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元宰相side
しおりを挟む「おじい様、本気ですか? 本気でこの土地を手中に収めるつもりですか?」
可愛い孫娘の笑顔が引きつりっぱなしじゃ。いかんのぉ。笑顔じゃ笑顔。
「勿論じゃ。ヘスティアもよく見ておくと良い。のどかな大地に野生の獣が大勢いるようじゃからな」
新しい領地に赴くと何処からか儂らを観察する視線を常に感じておった。いい意味ではなく悪い意味での視線じゃった。ヘスティアでさえ気づくのじゃからな。
クックックッ。
恐らく今夜あたりに襲撃でも考えておるのかのぉ。闇夜に紛れて攻撃して金目の物を取る。そうすれば物取りの犯行に見立てる事も可能じゃ。どうやら新参者の領主に対する反抗心は強い。不安そうにしている孫娘には悪いが、若い頃を思い出してワクワクする。ペットの躾で一番効果的なのは暴力じゃ。逆らえば痛い思いをすると分かれば大人しくなる。反抗心を一瞬で打ち砕いてくれるわ!そして後からじっくりと「新しい主人」が誰であるのかを分からせてやろう。ふぉふぉふぉ。
結果は成功した。
暴力は暴力で対抗する。
所詮は、寄せ集めの烏合の衆。
見せしめに数人処刑すれば大人しくなったわい。
それにしても意外なのはヘスティアじゃ。
まさか、あの子が処刑に賛成するとは。てっきり反対するものとばかり思っていたが……中々どうして。鍛えがいがありそうじゃ。
ヘスティア自身もまだ気が付いておらんようだが、あの子には政治家としての才能がある。いざとなれば残酷な決断もできる。まだまだ甘い考えが抜け出せんようじゃが、そこは教育次第じゃ。環境を整えてやればどこまでも伸びるじゃろう。
胸が躍る。
想像するだけで楽しい。がむしゃらに働いていた若い頃を思い出して謀を巡らせる。清濁併せ呑んでこその為政者じゃ。部下を育てた事はあっても為政者を育て上げた事はなかった。
あの子を大きく羽ばたかせるためなら何でもするぞ!
この老い先短い年寄りに新しい夢を抱かせてくれたお礼じゃ!
もうひと踏ん張りして、一花咲かせようではないか!!
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