38 / 117
迂回
【 8 】 依存性
しおりを挟む24時間もの長い軟禁から解放され、
24時間もの長い間 、
眠る事すら許されなかったアタシは、
コンビニ で 買ってきた、
缶ビールを6本飲み、
シンジが買ってくれた、
1カートンの煙草の存在を忘れ、
買ってきてしまった煙草を、
一箱近くたて続けに吸い続け 、
カップラーメンを一口すすり、
箸を 置いた 。
床に座りながら 、
両手を後ろに置いて体重をかける。
ゆっくり… と、部屋を見渡した 。
殺風景な 、空っぽな 部屋 。
1時間かからず荷造りをして、
すぐにでも引っ越せるような……、
空気が止まっているような、
空っぽ 、スカスカ な 部屋 。
確かに 、人が生活をしている様な、
余韻みたいなものを感じない 。
" 隠れ家 " と呼ぶには、相応しい。
すぐに、捨てられる 、
愛着の欠片も見当たらない部屋 。
今のアタシに 、相応しい 。
バッグから、
アタシは白い錠剤を取り出す 。
頭や体は疲れきっているのに 、
警戒心が張り詰めていて、
眠れそうにない …… 。
この部屋のどこかで 、
シンジ に 見られているような 、
そんな視線を感じてしまう 。
落ち着いて、眠れる訳が ない 。
今夜 、チバちゃんの店に行き 、
また 、アコギな商売をして 、
シド が 作ってしまった穴を 、
アタシが 埋めなくちゃ… 。
その前に 、眠らなくちゃ …… 。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる