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冒険編
恩返し
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フィエラと2人でヴィオラたちをどうしようかと話し合った結果、俺が風魔法で彼女たちを転移魔法陣まで運び、俺たちと一緒に外へ出ることになった。
「さすがに5人も抱えて出るのは無理」
俺も武術を鍛錬するようになってからは、体もしっかりと鍛えているし、身体強化を使えば重さ的には問題ない。
だが、いくら壊れていても俺も一応は人間なので、腕は2本しかない。だがらどう頑張っても運べるのは2人までで、フィエラにも2人お願いしたとして1人だけ置いて行くことになってしまう。
そのため、今回は俺がヴィオラたちを風魔法で浮かせて運ぶということになったのだ。
そして、転移魔法陣でダンジョンの外へと戻ってきた俺たちは、ヴィオラたちをギルド職員がいる救護所へと預け、自分たちも疲れていたこともあって旅館へと戻って休んだ。
「お客さん。起きているかい?」
「…んん?」
翌日になると、疲れからずっと眠っていた俺の部屋を旅館の男性が訪ねてきた。
「どうしました?」
「寝てたみたいだな。起こしちまってすまねぇ。だか、お客さんに会いたいって人たちが来ててな?連れの嬢ちゃんも起こしに行かせてるが、どうする?」
「俺たちに会いたい?」
「あぁ。何でも昨日助けられたとかで、そのお礼らしいが…」
そこまで言われて、ようやく誰が訪ねてきたのか理解した俺は、着替えてから向かう事を男性に伝えた。
着替えを終えて部屋を出ると、フィエラもちょうど準備を終えたのか隣の部屋から出てきた。
「おはよ。どうやらヴィオラたちが来たみたいだな」
「ん。無事でよかった」
軽く挨拶を済ませた俺たちは、ヴィオラたちに会うため入り口の近くにあるテーブル席へと向かう。
「やぁ。休んでいたところをすまないね」
俺たちが来たことに気がついたヴィオラが、席を立って出迎えてくれる。
「いえ、大丈夫ですよ」
そう言って席に座った俺たちは、改めてヴィオラもその仲間も全員無事なことを確認した。
「みなさん無事なようでよかったです」
俺がそう声をかけると、彼女たちは一斉に席を立ち、俺たちに向かって頭を下げてくる。
「あの時は本当にありがとう。君たちのおかげで私たちは助かった。感謝しても仕切れない」
「「「「ありがとうございました!」」」」
ヴィオラがリーダーとして最初にお礼を言うと、他のメンバーも声を揃えてお礼を言ってくる。
俺が何と返そうかと言葉を考えている間も、彼女たちはずっと頭を下げた状態で、一向に席に座ろうとはしない。
「お礼は受け取りますので、まずは座ってください」
このままでは話が進まなそうだと判断した俺は、まずは彼女たちを席に座らせることにした。
「エイル君。改めて、今回は本当にありがとう。君たちがいなければ、私たちはあそこで死んでいただろう」
「いえ。俺はただ恩を返したかっただけなので」
「恩?私たちは昨日会ったばかりだと思うが…」
俺は前世で世話になったヴィオラに対し、その恩を返したかっただけで、別にお礼が欲しくて助けたわけではなかった。
「こっちの話なので気にしないでください。それより、これからどうするんですか?」
「あぁ。今回は私が目標のために焦ってしまった結果、みんなを危険な目に合わせてしまった。
だから改めてみんなで話し合ったのだが、とにかく今はまた一から鍛え直そうと思う。
まだ30階層のボスは倒せそうにないが、みんなで力を合わせて、今度こそ倒してみせるよ」
ヴィオラはそう言うと、やる気に満ちた表情で俺の方を見てきて、その瞳に焦りは感じられなかった。
「それが良いと思います。あなた達は、このまま続けていけばきっと強くなれると思いますから」
「ありがとう。いつか君たちのような強者となれるよう私たちも頑張るよ」
彼女がそう言うと、俺たちは最後に握手を交わし、彼女たちが帰って行くのを見送った。
自分の部屋へと戻って来た俺は、過去のヴィオラと現在のヴィオラについて考える。
「過去で世話になった分、あの人に恩は返せたはずだ。今後はきっと仲間と一緒に強くなって行くことだろう。それより…」
誰かの未来を変えられた。俺にとってはそちらの方が重要な事であり、今後について考える良い出来事でもあった。
これまで、アイリスとの未来を変えようとしたり、自身の死ぬ運命を変えようとした事はあったが、誰かの死を救おうとした事は無かった。
それは別の人生で死んだ人が、次の人生では死ななかったというのもあったが、それよりも自分自身のことで精一杯だった。
それに、俺の知っている世界が狭すぎて、ヴィオラのように関わりのない人がどのように生活しているのかも分からなかったのだ。
まるでそれが当たり前のように、これまでの俺は外の世界に出ようと思う事は無かったのだから。
「主人公の登場が始まりのきっかけなのか?主人公の周りだけが、俺の死以外に毎回別の運命をたどっている?」
主人公や奴の周りにいる人たちは、毎回違う行動で俺の死に関わり、主人公の周囲ではいつも様々な事件が起きていた。
しかし、主人公がいない時期や他の地域と人々はどうだっただろうか。
アドニーアの魔物暴走は確か毎回起きていた気がするし、もしかしたらヴィオラの過去も、繰り返されるたびに同じ経験を何度もしていたとしたら、この死に戻りで重要な舞台となっているのはシュゼット学園であり、そして主人公とその周辺ということになる。
「んー、駄目だ。情報が足りない」
様々な仮説を立ててはみるが、今一つ確信の持てる結論を出すことができない。考えることに疲れてしまった俺は、微睡んでいく意識に任せ、そのまま眠りについた。
海底の棲家の攻略を終えた俺たちは、旅館で一日休むと、13時の便で湾岸都市ミネルバへと戻ってきた。
帰る前には旅館の男性やヴィオラたちが見送りに来てくれて、また会う事を約束して別れた。
「さて。これからどするかな」
予定では二週間から三週間ほどここに滞在するつもりだったが、思っていたより早くダンジョンを攻略したため、これからどうしようかと考える。
「せっかくだし、Cランクダンジョンにも挑む?」
「うーん。でもあまり旨味がなくないか?」
自分で言うのもあれだが、俺たちの実力はかなり高い。そんな俺たちがCランクダンジョンに挑んでも、ぶっちゃけ得られるものが無いのだ。
「でも、色んなダンジョンで経験を得るのは大事」
「…ふむ」
確かに彼女の言う通り、今後Cランクダンジョンに似たような場所に行くことがあれば、その時に経験を活かす事は出来るだろう。
「まぁ、そこまで時間もかからないだろうしそうするか」
「ん」
「その前に、明日は出かけるから忘れるなよ」
「出かける?」
「デートするんだろ?しなくていいなら無しにするが…」
「いく」
フィエラは少し食い気味に答えると、尻尾を揺らしながら嬉しそうに笑った。
その後、俺たちはミネルバに来た初日に泊まった宿屋で部屋を借りると、フィエラを先に部屋へと向かわせ、俺は宿屋の人に観光名所やミネルバの観光ガイドを貰うのであった。
~sideフィエラ~
ルイスが宿の人に観光名所などを聞いていた時、フィエラは部屋で一人浮かれていた。
「エルが覚えててくれた…」
デートの約束をルイスが覚えていてくれたことが嬉しかった彼女は、ベットに倒れ込むと足をパタパタしながら喜ぶ。
「でも、服とかどうしよう」
フィエラはこれまで恋愛などしたことが無かったし、当然デートもしたことがない。
そのため、デート服や当日に何をしたら良いのかも分からなかった。
「こんな事なら、お母さんたちの話をちゃんと聞いておけばよかった。…いや、エルには役に立たないかも」
国を出る前に母親たちから男の落とし方を教わりはしたが、自分には関係ないと思っていた彼女は聞き流していた。
それに、例え覚えていたとしても、ルイスが積極的に距離を詰められるのを嫌う事はこれまでの付き合いで分かるため、おそらくこれ以上のことをすると嫌われる可能性がある。
「いや。もしかしたら興味を無くされるかも」
何があったのかは知らないが、ずっとルイスと一緒にいたフィエラは、彼の心がすり減って壊れ、普通の感情が無くなっていることを何となく感じ取っていた。
自分が今ルイスと一緒にいられるのは、単に彼が自分に多少なりとも興味があり、彼の気に触れることをしていないからというだけだ。
「とりあえず、あとで服を買いに行こう」
ルイスとずっと一緒にいたいと思ってはいるが、その願いが叶うかは分からない。
それでも、焦って攻め過ぎれば最悪の結果となることだけは分かっているため、フィエラは慎重にルイスとの距離を縮めて行くのであった。
「さすがに5人も抱えて出るのは無理」
俺も武術を鍛錬するようになってからは、体もしっかりと鍛えているし、身体強化を使えば重さ的には問題ない。
だが、いくら壊れていても俺も一応は人間なので、腕は2本しかない。だがらどう頑張っても運べるのは2人までで、フィエラにも2人お願いしたとして1人だけ置いて行くことになってしまう。
そのため、今回は俺がヴィオラたちを風魔法で浮かせて運ぶということになったのだ。
そして、転移魔法陣でダンジョンの外へと戻ってきた俺たちは、ヴィオラたちをギルド職員がいる救護所へと預け、自分たちも疲れていたこともあって旅館へと戻って休んだ。
「お客さん。起きているかい?」
「…んん?」
翌日になると、疲れからずっと眠っていた俺の部屋を旅館の男性が訪ねてきた。
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「俺たちに会いたい?」
「あぁ。何でも昨日助けられたとかで、そのお礼らしいが…」
そこまで言われて、ようやく誰が訪ねてきたのか理解した俺は、着替えてから向かう事を男性に伝えた。
着替えを終えて部屋を出ると、フィエラもちょうど準備を終えたのか隣の部屋から出てきた。
「おはよ。どうやらヴィオラたちが来たみたいだな」
「ん。無事でよかった」
軽く挨拶を済ませた俺たちは、ヴィオラたちに会うため入り口の近くにあるテーブル席へと向かう。
「やぁ。休んでいたところをすまないね」
俺たちが来たことに気がついたヴィオラが、席を立って出迎えてくれる。
「いえ、大丈夫ですよ」
そう言って席に座った俺たちは、改めてヴィオラもその仲間も全員無事なことを確認した。
「みなさん無事なようでよかったです」
俺がそう声をかけると、彼女たちは一斉に席を立ち、俺たちに向かって頭を下げてくる。
「あの時は本当にありがとう。君たちのおかげで私たちは助かった。感謝しても仕切れない」
「「「「ありがとうございました!」」」」
ヴィオラがリーダーとして最初にお礼を言うと、他のメンバーも声を揃えてお礼を言ってくる。
俺が何と返そうかと言葉を考えている間も、彼女たちはずっと頭を下げた状態で、一向に席に座ろうとはしない。
「お礼は受け取りますので、まずは座ってください」
このままでは話が進まなそうだと判断した俺は、まずは彼女たちを席に座らせることにした。
「エイル君。改めて、今回は本当にありがとう。君たちがいなければ、私たちはあそこで死んでいただろう」
「いえ。俺はただ恩を返したかっただけなので」
「恩?私たちは昨日会ったばかりだと思うが…」
俺は前世で世話になったヴィオラに対し、その恩を返したかっただけで、別にお礼が欲しくて助けたわけではなかった。
「こっちの話なので気にしないでください。それより、これからどうするんですか?」
「あぁ。今回は私が目標のために焦ってしまった結果、みんなを危険な目に合わせてしまった。
だから改めてみんなで話し合ったのだが、とにかく今はまた一から鍛え直そうと思う。
まだ30階層のボスは倒せそうにないが、みんなで力を合わせて、今度こそ倒してみせるよ」
ヴィオラはそう言うと、やる気に満ちた表情で俺の方を見てきて、その瞳に焦りは感じられなかった。
「それが良いと思います。あなた達は、このまま続けていけばきっと強くなれると思いますから」
「ありがとう。いつか君たちのような強者となれるよう私たちも頑張るよ」
彼女がそう言うと、俺たちは最後に握手を交わし、彼女たちが帰って行くのを見送った。
自分の部屋へと戻って来た俺は、過去のヴィオラと現在のヴィオラについて考える。
「過去で世話になった分、あの人に恩は返せたはずだ。今後はきっと仲間と一緒に強くなって行くことだろう。それより…」
誰かの未来を変えられた。俺にとってはそちらの方が重要な事であり、今後について考える良い出来事でもあった。
これまで、アイリスとの未来を変えようとしたり、自身の死ぬ運命を変えようとした事はあったが、誰かの死を救おうとした事は無かった。
それは別の人生で死んだ人が、次の人生では死ななかったというのもあったが、それよりも自分自身のことで精一杯だった。
それに、俺の知っている世界が狭すぎて、ヴィオラのように関わりのない人がどのように生活しているのかも分からなかったのだ。
まるでそれが当たり前のように、これまでの俺は外の世界に出ようと思う事は無かったのだから。
「主人公の登場が始まりのきっかけなのか?主人公の周りだけが、俺の死以外に毎回別の運命をたどっている?」
主人公や奴の周りにいる人たちは、毎回違う行動で俺の死に関わり、主人公の周囲ではいつも様々な事件が起きていた。
しかし、主人公がいない時期や他の地域と人々はどうだっただろうか。
アドニーアの魔物暴走は確か毎回起きていた気がするし、もしかしたらヴィオラの過去も、繰り返されるたびに同じ経験を何度もしていたとしたら、この死に戻りで重要な舞台となっているのはシュゼット学園であり、そして主人公とその周辺ということになる。
「んー、駄目だ。情報が足りない」
様々な仮説を立ててはみるが、今一つ確信の持てる結論を出すことができない。考えることに疲れてしまった俺は、微睡んでいく意識に任せ、そのまま眠りについた。
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~sideフィエラ~
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そのため、デート服や当日に何をしたら良いのかも分からなかった。
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それに、例え覚えていたとしても、ルイスが積極的に距離を詰められるのを嫌う事はこれまでの付き合いで分かるため、おそらくこれ以上のことをすると嫌われる可能性がある。
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自分が今ルイスと一緒にいられるのは、単に彼が自分に多少なりとも興味があり、彼の気に触れることをしていないからというだけだ。
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