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9.パワーレベリング
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一夜明けて次の日だ。
昨日はスライムの出しすぎですぐに眠ってしまった。
変な意味ではなく、本当にエリーが望むだけのスライムを出したらへとへとになったのだ。
エリーの話ではスキルというものは例外なく魔力をエネルギー源としており、魔力値の値がMPのようなものであるらしい。
陰キャたちの推測は合ってたわけだ。
しかしそれだけではなく、魔力値は身体能力にも関わってくるらしい。
この世界の生き物は無意識のうちに魔力で身体の動きを補助しているらしく、それが切れるから魔力が無くなるとへとへとになってしまうのだという。
また、自分よりも魔力値の高い魔物を狩ると魔力値が上がり身体能力も上がったりするらしい。
なんかゲームみたいだ。
陰キャ高校生たちが言っていたレベルが上がって強くなるというのもあながち間違っていなかったのだろうか。
一定の経験値が溜まったら一気に能力が上がるレベルアップとはちょっと違うか。
そんなわけで目標はエルフに精霊との契約方法を聞いて実際に契約し、自分よりも魔力値の高い魔物を倒せるようになることだ。
朝起きた時はそう思っていた。
そう思っていたはずなのだ。
「とりゃー!しねー!」
「グルギャァァァッ」
「こっちもしねー!!」
「ブルヒィィィッ!!」
森の中に蔓延るゴブリンやオークなどの魔物を、エリーは腕を一振りするだけで無残に屠っていく。
妖精つえー。
こんなの捕まえようとするとか人間馬鹿じゃないの?
「なにしてるのタキガワ!早く死んだ魔物の近くに来て!」
「あ、はい……」
どうやら死んだ魔物の近くにいれば倒した人じゃなくても魔力値というのは上がるらしい。
妖精の目には死んだ生き物からキラキラとした白い煙のようなものが立ち昇っているように見えており、それを吸い込むと魔力値がちょっとだけ上がるのだという。
まさに経験値だよな。
俺がやっているのはゲームなんかで強い人とパーティ組んで格上の敵をバンバン倒してもらってレベルを上げる、パワーレベリングという行為に近い。
こんなのありなんだな。
「魔力値上がった?」
「見てみる」
名 前:滝川利一(たきがわとしかず)
年 齢:22歳
性 別:男
魔力値:31
スキル:【スライム】
「おお、倍以上になってる」
「最初のうちは上がりやすいんだよ。ゴブリンの魔力値は平均で30くらい、オークは50くらいだから魔力値12だったタキガワにとっては圧倒的に格上だからね」
「やっとゴブリンとタメ張れるようになっただけか……」
「まあまあ、このまま森の魔物をいっぱい狩ってればすぐに100くらいにはなるから。それに、昨日の倍以上スライム出せるようになったのは私的には凄く嬉しい」
どれだけスライムを食べるつもりなんだよ。
昨日の時点でラーメンどんぶり3倍分くらいは食べているはずなんだけどな。
妖精の胃は異次元空間にでも繋がっているのかもしれない。
「それになんか、スライム食べてから私も調子いいかも。魔法の威力も上がってる気がするし」
「あんなものを大量に食べてお腹壊さないだけでも凄いと思うんだが、健康になってパワーアップもしてるのか?」
「うん。やっぱりタキガワのスキル【スライム】は妖精が美味しくいただくのが正解なんだよ」
「役に立ったのは嬉しいけど、それが正解なのかはちょっと保留にさせてくれ。精霊と契約したら凄いことになるかもしれないから」
「えぇー、妖精が食べるのが正解だと思うんだけどな。というか私が食べるのが正解」
それ自分が食べたいだけじゃん。
中毒性でもあるのかよ。
いやでも甘い物には中毒性あるよな。
俺も今ものすごくミ〇ドのポン〇リングが食べたいし。
甘くてもっちもちのドーナツ食べたい。
「なに変な顔してるの?」
「そんなに変な顔してた?」
「してた。目がイッてた。何考えてたの?」
「いや、お腹減ったなと思って」
「そっか、タキガワは昨日から何も食べてないね。人間はご飯食べないと死んじゃうんだっけ」
妖精は食べなくても死にはしないようで羨ましい。
何か食べ物無いかな。
俺が昨日狩った黒い鳥は放っておいたら動物か何かに持っていかれてしまって無くなってたんだよな。
弱肉強食の森の中なんだから食料から目を離したほうが悪いよな。
あれ見た目はちょっと悪いけど味は結構美味しいから食べるの楽しみにしていたのにな。
他の食料は全て金田さんが【収納】スキルに入れて持って行ってしまったらしく何も残されていなかった。
よって昨日から何も食べられていないのだ。
水はエリーが魔法で出してくれたので飲めたけれど、食料は魔法で出せるものじゃないからな。
「タキガワ、このオーク食べれば?」
「いいのか?」
「うん。私は甘い物しか食べないから」
「そ、そっか」
それはそれで大丈夫なんだろうかと思ってしまう。
しかし元来妖精には食事が必要ないようなので多少栄養が偏っていても問題はないのだろう。
すごい偏食だなとは思うけど。
俺は甘い物も好きだが肉も野菜も食べたい。
「タキガワ、これ食べられる植物だよ。あとこっちに岩塩の取れる洞窟があるよ」
「何もかも悪いな」
「いいんだよ。その代わり、ね?」
「ああ、スライムね」
「今夜はスライムの海に溺れたい気分なんだよ」
そんなに出せねえよ。
昨日はスライムの出しすぎですぐに眠ってしまった。
変な意味ではなく、本当にエリーが望むだけのスライムを出したらへとへとになったのだ。
エリーの話ではスキルというものは例外なく魔力をエネルギー源としており、魔力値の値がMPのようなものであるらしい。
陰キャたちの推測は合ってたわけだ。
しかしそれだけではなく、魔力値は身体能力にも関わってくるらしい。
この世界の生き物は無意識のうちに魔力で身体の動きを補助しているらしく、それが切れるから魔力が無くなるとへとへとになってしまうのだという。
また、自分よりも魔力値の高い魔物を狩ると魔力値が上がり身体能力も上がったりするらしい。
なんかゲームみたいだ。
陰キャ高校生たちが言っていたレベルが上がって強くなるというのもあながち間違っていなかったのだろうか。
一定の経験値が溜まったら一気に能力が上がるレベルアップとはちょっと違うか。
そんなわけで目標はエルフに精霊との契約方法を聞いて実際に契約し、自分よりも魔力値の高い魔物を倒せるようになることだ。
朝起きた時はそう思っていた。
そう思っていたはずなのだ。
「とりゃー!しねー!」
「グルギャァァァッ」
「こっちもしねー!!」
「ブルヒィィィッ!!」
森の中に蔓延るゴブリンやオークなどの魔物を、エリーは腕を一振りするだけで無残に屠っていく。
妖精つえー。
こんなの捕まえようとするとか人間馬鹿じゃないの?
「なにしてるのタキガワ!早く死んだ魔物の近くに来て!」
「あ、はい……」
どうやら死んだ魔物の近くにいれば倒した人じゃなくても魔力値というのは上がるらしい。
妖精の目には死んだ生き物からキラキラとした白い煙のようなものが立ち昇っているように見えており、それを吸い込むと魔力値がちょっとだけ上がるのだという。
まさに経験値だよな。
俺がやっているのはゲームなんかで強い人とパーティ組んで格上の敵をバンバン倒してもらってレベルを上げる、パワーレベリングという行為に近い。
こんなのありなんだな。
「魔力値上がった?」
「見てみる」
名 前:滝川利一(たきがわとしかず)
年 齢:22歳
性 別:男
魔力値:31
スキル:【スライム】
「おお、倍以上になってる」
「最初のうちは上がりやすいんだよ。ゴブリンの魔力値は平均で30くらい、オークは50くらいだから魔力値12だったタキガワにとっては圧倒的に格上だからね」
「やっとゴブリンとタメ張れるようになっただけか……」
「まあまあ、このまま森の魔物をいっぱい狩ってればすぐに100くらいにはなるから。それに、昨日の倍以上スライム出せるようになったのは私的には凄く嬉しい」
どれだけスライムを食べるつもりなんだよ。
昨日の時点でラーメンどんぶり3倍分くらいは食べているはずなんだけどな。
妖精の胃は異次元空間にでも繋がっているのかもしれない。
「それになんか、スライム食べてから私も調子いいかも。魔法の威力も上がってる気がするし」
「あんなものを大量に食べてお腹壊さないだけでも凄いと思うんだが、健康になってパワーアップもしてるのか?」
「うん。やっぱりタキガワのスキル【スライム】は妖精が美味しくいただくのが正解なんだよ」
「役に立ったのは嬉しいけど、それが正解なのかはちょっと保留にさせてくれ。精霊と契約したら凄いことになるかもしれないから」
「えぇー、妖精が食べるのが正解だと思うんだけどな。というか私が食べるのが正解」
それ自分が食べたいだけじゃん。
中毒性でもあるのかよ。
いやでも甘い物には中毒性あるよな。
俺も今ものすごくミ〇ドのポン〇リングが食べたいし。
甘くてもっちもちのドーナツ食べたい。
「なに変な顔してるの?」
「そんなに変な顔してた?」
「してた。目がイッてた。何考えてたの?」
「いや、お腹減ったなと思って」
「そっか、タキガワは昨日から何も食べてないね。人間はご飯食べないと死んじゃうんだっけ」
妖精は食べなくても死にはしないようで羨ましい。
何か食べ物無いかな。
俺が昨日狩った黒い鳥は放っておいたら動物か何かに持っていかれてしまって無くなってたんだよな。
弱肉強食の森の中なんだから食料から目を離したほうが悪いよな。
あれ見た目はちょっと悪いけど味は結構美味しいから食べるの楽しみにしていたのにな。
他の食料は全て金田さんが【収納】スキルに入れて持って行ってしまったらしく何も残されていなかった。
よって昨日から何も食べられていないのだ。
水はエリーが魔法で出してくれたので飲めたけれど、食料は魔法で出せるものじゃないからな。
「タキガワ、このオーク食べれば?」
「いいのか?」
「うん。私は甘い物しか食べないから」
「そ、そっか」
それはそれで大丈夫なんだろうかと思ってしまう。
しかし元来妖精には食事が必要ないようなので多少栄養が偏っていても問題はないのだろう。
すごい偏食だなとは思うけど。
俺は甘い物も好きだが肉も野菜も食べたい。
「タキガワ、これ食べられる植物だよ。あとこっちに岩塩の取れる洞窟があるよ」
「何もかも悪いな」
「いいんだよ。その代わり、ね?」
「ああ、スライムね」
「今夜はスライムの海に溺れたい気分なんだよ」
そんなに出せねえよ。
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