑顔で見送ってくれる騎士団長に頭を下げ、再び馬車に乗り込んだ。
アンジュ、今まで酷い事ばかりして本当にすまない。でも俺は、アンジュを諦める事なんて、どうしてもできないんだ。我が儘で自己中心的な男だと、呆れられるかもしれない…
それでも俺は、アンジュの傍にいたい。
アンジュ、今から会いに行くから…
※次回、アンジュ視点に戻ります。
「俺は一体、何のために騎士団長を目指していたのだろう…」
俺は7年前、己の未熟さ故、大切なアンジュを傷つけてしまった。だからこそ、アンジュを守れるくらい強くなりたい、そのためにも騎士団長を目指してきた。全てはかつての自分の弱さを払拭し、アンジュと幸せな未来を築く為に。
でも…
結局俺は、自分の気持ちばかりで、アンジュを傷つけた。確かに侯爵や両親の言う通り、俺が騎士団長になるまでは、アンジュへの気持ちを封印するという思いは、アンジュには関係ない。
そもそもアンジュに、その事を伝えもせず、一方的に婚約の申し込みを拒み続けてきたのだ。
5度も断られたら、アンジュだって完全に心が折れてしまうだろう。その上、傷を癒すために向かったミラージュ王国では、酷い虐めを受けたとの事。
俺のせいで、アンジュはどれだけ傷つき、涙を流したのだろう…
考えれば考えるほど、俺は自分の事しか考えていなかったんだと、痛感した。きっとアンジュも、もう俺の事なんて嫌いになっているだろう。もしかしたら、もう二度と会いたくないと思っているかもしれない。
でも…
脳裏に浮かぶのは、俺に笑顔を向けてくれるアンジュの姿だ。俺はやっぱり、アンジュが好きだ、大好きだ!このまま諦めるなんて出来ない。少なくとも、今までの事をしっかりアンジュに謝りたい。
アンジュは、ミラージュ王国にいるんだよな…
すぐさま荷物をまとめる。
「お坊ちゃま、何をなされているのですか?まさかアンジュ様の元に向かわれるのではありませんよね」
近くで使用人が騒いでいる。
「そうだ、アンジュに会いに行くつもりだ。俺はアンジュを酷く傷つけた。本来であれば、どの面下げてアンジュに会えるのだろう…というところだが、それでも俺はアンジュに会って、ちゃんと謝りたい。たとえ許してくれなくても、一生をかけて償いたいんだ」
俺はアンジュ以外と結婚するつもりはない。アンジュが俺を受け入れてくれなければ、俺は一生独身を貫くつもりだ。
俺が荷造りをしていると
「デイビッド、一体何をしているのだ!」
騒ぎを聞きつけてやって来たのは、父上と母上だ。
「アンジュに会いに、ミラージュ王国に向かうための荷造りをしているのです。アンジュにあって謝りたい」
「デイビッド、さっきも言ったが、アンジュ嬢の事はもう諦めろ!スィークルン侯爵からも、デイビッドとは結婚させるつもりはないと言われている。今更お前がどうあがいても、アンジュ嬢はもうお前の元には戻って来ない!」
「そうよ、デイビッド。これ以上アンジュちゃんに迷惑を掛ける様なことは止めて。アンジュちゃんの事は忘れて、騎士団長として頑張ればいいじゃない。ずっと騎士団長になりたかったのでしょう?今は辛いかもしれないけれど、きっとあなたにもアンジュちゃん以外の素敵な令嬢が現れるわ」
「俺はアンジュを守るために騎士団長になりたかったのです。それに、アンジュ以外と結婚するつもりはありません。もしアンジュが俺を一生許さず、別の令息と結婚するというのなら…その時は…」
アンジュがもし別の令息と結婚したら…
考えただけで、胸が張り裂けそうだ。アンジュを失うくらいなら…いっその事…
「デイビッド、落ち着け。とにかくミラージュ王国には…」
「父上や母上がなんと言おうが、俺はミラージュ王国に向かいます!さあ、もう出て行ってください」
父上と母上を無理やり部屋から追い出した。ドンドンとドアを叩きながら、両親が何かを叫んでいるが、何を言われようと俺はもう決めたんだ。
とにかくアンジュに謝ろう。アンジュは俺を許してはくれないかもしれない。でも…
それでも俺にはアンジュしかいないんだ…
早くアンジュに会いたい。会って謝りたい!そんな思いで、荷造りを行った。
そして翌日
既に諦めたのか、両親は何も言わなかった。そんな両親に見送られ、俺は馬車に乗り込んだ。一旦騎士団に向かい、しばらく留守にする旨を騎士団長に伝えた。
すると
「デイビッドは今まで、血の滲む様な努力を重ねて来たんだ。貴族学院を卒院するまでは、ゆっくりしなさい。それから、ラミネスの件、本当にすまなかったね。ラミネスのせいで、アンジュ嬢は他国に留学してしまったのだろう?本当に、何とお詫びしていいか…」
「いいえ…ラミネス嬢のせいではありません。俺が…アンジュの心をズタズタに引き裂いたのです。騎士団長、お心づかい感謝します。それでは、行ってきます」
笑顔で見送ってくれる騎士団長に頭を下げ、再び馬車に乗り込んだ。
アンジュ、今まで酷い事ばかりして本当にすまない。でも俺は、アンジュを諦める事なんて、どうしてもできないんだ。我が儘で自己中心的な男だと、呆れられるかもしれない…
それでも俺は、アンジュの傍にいたい。
アンジュ、今から会いに行くから…
※次回、アンジュ視点に戻ります。
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