婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi

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第9話:2ヶ月ぶりに帰国したらオスカー様が待っていました

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お祭りの翌日、ホテルで朝食を食べた後再び船へと乗り込む。このままどこにも寄らずに、そのまま帰国予定だ。この国から我が国までは、船で丸2日。予定通りの帰国となる。

「せっかくなら、もう少しこの国に滞在したかったけれど、こればっかりは仕方ないわね」

そう言ってため息を付くファビアナ。

「そうね。でも、今回の旅が最後という訳ではないでしょう?」

「もちろんよ、次の大型休みも、また2人で旅に出ましょう!やっぱりアメリアが居ると、旅もグンと楽しくなるものね」

既に次の旅の話で盛り上がる私達。今回の旅は、本当に有意義だった。世界は本当に広く、自分がいかに狭い世界で生きて来たのかを、嫌という程思い知らされた。それに世界は広い。まだまだ行った事のない国が沢山あるのよね。いつか、全ての国に行けたらいいな、なんてさすがに贅沢よね。

「どうしたの?アメリア。ニヤニヤしちゃって」

「別にニヤニヤなんてしていないわ!ただ、いつか全ての国に行けたらいいなって考えていただけ。でも、さすがに厳しいわよね」

「そうね、世界は広いから。でも、夢を持つ事は良い事よ」

そう言ってにっこり笑ったファビアナ。

その後2日間は、今まで行った国の話で盛り上がったり、娯楽施設で遊んだりして過ごした。


「アメリア、カルダス王国が見えて来たわよ」

デッキで海を眺めていると、急にファビアナが叫んだ。確かに、向こうの方にぼんやりと大陸が見える。

「ついに帰ってきてしまったのね…3日後には学院が始まると思うと、気が重いわ」

きっとオスカー様とミア様の婚約が決まっているだろう。お父様とは何度か通信で話をしたが、オスカー様については全くと言っていいほど触れてこない。という事は、きっと私に気を使っているに違いない。

「ねえ、ファビアナ。私、学院で婚約を解消された可哀そうな人って思われるのかしら?」

「何を言っているの?そんな事ないわよ。そもそもあなたはモテるんだから、学院に行ったら一気に令息に囲まれるわよ」

そう言って笑うファビアナ。
「もう、からかわないでよ!」

「あら、本当の事よ。今まではみんなオスカー様に遠慮してあなたに近づかなかったけれど、婚約を解消したのですもの。きっと今まで遠慮していた令息共が群がるわ」

もう、私の事をからかって。

「でも、気持ちは分かるわ。特にあなたは周りに流されやすいタイプだものね。だからって、周りに流されて、押しの強い令息と婚約を決めてはダメよ!」


「さすがの私でもそんな事はしないわ!なんだかファビアナと話をしたら、丈夫なような気がして来た。ありがとう、ファビアナ」

「どういたしまして。ほら、もうすぐ港に着くわ」

ファビアナの言葉通り、どうやら港に着いた様だ。港に着いたタイミングで、この船の責任者、ダーウィンさんが来てくれた。

「お嬢様、アメリア様、お疲れ様でした。無事港に着きましたよ」

「ダーウィンさん、2ヶ月間ありがとうございました。本当に有意義な旅が出来ましたわ」

「それは良かったです。またアメリア様と一緒に旅が出来る事を、楽しみにしていますね」

そう言って微笑んでくれたダーウィンさん。本当に良い人だ。

「お嬢様、荷物もまとめましたので、そろそろ船を降りましょう」

メイドに促されて、ファビアナと一緒に船を降りる。ちなみに帰りは、疲れているからとそれぞれ自分の家の馬車で帰る事になっている。

「2ヶ月間お世話になった船とお別れするのは、なんだか寂しいわね」

「そうね、でも、半年もすればまた旅に出る事が出来るのだから、それまでの我慢ね」

そうか、半年後にはまたファビアナと一緒に旅に出られるのね。そう思ったら、今から楽しみだわ。船から降りると、伯爵家の馬車へと向かう。その時だった。

「アメリア!あぁ、僕の可愛いアメリア!やっと会えたね。お帰り、もう二度と離さないよ!」

物凄い勢いで走って来たオスカー様に抱きしめられた。一瞬何が起こったのかわからない。ギューギュー抱きしめたと思ったら、次は頬ずりだ。あら?私達って婚約を解消したのではなかったのかしら?

頭の中が?だらけだ。隣でファビアナも目を真ん丸にして固まっている。

「あの…オスカー様。私達、婚約は解消したと父から聞いているのですが…」

「アメリア、その事なんだが、本当に君にはすまない事をしたと思っている。でも、僕が愛しているのは君だけなんだ!とにかく、今すぐもう一度婚約を結び直そう!もう二度と君を傷つけたりしないし、ずっと一緒に居るよ。そもそも、今回2ヶ月も離れ離れになって、本当に死ぬかと思ったよ。もう二度と、こんな思いはしたくないからね。もう僕は1秒だって君と離れたくない。そうだ、僕が継ぐ予定になっている叔父上の家で2人で暮らそう。既に君の部屋も準備してあるよ。そうしたら、ずっと一緒に居られるからね!」

物凄く早口で、さらに訳の分からない事を言うオスカー様。よく見たら、随分とやつれている。それに、顔色も良くない。もしかして、体調が優れないのかしら?どうしていいかわからず固まっていると、向こうの方からお父様がやって来た。

「オスカー、どうして君がここに居るんだ?アメリアから離れなさい!」

そう言って私をオスカー様から引き離すお父様。そんなお父様を睨むオスカー様。私が居ない間に、一体何がどうなっていたのかしら?

「アメリア、お帰り!ファビアナ嬢、君には本当に感謝しかないよ。娘を商船に乗せてくれてありがとう!見苦しい姿を見せてしまってすまないね。そうそう、向こうでミルソン伯爵が待っていたよ。行ってあげなさい」

「あ…はい。それでは、私はこれで。アメリア、また詳しい話は今度きかせて。それじゃあね」

「ありがとう、ファビアナ。また今度ね!」

手を振って去っていくファビアナに、私も手を振り返した。その瞬間、再びオスカー様の腕の中に閉じ込められた。

「オスカー様、私たちはもう婚約者同士ではありません。むやみやたらに令嬢に抱き着くものではありませんよ」

オスカー様に、はっきりと告げた。そもそも、オスカー様も私との婚約解消を喜んで承諾したのではないの?それなのに今更こんな事されても、混乱するだけだわ。

「アメリア、まだ怒っているのかい?本当に申し訳ない事をしたと思っている。とにかく、僕には君しかいないんだ!どうかもう一度婚約を結び直して欲しい!」

そう言って、私の手の甲に口付けを落とすオスカー様。さすが超イケメン。やつれていても絵になるわね。

「オスカー、アメリアは帰国したばかりで疲れているんだ。また明日、サマーグレンド侯爵も交えてもう一度話し合おう。それじゃあ、私たちはこれで」

お父様に手を引かれ、伯爵家の馬車へと向かう。

「待って!僕はもうアメリアと1秒だって離れたくはないんだ!1人で馬車に乗るなんて耐えられない!アメリアは僕が伯爵家まで送ります」

そう言って、お父様から私を奪い取ろうとするオスカー様。そこに、テオ様とお兄様がやって来た。

「オスカー、まさかと思って来てみれば、やっぱりここに居たのか!とにかく今日は一緒に帰るぞ。すまない、アメリア。こいつは連れて帰るから、今日はゆっくり休んでくれ」

「兄上、僕の邪魔をするのは止めてくれ!僕がこの2ヶ月、どんな思いで過ごしていたか知っているだろう!」

「それとこれとは話は別だ。とにかく、今日は帰るぞ!リーファス伯爵。また後日、話し合いの場を設けて頂いてもよろしいでしょうか?」

「ああ、もちろんだ!明日にでも、アメリアを連れて侯爵家に伺おう」

「ありがとうございます!それではこれで」

「待って!もう二度とアメリアとは離れたくないんだ!離せ!」

さすが騎士団期待の星、簡単にテオ様を振り切ってしまった。テオ様の指示で護衛騎士3人も加わり、4人がかりでオスカー様を連れて行く。

正直、何が何だかさっぱりわからない。

自分の名前を叫びながら連れていかれるオスカーの姿を見て、不安を抱くアメリアであった。
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