草履とヒール

九条 いち

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 彼の制止を無視してベルトを解いていく。誰を想像しようか。前に見た俳優さんにでもしようか。パンツを下ろすとぶるんと大きな肉茎が勢いよく出てくる。鈴口をちろっと舐めるとビクッと大きく脈動する。奉仕しなくても十分な大きさになっている。あとは自分の受け入れる準備だろう。スエットのズボンとショーツを一気に脱ぐ。彼の足の間に跨り彼の肉棒を左手で持ちながら口で覆っていく。右手は自分の蜜口に伸ばす。中指を入れていき、ザラザラとした感触のナカを広げていく。指を増やしていくと、口で奉仕しているものがナカに入っているように感じて指の抽挿が速くなる。
「椿……っつ……んっ……」
 彼の声に気をよくしてくちびるで彼の猛りを扱く。
「はっ、いきなり……んっ、やめろ。久しぶりだから、早くイってしまいそうだ」
 嘘つき。綺麗なモデルさんと楽しんでるくせに。口をできる限り窄ませてカリを刺激する。ドクドクと脈打つ肉茎の根本を絞るように扱きあげる。
「イっていいですよ」
「あっ、やめ……も、椿の中に、挿れたい……」
「挿れたいじゃないでしょ? 『挿れさせてください』でしょ?」
 彼の鈴口から出ている雄蜜を舐めとる。
「つっあぁ!」
 私の動きに反応して彼が感じて声を上げる。いつもとは逆の立場にいることに新鮮味と優越感を感じる。自分のコントロール下に彼がいるような気がして嬉しくなり、つい過度に責めていく。
「ぁっ……待っ……んぁ」
「ほら、言って」
 彼が痛くならないように、絶妙な塩梅を伺って扱く手を早める。初めは言うかどうかを戸惑っていた通政さんが途切れ途切れに懇願した。
「……挿れ、させて……くだ、さい」
「よく言えましたね」
 羞恥と欲に歪む顔が愛しく思えて通政さんのくちびるにチュッと触れる。
 違う、通政さんじゃない。前見たドラマの、素敵な俳優さんを想像しよう。今私はあの人とエッチをしている。繋がる準備を済ませて彼のモノを手で支えながら自分のナカに受け入れていく。
 下腹部に圧迫感が走り、ゆっくりとナカに馴染んでいく。彼の顔を見ると快楽に眉をひそめながら私をじっと見つめていた。
 その顔をいろんな人に見せていると思うと虫唾が走る。
「目をつむって」
 彼がゆっくり目を閉じるのを見てから腰を動かす。彼の厚い胸に手を置き腰をくねらせる。私も目を閉じてあの人を想像する。彼のを受け入れてうねるナカを彼の肉棒が擦っていく。
「んっ……あんっ……んぁ」
 腰が勝手に動いて気持ちいところに当てる。そう、そこ……。まるで自慰をしているときのように好き勝手に動く。彼のことを考えない、独りよがりのセックス。これがよかった。気を抜いてしまうと通政さんのことを考え、彼の機嫌を伺ってしまう。目を閉じて本能のままに腰を振るのに慣れてくると、快楽を感じ始める。彼の滾りはゆっくりだが、確実に気持ちいい所を擦り上げてナカの感度を着実に上げていく。ヌチュヌチュと鳴る結合部にぬかるむ隘路が熱くなっていくのを感じる。 彼もゆっくり腰が浮いてきて私のいいところを突いて……
「あんっ! やぁっ!」
 目を開けると通政さんが私の腰を掴んでグリグリと奥を擦り付ける。
「だめ、んっ、あんっ……動か、な……で……」
 彼は私の制止を無視して、ゆるゆると腰を動かしてナカを隙間なく刺激する。
「できるか。椿、今誰のこと考えてた」
「あぅ、んっ、ッ誰でもいいでしょ。通政さんもほら、今日会った綺麗な人を想像してくださいよ。モデルさん? 女優さん? 私は構いませんから」
「チッ」
 彼の舌打ちが聞こえて背筋が凍る。通政さんは舌打ちなんてしない。ましてや私に冷ややかな目線を向けることなんてしないのに。
 いや、正確には『なかった』だろう。彼はもう変わってしまった。会ってなかっただけで、とっくに変わっていたのかもしれない。
 ここで怯んだらダメだ。キッと目を細めて嫌そうな顔を作り彼を見る。
「とっくに逃げてたってわけか」
 通政さんは片眉を上げ、ひどくイラついた表情をしていた。彼は起き上がると私を抱きかかえたまま前に倒れ込む。押し倒されて彼の怒張が奥に入り込む。刺激が強すぎる。主導権を握られないように、彼の腕から逃げようと上に逃げる。
「逃がすか」
 腰を掴まれ、叩きつけるように彼の怒張が最奥へ到達する。
「アアンッ!」
 ビクッと体が震え、上体が跳ねあがる。
「他のやつのことを考えられる余裕なんてなくしてやる」
 通政さんは絶頂を迎えた身体に容赦なく重い衝撃を加えていく。イった後の敏感になったナカを大きく熱い怒張で圧迫されて擦り上げられると快感に肉壁がうねり狂喜する。
「アッ、あんっ……ダメッ、んぁあ!」
「エロい声出して……もうそいつとはヤったのか?」
 ナカを突き上げられながら乳首を摘みあげられる。それに反応して締まる隘路を彼の滾りが犯していく。
「ちがっ、ああぁ! やめっ、ぁあ!」
 刺激が強すぎてどうにかなりそう。懇願しても彼は止まらず、腰を打ち付けられる。
「そうか。なら手を出せないようにしないとな」
 通政さんは上半身をかがませて私の鎖骨にキツく吸いついた。
「痛っ、ああ!、んぅ、いっぁあ……、んぁ!」
 薄い皮膚を吸われながら乳首を縒られる。痛みと快楽を同時に与えられて、痛みすら感じてしまう。
「ああ! やあっ、だめ……あぁ!」
 片手で髪を持ち上げられ、露わになったうなじにチクッと痛みが走るが、すぐに甘い痺れに変わる。
「はぁ……これだと脱げないな」
 顔を上げた通政さんは満足気に私を見下ろす。怒りを露わにした彼は獣のようだった。髪を切ったこともあってか通政さんじゃないみたい。
 中から彼のモノを引き抜くと、私に壁に手をつかせる。腰をぐいっと引かれてお尻だけ突き出す体勢にされる。
「あっ、ヤァ……」
「ほんとに嫌か? お前の中はヒクヒクして俺を誘っているぞ?」
 彼は熱を持って蜜を垂れ流している秘園に指をなぞらせる。
「ふぁ、だ、め……」
「強情なやつだ」
 通政さんは私の濡れぼそった割れ目に怒張を擦り付ける。意思とは反対に身体は彼に媚びるように肉襞をうねらせている。
「あぅ……んっ……あああぁ!-----」
先端が浅く沈むと同時に最奥まで貫かれる。逃げようとしたが壁と彼に挟まれて逃げられない。達してしまって揺れる腰を押さえつけ、奥をグリグリされる。もう訳がわからない。
「ああぁ、ああ! んぁ、ああ!」
 壁に向かって喘ぐことしかできない私の顎を掴んで後ろに向かせると、口内に熱い舌が入ってきた。歯列をなぞられてナカが締まる度に怒張を奥に突き上げられる。
「んぅ……んあ、ん……ぁあ!」
 離れた口元から蜜が垂れる。
「んっ……はぁ、つばき……」
 後ろから両肩を掴まれて身体ごと揺さぶられる。強く肩を引き寄せられる度に彼の猛りが隘路を押し広げる。
「ああ!、やあ、あん! あぁあ!」
 スパートをかけるように速くなる腰。打ち付けられる度にイってしまって狂おしいほどの快感が続く。
「やああ! ……ああっ! あぅ! んぁあ!」
「くっ……出すぞ、中に」
 彼は乳房を包むように腕を回し、乳首を摘み上げる。逃げないようにもう片方の腕も胸の下に回して私を拘束し、激しく揺さぶる。
 奥に何度も吐き出すよう突き上げられる。何度イったかわからなくなるほどの快楽にナカを締め付けると、ぐぅっと彼のものが大きくなり、最後の一突きとともに白濁がナカで弾けた。
「ああぅ! あっぁっ……」
「はぁ……はぁ……」
 息を乱しながら抱きしめられて安堵してしまう。だめなのに。私なんて、何とも思われて……な……い。


 目を開けるとベッドに横になって私を抱きしめている通政さんと目が合う。
「よかった。大丈夫か?」
 彼が動くと甘い香水の匂いがして頭が急に冴え渡る。
「いや! 離してください」
「嫌だ」
 彼の腕の中で力をこめられてビクともしない。
「やっ! 離して!」
 腕を引き剥がそうと力一杯押し返す。
「椿」
「離して!」 
 ずっと暴れ続ける私に観念したのか、解放される。すぐに起き上がると彼から距離を取った。
「出て行ってください」
「椿」
 落ち着いた声で名を呼ぶ彼に怒りが込み上げてくる。
「早く!」
 通政さんは何かを言いかけたが、諦めて家を出て行った。
 戸の閉まる音が無慈悲に部屋中に響く。私は膝から崩れ落ちた。膝から痛みが上がってくるがすぐにどうでも良くなった。
「……っ、ヒクッ、通政さんのバカぁ……っ、ヒック……」
 隣に聞こえないように声を押し殺しながら涙をシャツの袖で拭う。動く度に髪についた通政さんの香りと女性の香水が混ざり合った香りがする。その匂いがまた違った香水のような、いい香りだった。悔しくて、その香りを振り払うかのように服を脱ぎながら浴室に向かう。蛇口を目一杯ひねり、数時間前に乾かしたばかりの髪をシャワーで濡らす。
「うぅう……、うあぁ……」
 時折混じる嗚咽。シャワーの湯より冷たい雫が頬を伝った。



 
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