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エピローグ
しおりを挟む天治
初代女帝の統治は四十年続いた。
帝国は政治、経済共に繫栄した黄金時代であったという。
女帝は死ぬ前日まで政務に明けるれていたが、夜明けとともに静かに息を引き取った。
その死に顔はまるで眠っていると錯覚してしまうほど穏やかであったと伝わっている。
国のために生きた偉大な女帝は、何故か後継者を名指しすることなく亡くなったが、帝位は女帝の孫に引き継がれた。
新しい皇帝は、祖母である女帝ほどの才覚はなかったが、重鎮たちの意見に聴き、善政を敷いた。
数代の後、皇室に嫡出の皇子が絶え、帝位は御三家の春香家に移った。
御三家の一つが皇統を継承したことにより、とある公爵家が御三家に繰り上がった。初代女帝が最初に結婚した相手の家である。
女帝の死後、三百年の後に、再び御三家から皇統が移る事になった。
御三家の中では最も新参者の家からの継承であったが、それに異を唱える者はいなかった。
なぜなら、その家は、偉大なる女帝の直系子孫でもあり、在りし日の女帝に気質が似通っていたためであった。
新皇帝は初代女帝の再来とまでいわれるほどの統治を成した。
名を「宝」という。
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