163 / 238
学園編
良い話
しおりを挟む
冒険者ギルドから戻ってきた俺たちは、学園まで戻ってくると、門の近くで帰りを待っていたフィエラと合流する。
「フィ~エラ」
「エル。おかえり」
「ただいま。シュヴィーナは?」
「アイリスとセフィリアと一緒に他の授業に行った」
「そうか」
どうやらシュヴィーナたちは3人で別の授業を受けに行っているらしく、今回はフィエラだけが俺たちを待っていたようだ。
「楽しそう。何かいいことでもあった?」
「お、わかるか?俺たちにとって、すごく良い話を持ってきたんだ」
「良い話?私たちになら…結婚?」
「それはお前にとっての良い話だろ。そんなんじゃなくて、もっと実りのある話だ」
フィエラは本気なのか冗談なのか分からない顔でそんなことを言うが、俺には結婚なんて良い話なわけがないためすぐに否定する。
「とりあえず場所を変えよう。ミリアたちはどうする?」
「私はお供いたします」
「あたしはアイリスたちの所に行ってくるわ。さっきの話もしないといけないし」
「わかった」
「それじゃあね」
ソニアはそう言って軽く手を振りながら学園内に入っていくと、その場には俺とミリアとフィエラの3人だけが残る。
「俺たちも行くか」
「どこに?」
「前にお昼を食べたSクラス用の庭園に行こう。あそこなら人もあまり来ないからな」
「わかった」
前にお昼を食べた庭園なら、Sクラス生以外は入ることができないし、今の時間は授業を受けている生徒がほとんどのはずなので、俺たちはそこへと場所を変えることにした。
庭園へと移動してきた俺たちは、休憩ように用意されている椅子へと座り、ストレージから帰る途中で買ってきたケーキをテーブルの上に置く。
「美味しそう」
「食べていいぞ。俺らは帰りに食べてきたからな」
「ありがと」
フィエラは美味しそうにフルーツがたくさん乗ったケーキを一口食べると、嬉しいのか尻尾がゆっくりと揺れる。
「それで、良い話って?」
「あぁ。さっき冒険者ギルドに行ったら、SSランク冒険者に会ってな。そしたら、クランに誘われたんだよ」
「クラン?」
どうやらフィエラはクランについて何も知らないようで、まずはクランについての説明を彼女に聞かせる。
「つまり、パーティーより大人数で行動して、いろんな特典もあるってこと?」
「まぁ、そんな感じだ。それでそのクランについてだが、俺たちはパーティーとしてそこに入ることにしたからな」
「わかった」
フィエラは特に何かを言うこともなく頷くと、幸せそうにしながらまたケーキを一口食べる。
「決めてから聞くのもあれだが、何か言うことはないのか?不満とかさ」
「別に。私はエルの選択に従うだけだから。ただ、少し意外だった」
「意外?」
「ん。エルは群れるのが嫌いだから、断ると思ってた」
「それか。俺も最初は断るつもりだったんだ。ただ、条件が良かったし、入った後のメリットもあるから、こっちの条件を飲んでくれるならってことで入ることにしたんだよ」
「なるほど。エルらしい」
俺はそこまで説明を終えると、ミリアが用意してくれたオレンジジュースを一口飲み、次の話題へと移る。
「それで…だ。こっちが提示した条件だが、パーティーの再編成をしないこと、自由に行動する権利、そしてSSランクへの昇格試験の三つだ」
「一つ一つ説明をお願い」
「はいよ。まず、パーティーの再編成についてだが、本来はクランに入った後、先輩冒険者たちが相性を見てパーティーの再編成をするんだが、俺たちはそれを無しにしてもらった」
「確かに。今さら低ランクの冒険者と組むのは邪魔」
フィエラも俺と同じ考えに至ったようで、やはり今から他の誰かとパーティーを組むのは足手まといでしかないため、フィエラもこの件については特に思う所はないようだ。
「次に自由に行動する権利。これは本来ならクランに入った場合、基本的に拠点があるところを中心に依頼を受けたり上の冒険者から依頼を任されて行動するんだ」
「つまり、クランに入ると制限が多くなる?」
「その通り。お前も気付いていると思うが、俺には目的がある。その目的のために今まで旅をしてきたし、これからもいろんなダンジョンや依頼に挑戦するつもりだ。
だが、クランに入るとその制限で自由に動けなくなるだろ?」
「だから自由に行動する権利」
「あぁ。本来はここで依頼を受けたりしながら活動しないといけないところを、俺らに限ってはその制限を無くしてもらった。だから、俺たちは何も気にすることなくこれまで通りに動くことができる。
ただ、その分依頼を受けるときやダンジョンに挑む時は、クランの名前も使って入らないといけない」
「さっき言ってた貢献度のため。理解した」
フィエラにはクランの説明をした時に貢献度や報告会についても説明していたため、すぐに話を理解することができたようだ。
「そして三つ目。SSランクへの昇格試験。お前も知っていると思うが、SSランクに上がるには、そのランクの冒険者と勝負をし、実力がSSランクに相応しいと認められる必要がある。その後はギルマスとの面接で人柄も見られるし、ギルドの偉い人たちにも判断してもらう必要がある」
「ん。でも、そもそもSSランクの冒険者の数が少ないから、私たちは昇格することができなかった」
「そうだ。だが、俺が今話したクランには、少なくともSSランクの冒険者が2人いる。ちょうど良い機会だったから、ついでにランクを上げておこうと思ってな」
「なるほど。それで、本音は?」
フィエラはそう言うと、本当にそれだけが理由なのかと言わんばかりにじっと俺のことを見てくる。
「ふっ。まぁ、SSランクに昇格したいってのも本当のところではあるが、一番はやっぱり戦いたいからだな。強いやつと戦うのは本当に楽しいからさ」
強い魔物とはこれまで何度も戦い死にかけてきたが、強い人間と戦ったことは今世ではあまり多く無かった。
「魔物と戦うのも楽しいけど、やっぱり同じ人間と戦うのが一番楽しいよ」
魔物は人間とは違い、基本的に考えて戦闘をすることがない。
それは自分たちの強さに誇りを持っているからであり、野生で培った経験と生存本能があるため、人間のように搦手や細かな作戦を必要としないからだ。
しかし、人間は違う。人間は自分が勝つためならどんな卑怯な手でも使うし、生き残るためなら必死で考える。
そこから得られるものは、強者であろうと弱者であろうと存在するし、自身の糧になるものなら是非とも知っておきたいのだ。
「それに、お前も戦ってみたいだろ?SSランクの冒険者と」
俺はオルガと戦えることを想像しただけで楽しくなり、笑いながらフィエラにそう言うと、彼女は微笑ましいものでも見るような表情で頷いた。
「エルが楽しそうで良かった。私も楽しみ」
「あぁ。すごく楽しいよ」
俺はそれから少しの間、オルガについてフィエラに話を聞かせるが、彼女は嫌な顔一つせず楽しそうに話を聞き続ける。
「それとお前の相手だが、オルガのクランにいるライという男になった」
「どんな人?」
「そうだなぁ。オルガは動きからして近接系だろうが、ライは暗殺者に近いだろうな」
「暗殺者」
「これ以上は言ったらつまらないから話さないが、おそらくお前とは相性が悪いだろう。頑張れよ」
「ん。頑張る」
フィエラも相性が悪いと言われて戦うことがより楽しみになったのか、耳と尻尾が分かりやすいくらいに反応する。
その後、しばらくの間2人で話をしながら過ごしていると、授業を終えたシュヴィーナたちもやってくる。
俺は彼女たちにもフィエラにしたのと同じ説明をすると、シュヴィーナもクランに入ることは俺が決めたのならと納得し、アイリスはソニアの紹介で入れるのなら入りたいと言っていた。
セフィリアも入りたそうにはしていたが、俺と同じでこの先の未来を知っている彼女は、今後聖剣に選ばれた勇者と行動を共にする必要があるため、今回は断念していた。
それからは、人数の増えた庭園でしばらくお茶をした後、俺たちは自分たちの部屋へと戻るのであった。
「フィ~エラ」
「エル。おかえり」
「ただいま。シュヴィーナは?」
「アイリスとセフィリアと一緒に他の授業に行った」
「そうか」
どうやらシュヴィーナたちは3人で別の授業を受けに行っているらしく、今回はフィエラだけが俺たちを待っていたようだ。
「楽しそう。何かいいことでもあった?」
「お、わかるか?俺たちにとって、すごく良い話を持ってきたんだ」
「良い話?私たちになら…結婚?」
「それはお前にとっての良い話だろ。そんなんじゃなくて、もっと実りのある話だ」
フィエラは本気なのか冗談なのか分からない顔でそんなことを言うが、俺には結婚なんて良い話なわけがないためすぐに否定する。
「とりあえず場所を変えよう。ミリアたちはどうする?」
「私はお供いたします」
「あたしはアイリスたちの所に行ってくるわ。さっきの話もしないといけないし」
「わかった」
「それじゃあね」
ソニアはそう言って軽く手を振りながら学園内に入っていくと、その場には俺とミリアとフィエラの3人だけが残る。
「俺たちも行くか」
「どこに?」
「前にお昼を食べたSクラス用の庭園に行こう。あそこなら人もあまり来ないからな」
「わかった」
前にお昼を食べた庭園なら、Sクラス生以外は入ることができないし、今の時間は授業を受けている生徒がほとんどのはずなので、俺たちはそこへと場所を変えることにした。
庭園へと移動してきた俺たちは、休憩ように用意されている椅子へと座り、ストレージから帰る途中で買ってきたケーキをテーブルの上に置く。
「美味しそう」
「食べていいぞ。俺らは帰りに食べてきたからな」
「ありがと」
フィエラは美味しそうにフルーツがたくさん乗ったケーキを一口食べると、嬉しいのか尻尾がゆっくりと揺れる。
「それで、良い話って?」
「あぁ。さっき冒険者ギルドに行ったら、SSランク冒険者に会ってな。そしたら、クランに誘われたんだよ」
「クラン?」
どうやらフィエラはクランについて何も知らないようで、まずはクランについての説明を彼女に聞かせる。
「つまり、パーティーより大人数で行動して、いろんな特典もあるってこと?」
「まぁ、そんな感じだ。それでそのクランについてだが、俺たちはパーティーとしてそこに入ることにしたからな」
「わかった」
フィエラは特に何かを言うこともなく頷くと、幸せそうにしながらまたケーキを一口食べる。
「決めてから聞くのもあれだが、何か言うことはないのか?不満とかさ」
「別に。私はエルの選択に従うだけだから。ただ、少し意外だった」
「意外?」
「ん。エルは群れるのが嫌いだから、断ると思ってた」
「それか。俺も最初は断るつもりだったんだ。ただ、条件が良かったし、入った後のメリットもあるから、こっちの条件を飲んでくれるならってことで入ることにしたんだよ」
「なるほど。エルらしい」
俺はそこまで説明を終えると、ミリアが用意してくれたオレンジジュースを一口飲み、次の話題へと移る。
「それで…だ。こっちが提示した条件だが、パーティーの再編成をしないこと、自由に行動する権利、そしてSSランクへの昇格試験の三つだ」
「一つ一つ説明をお願い」
「はいよ。まず、パーティーの再編成についてだが、本来はクランに入った後、先輩冒険者たちが相性を見てパーティーの再編成をするんだが、俺たちはそれを無しにしてもらった」
「確かに。今さら低ランクの冒険者と組むのは邪魔」
フィエラも俺と同じ考えに至ったようで、やはり今から他の誰かとパーティーを組むのは足手まといでしかないため、フィエラもこの件については特に思う所はないようだ。
「次に自由に行動する権利。これは本来ならクランに入った場合、基本的に拠点があるところを中心に依頼を受けたり上の冒険者から依頼を任されて行動するんだ」
「つまり、クランに入ると制限が多くなる?」
「その通り。お前も気付いていると思うが、俺には目的がある。その目的のために今まで旅をしてきたし、これからもいろんなダンジョンや依頼に挑戦するつもりだ。
だが、クランに入るとその制限で自由に動けなくなるだろ?」
「だから自由に行動する権利」
「あぁ。本来はここで依頼を受けたりしながら活動しないといけないところを、俺らに限ってはその制限を無くしてもらった。だから、俺たちは何も気にすることなくこれまで通りに動くことができる。
ただ、その分依頼を受けるときやダンジョンに挑む時は、クランの名前も使って入らないといけない」
「さっき言ってた貢献度のため。理解した」
フィエラにはクランの説明をした時に貢献度や報告会についても説明していたため、すぐに話を理解することができたようだ。
「そして三つ目。SSランクへの昇格試験。お前も知っていると思うが、SSランクに上がるには、そのランクの冒険者と勝負をし、実力がSSランクに相応しいと認められる必要がある。その後はギルマスとの面接で人柄も見られるし、ギルドの偉い人たちにも判断してもらう必要がある」
「ん。でも、そもそもSSランクの冒険者の数が少ないから、私たちは昇格することができなかった」
「そうだ。だが、俺が今話したクランには、少なくともSSランクの冒険者が2人いる。ちょうど良い機会だったから、ついでにランクを上げておこうと思ってな」
「なるほど。それで、本音は?」
フィエラはそう言うと、本当にそれだけが理由なのかと言わんばかりにじっと俺のことを見てくる。
「ふっ。まぁ、SSランクに昇格したいってのも本当のところではあるが、一番はやっぱり戦いたいからだな。強いやつと戦うのは本当に楽しいからさ」
強い魔物とはこれまで何度も戦い死にかけてきたが、強い人間と戦ったことは今世ではあまり多く無かった。
「魔物と戦うのも楽しいけど、やっぱり同じ人間と戦うのが一番楽しいよ」
魔物は人間とは違い、基本的に考えて戦闘をすることがない。
それは自分たちの強さに誇りを持っているからであり、野生で培った経験と生存本能があるため、人間のように搦手や細かな作戦を必要としないからだ。
しかし、人間は違う。人間は自分が勝つためならどんな卑怯な手でも使うし、生き残るためなら必死で考える。
そこから得られるものは、強者であろうと弱者であろうと存在するし、自身の糧になるものなら是非とも知っておきたいのだ。
「それに、お前も戦ってみたいだろ?SSランクの冒険者と」
俺はオルガと戦えることを想像しただけで楽しくなり、笑いながらフィエラにそう言うと、彼女は微笑ましいものでも見るような表情で頷いた。
「エルが楽しそうで良かった。私も楽しみ」
「あぁ。すごく楽しいよ」
俺はそれから少しの間、オルガについてフィエラに話を聞かせるが、彼女は嫌な顔一つせず楽しそうに話を聞き続ける。
「それとお前の相手だが、オルガのクランにいるライという男になった」
「どんな人?」
「そうだなぁ。オルガは動きからして近接系だろうが、ライは暗殺者に近いだろうな」
「暗殺者」
「これ以上は言ったらつまらないから話さないが、おそらくお前とは相性が悪いだろう。頑張れよ」
「ん。頑張る」
フィエラも相性が悪いと言われて戦うことがより楽しみになったのか、耳と尻尾が分かりやすいくらいに反応する。
その後、しばらくの間2人で話をしながら過ごしていると、授業を終えたシュヴィーナたちもやってくる。
俺は彼女たちにもフィエラにしたのと同じ説明をすると、シュヴィーナもクランに入ることは俺が決めたのならと納得し、アイリスはソニアの紹介で入れるのなら入りたいと言っていた。
セフィリアも入りたそうにはしていたが、俺と同じでこの先の未来を知っている彼女は、今後聖剣に選ばれた勇者と行動を共にする必要があるため、今回は断念していた。
それからは、人数の増えた庭園でしばらくお茶をした後、俺たちは自分たちの部屋へと戻るのであった。
2
あなたにおすすめの小説
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
スキル買います
モモん
ファンタジー
「お前との婚約を破棄する!」
ローズ聖国の国立学園第139期卒業記念パーティーの日、第3王子シュナル=ローズレアは婚約者であるレイミ・ベルナール子爵家息女に宣言した。
見習い聖女であるレイミは、実は対価と引き換えにスキルを買い取ることのできる特殊な能力を有していた。
婚約破棄を受け入れる事を対価に、王子と聖女から特殊なスキルを受け取ったレイミは、そのまま姿を消した。
レイミと王妃の一族には、数年前から続く確執があり、いずれ王子と聖女のスキル消失が判明すれば、原因がレイミとの婚約破棄にあると疑われるのは明白だ。
そして、レイミを鑑定すれば消えたスキルをレイミがもっている事は明確になってしまうからだ。
かくして、子爵令嬢の逃走劇が幕を開ける。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる