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第十五話〜罪人でなきもの
しおりを挟むアルバ国の王との会議が和やかなムードのまま終わり、旅館に戻ってきた。今回旅館は貸し切りであるため、広い浴場に六人で入る。
「贅沢だなぁ」
「最っ高」
当然砂遠だけは浴場が別だ。寂しそうだったがそれは仕方がない。灯夜が連れていかれそうになっていたが修鬼たちが阻止した。
「・・・砂楽さん凄いな」
「彫像か何かか?」
完璧に均整の取れたスタイルに惚れ惚れする。疲れたのか、風呂でうとうとし始めた。
「二日前に体調を崩したのに、昨日万全ではない状況で会食し、今日も会議。身体に鞭を打ちすぎて疲労困憊と言ったところか」
「あまり良くないんだ」
「元々免疫力が落ちていたんだろう。毒と一緒に風邪菌も来たのだとキラが言っていた」
砂迦が代わりに会食をしようかと申し出たのだが、これは私の仕事だからと断ったのだ。終わったら終わったでやはり甘えておけばよかったと後悔していた。
「・・・風呂で寝るのはやめろ」
綴が肩を優しく叩いて起こした。先程までの覇気はどうしたのかと思うほどのギャップに驚くしかない。
「んっ・・・あ、槍を振るのを忘れていた」
「槍は俺が預かってるぜ」
「旅館で槍を振るう気か?」
槍の方の手直しはもう終わっている。楽しみだと機嫌良さそうに言った。美しい庭園で振るう訳にも行かない。今日はさすがに無理だった。
「そういえば夜刀。君の店はあるのか?」
「え?あ、あぁありますよ。ちいせぇけど」
顔が行きたいと言っている。しかしスケジュールの関係で寄れるか分からない。修鬼は、少しくらい憩いの時間を与えてあげて欲しいとつくづく思う。
一時間近く過ごし、砂楽が本格的に寝そうになったため上がった。
「浴衣似合いますね」
「そうか?」
「はい、お兄様。とてもお似合いです」
砂楽は、後ろからの蛇の視線に気付かないふりをした。
部屋に戻れば布団が敷いてあった。そこで修鬼と夜刀はとんでもないミスに気づいた
「あ、ちょっと待って・・・敷布団・・・」
「ベッドじゃねぇんだった・・・」
そもそも床に直接座るということ自体ないはずなのだ。完全に頭から抜けていた。
「酒が欲しいのだが、頼めるのだろうか」
「え!?あぁ、おそらく」
修鬼は慌てて酒を注文した。ルームサービスのようなものが当然の如くある。夕飯の際の酒は、砂楽と綴二人で飲み干していた。熱燗が運ばれてきた。小さいお猪口に綴が酒を酌む。
「うむ、美味いな」
「それはよかったです」
「わたしも飲んでみたいです」
「砂遠と砂迦はいかん。肉体年齢が二十歳では無いからな」
・・・砂楽さん10代じゃなかったの?
肉体年齢だけでいえば21歳で、大学三年生と同じくらいだ。砂迦と3歳年が離れている。実年齢は二十歳所ではないため、飲んでもいいのではと思う修鬼と夜刀。兄が言うのでと砂遠は若干納得が行かなそうな顔をしながら止めた。庭園が見える窓際には椅子があるためそこに座り、綴と話をしていた。
「お兄様、楽しそうですね」
「なんか悔しいけどな。俺らには相談すらして下さらないのに」
砂迦は砂楽とヴァルアには自分の悩みを打ち明ける。一方長男はというと、綴にしか打ち明けないのだ。寧ろ砂遠や灯夜が悩みを打ち明けアドバイスをもらう側である。
「そうなんだ。砂遠ちゃん大変だね。溜め込みがちなお兄ちゃん二人・・・」
「はい。わたしに心配かけたくないとお思いなのでしょう。砂楽お兄様も砂迦兄様も言わない方が心配になることを分かっていないのです」
何も出来ず悶々としてしまうのだが、悩み相談お受けしますと言えば微笑みかけられ、逆に相談するという一連の流れが出来てしまっている。その度に目的を思い出して撃沈する。
「そういや、槍いじくり終わったぜ」
「砂楽さーん、槍の修理終わったみたいです」
「ほう、そうか。どれどれ」
夜刀は、藤色の布に包まれた槍を神に献上するかのように両手で持ち渡した。機嫌良さげに槍を掴むと一瞬で表情が驚きに変わった。
「これは驚いたな」
「えっと・・・どうっすかね」
「素晴らしい。こんなにも最初から馴染む槍は久々だ」
浴衣のまま庭園に出ると、クルクルと何度も槍を回す。どこまでしっかり馴染むか見ているのだ。驚きから嬉しそうな表情に変わった。修鬼たちからは槍の舞に見える。
「夜刀、君すごいな」
砂楽の舞のようなものを見ながら綴が言った。どれだけ槍を回しても落ちない。あれだけ回せば腕が疲れそうなものだが。
「あれは君たちが思っている通り舞だ。俺はこれだけ舞い続けているところを久しぶりに見る」
「久しぶりって?」
「あの槍はラクサーが使っていたものだ」
伝家の宝刀とも言える槍だ。槍を完璧に扱えるようになってから使うようになったものが、カイザー・ロードナイトだった。多くの戦を経れば当然修理もする。そのたびに変わっていたのに、夜刀の手により元に戻ったのだ。今まで、槍を振り落とさないようにどこか緊張しながら戦ってきた。その砂楽がリラックスした状態で舞う。その姿を見たのは何百年ぶりになる。一方修鬼は、二人の付き合いの長さに驚く。
「砂楽の槍は何本もある。そのなかでもあの槍に対する思い入れは強い。それは嬉しいだろう。初めて持った重さを思い出せたのだから」
「俺はいいことしたんだな」
「わたしはあんなに嬉しそうなお兄様は久しぶりに見ます」
楽しかったのか舞が終わり槍を下ろすとふっと微笑んだ。
「ありがとう」
アルバムを見ているときのような、どころか懐かしむような笑顔で言った。夜刀は黙って頷いた。眩しい笑顔で言われる「ありがとう」は初めてだった。
「あぁ、楽しかった。報酬だ」
満足した晴れ晴れとした笑みを湛えながら、報酬を渡した。視線を下ろし凝視した。
「0がいち、に、さん、し、ご、ろく、なな、はち・・・ってことは」
「トワイライトの通貨はクララだから・・・」
「50億!!??」
「店を拡大したり、材料費に当てたり、生活費に当てたり、美味しいものを食べたり、服を買ったり、いろいろなものに使ってくれ」
おそろしい値段が提示された小切手が手に渡る。使い切れるか分からないほどの大金だ。下手すれば軍艦が造れる。
「砂楽が渡してきた小切手の中で一番高額だぞ」
「マジで!?他の武器渡したらどうなるんだ」
「トワイライト専用鍛冶師くらいになった方が安泰だよ」
「この国だと税金でやられそうだけどな」
灯夜の指摘にハッとした。40パーセント引かれるため手取り30億。それでもかなりの額。これまでは武器によって値段を決めていたためほとんど取られなかったのだ。報酬は自由ですといえば大体10万から軽自動車が買えるくらいだった。それでも驚いていたのだ。税金で行かれるといっても、これから先トワイライト家の武器を取り扱うことになればかなり安泰な生活を送ることが出来る。安泰どころか余裕。
「てか、砂楽さまはいくつか会社経営してらっしゃるんだぞ」
「え、うそ。初めて聞いた」
「多分あれ税金じゃなくて自腹・・・」
税金はほとんど国のことで還元される。トワイライト家の生活費は砂楽の給料と砂迦の裁判官としての報酬。どんなにお金を使おうと、国にとってはなんの問題にもならない。会社を建てたのは先代王の頃だ。その頃から秘書をしているのが綴と亜紗と雅紗の三人である。
「トワイライト家にバカいないんじゃない?」
「経営学は密かに勉強していた。常識的な知識の面が疎い」
「あー、なるほど」
基本中の基本である文字の読み書きや計算はできるが高校生が習うような学習をしていないため、経験則でなら地理を理解出来るが時差は分からない。歴史も語れるがそれ以前の歴史はラクサーの頃のことしか知らない。科学など以ての外。雷も科学の一部なのだが、独学中の独学であるため本来の法則をほとんど知らない。自分なりのセレスの使い方がわかっているため説明は出来る。ちなみに、太陽や星はセレスの糧であるという浮世離れし過ぎた認識をしている
「灯夜くんのセレスって砂楽さん仕込みなんだよね」
「ああ。あの人主にお使いになるのが雷だ。電圧最高1億ボルト」
「死ぬね。ぶっちゃけあの音で一瞬死んだと思った」
稲妻が走った一秒後位に鳴るのだ。音によって失神してもおかしくなかった。あとはその衝撃波でその場所が砕けた。
「当たると体内の水分が蒸発して破裂するらしいぜ。恐怖」
「そう考えるとセレス使いってヤバいんだ。アスク死んでなかったし」
痺れるだけだったのだ。かなり手加減したのだが、その一瞬で四体の大蛇は破裂して消滅した。槍が万全の状態になった今、とてつもない威力になるのではと修鬼は震え上がる。砂楽は殺すタイプではなく、人間は生きて帰す質だ。雷のショックにより恐怖で戦場に立てなくなった闇側の人間は後を絶たない。そういう意味では氷の世界や水の世界は苦しいが恐ろしくない。敵からすれば優しいくらいだと思われる。
「だから雷神なんだね」
「砂迦さまのことを女王とか言えるのも、姫さんのことを水乙女とか言えるのも、砂楽さまが怖すぎるかららしい」
「俺が敵だったら砂楽さんがいる戦場に行きたくねぇもん」
数キロメートルの範囲で雷鳴は轟く。トワイライト王国の民は勝利の鐘くらいに聞こえるが、敵からしたら絶望を呼ぶ雄叫びにしか聞こえない。その音を聞いただけで腰を抜かす。実際、修鬼たちが聞いた雷鳴はかなり音量が絞られていたが、敵はその五倍は大きく聞こえていたのだ。それはショックも受けるなと修鬼は苦笑する
「本人はすごく優しいけどね」
「敵には容赦しませんが、味方にはたとえ理性がなくても手を出しませんから」
「激しく怒ったとしても、雷は我々に当たることは無い。もう一つの人格が出てきたとしても、おそらく味方には指一本触れんよ」
「すげぇ。本当に強いってそういうことか」
トワイライト家の三兄妹全員に言えることだが、その強さはセレス使いとしてだけではない。とてつもない破壊力を持つ修鬼でさえ敵わない心の強さ。修鬼にはとてもでは無いが真似出来ない。砂楽のように自分の怒りの人格を受け入れるような度量はない。砂迦のように敵の理不尽にも寛大になれることもない。砂遠のように敵をも包みこもうとすることもない。とにかく敵と決めた相手は寄せ付けない。
「鬼神は繊細な性格の者が多い」
「そうなのですか?」
「私が見てきた鬼神もしくは鬼たちを見てきた限りではな。自分と大切なものを守るために敵を全力で拒否する。だが本来鬼たちは温厚な者たちなのだ」
本来味方であろうと敵であろうと受け入れるような寛容で穏やかな性格だった。しかし、それを変えたのは残酷すぎる裏切り行為。修鬼の前世である阿修羅の時代、信じていたものたちからの侵略という裏切りに怒りは爆発。
「裏切る方が悪い。虐殺した側が返り討ちにされた。これが正しい。阿修羅は言い訳というのだろうが」
「どうして知ってるんですか?」
レイナが会ってみたいですと言っていたレクスと出逢ったことは夢で見たために修鬼は知っている。しかし、ラクサーに会った覚えがない。
「罰をくれた人?」
「それはレクスだ。阿修羅が最初に見たレクスとは少し違っていたらしいな。砂迦が言っていたよ」
「新たな世界をくれた人?いや、でもあれレクスですよね」
「それはおそらくレイナさまです」
崩壊していた世界を再生させたレイナにより生まれた新たな世界。レクスが与えると言った世界はレイナが作り替えた場所だった。そこで阿修羅は罪を償っていた。そうなると全く出会っていない気がする。夜叉も出会っていない。夜叉は阿修羅とは違い、友である阿修羅を救えなかったことを悔やみながらも殺さないように自身を押し殺して国を守り続けた。それにより死後は守護神のような立場になっている。そんな夜叉も死後でも生前でも会っていない
「もしかして・・・冤罪かけられて地獄行かされそうになってた人?」
「おぉ、よく思い出したな。そうだ。エグい殺され方をした後に地獄の鬼たちに性的な暴行を加えられてな。返り討ちにしたら「君地獄行きね」という理不尽な審判が下されそうになっていたところを助けてくれた」
「酷いな・・・まぁでも阿修羅目線で見てもめっちゃ美人でした」
酷い暴行に加えて謀殺されたとは思えない輝くような瞳で無罪を訴える阿修羅を見ていた。死後のラクサーとまさかの出逢い方をしていた。他の死者と一線を画す存在感と美貌。性格は全くねじ曲がっておらず、自分の国がどうなったのかを気にしていた。死んでからしばらくは少しずつ国が変わってしまったし、レクスの国に様々な面で抜かれたが弟の国だからと祝福した。死後成長した弟の姿や妹の姿を見たのだ。
「ラクサーって、そんな悲しい亡くなり方をしたのにどうして真っ直ぐだったのかな」
「俺なら死んでも暴れるな」
修鬼は夜刀の言葉に肯く。自分なら自分を殺した相手を死んでも恨み殺しにかかる。ラクサーのなかに殺意は一切なく、恨みもなかった。いっそ不気味と言えるほど穏やかだった
「彼は死の際に願った。不幸を願うことでもなく、復讐することでもなく、ただ彼の国にいた全ての者の幸福を。だから私も願う。彼が願った国の子孫たちがいるトワイライト王国の平和と幸福を」
そのために強くなくてはならない。誰よりも。自分が死ぬことにより国がどうなるかを砂楽はラクサーを見て知っている。だから死ねない。何があっても。
「前世の夢は辛いがな」
「辛いですよね・・・前世の夢って自分がそうしているかのような感覚になるから」
「レイナさまが阿修羅さまに恋をした場面はドキドキしました」
「・・・恋をした?」
砂楽の表情が変わった。レイナが誰かを好きになる。当然ある事だが、恋愛漫画や小説を読んでいるのとは訳が違う。その場で体験させられているような感覚になる。その場面でドキドキということは、今現在もしているのではと砂楽が察したのだ
「砂遠もしや好きな人がいるのか?」
「え!?そ、それは」
「いるみたいだぞ。どうやら初恋だそうだ。顔も名前も分からないそうだが」
「ほう。・・・成長したと捉えるべきか」
砂遠の年齢ならば恋くらいするか、と砂楽は少し寂しいような感覚になる。しかしその相手が楽しみでもある。幸せにしてくれる相手なら構わない。
「泣かせたらちょっと考えるがな」
・・・この人のちょっと考えるが怖いよ
泣かせたの種類にもよるが、不幸により泣いている場合はどうなるかわからない。初恋の相手が誰なのかも分からないのだが
「前世の話をしてしまったせいか、今晩見そうな気がする・・・寝ないでいようか」
「いや寝ろ。王は寝ろ」
「本当にそうしてください。砂楽さん」
夜刀からの命令口調。修鬼からの嘆願。砂楽は寝慣れない初めての敷布団に横になった。かなり違和感を覚えている様子だった
仰向け、横向き、うつ伏せ。うつ伏せでようやく落ち着いた。硬いベッドも経験がないのに、畳に布団などもっと慣れない。修鬼と夜刀の心配とは裏腹に、砂楽はすやすやと寝てくれた。疲労が大きすぎて気にもならないと言うだけの話なのだが。
浴衣が若干乱れ、先程まで晩酌していたため仄かに赤い胸元がチラリと見え綴が凝視。
「・・・お腹空いた」
・・・晩御飯たらふく食べてたよね!?
そっと綴が砂楽に近づいて行く。それを修鬼と灯夜と夜刀で全力で阻止した。こうして、疲労がマックスまで溜まりきった一日は終了した。
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