15 / 65
11.デート(後編)
しおりを挟む
真緒の父親もテーブルの上座にいた。
食卓には、たくさんの料理が並べられている。これを真緒の母親が作ってくれたのかと思うと、驚きしかない。
母親にしたように挨拶をした。これまでの彼女たちの親に会ったこともないのに、付き合ってもいない女性の親に挨拶をすることになるとは思わなかった。
「まあまあ気楽に」
「こちらの席にどうぞ」
上座に父親、その両サイドには二席ずつ椅子が並んでいる。
台所に近い方に母親、その向かいに真緒。真緒の隣に創平が着席した。
怖そうな父親だったらどうしようかと思ったが、厳ついようには見えなかった。
「妻が食べていってもらうつもりで用意したので、口に合うかわからないが召し上がってもらえれば」
「あ、えと、ありがとうございます。突然お邪魔して申し訳ないです」
緊張しかない創平だった。
粗相をしないように必死な自分がいる。
「松浦さん、どうぞ」
真緒の父親にビールを勧められたが、母親と真緒に、
「駄目ですよ」
『車を運転されるから駄目だよ』
と言われていた。
「ああ、これは申し訳ない」
「いえ」
「また今度是非」
「は、はい……」
(今度があるのか?)
今日はどうだったの、と真緒は両親に尋ねられ、
『楽しかったよ』
と答えていた。
「娘が誰かと出かけるなんてなかったから、ちょっとだけ心配したけど、会社の方がご一緒だと聞いて安心したんですよ」
(それって、どういう意味なんだ?)
ちょっとだけ心配、というのは、人と出かけることに対してなのか、相手が男だからなのか、創平は考えたが深く追求することは控えた。
会社の人間と一緒で安心した、ということは自分は害のある人間ではないと思ってもらえたのだろう。こうして食事まで振る舞ってくれているのだから。
食事のあと、コーヒーをと言われたが、
『松浦さんは、コーヒーじゃなくて緑茶のほうがいいよ』
と真緒が伝えた。
「そうなの? わかったわ」
母親が準備している間、創平は父親に話しかけられた。
「娘は会社ではどんな感じですか? 上手くやれていますか?」
真緒のことを心配しているのだろう、父親は創平に質問をした。
「は、はい! それはもう! 俺……自分たちが働きやすいようにサポートしてくれますし、社長も、社長の奥さんもすごく助かるって……。パソコンも出来て仕事も早いし……。気も利く方なんで、本当に働きやすくて」
あれほど毛嫌いしていたというのに、この変わり様が自分でも滑稽だ。
真緒の両親は、自分が彼らの娘にひどいことを言っていたことは知っているのだろうか。知っていて、その相手にそんなことを訊いたのだろうか。
(いや、そんなことはないよな……)
「そうですか……会社の方にそう言っていただけて安心しました」
「他社の社長さんや事務の人にも頼りにされてるみたいで、話題に出ますよ」
「……本当に安心しました」
父親は心底安堵したような表情を見せた。
「娘は、会社で良くしてもらっているというばかりで、本当のことを言っていなんじゃないかと思っていました。このとおり、話すことが出来ないので、またそちらでも嫌な思いをしても言わないのかと」
「え……?」
真緒は、高校卒業後は、地元銀行の障害者雇用制度枠で勤めていたが、いじめに遭っていたという。真緒自身はそれは言わなかったようだが、ある日突然退職してきたらしい。
前の職場でうまく立ち回れずに辞めることになった話は耳にしてはいたが、それが銀行だったとは。
二年勤務して突然退職した、という話に創平が真緒を見ると、俯いていた。
「言葉が話せるように生んであげられなかったのが申し訳なくて……」
母親がお茶を淹れて出してくれた。
「生まれてから少しの間は……声が出せたんですけれど」
『別に不幸じゃない、耳も聞こえるし、目も見えるから、いい。優しいみんなの顔も見られるし、声も聴こえるから充分』
真緒が手話を使って何かを伝えて来た。
「えと、なんて……。すみません、自分、手話はまだ覚え始めたばっかりで……職場の同僚達はみんな出来るんですけど……すみません」
「不幸だと思っていないって。耳も目も使えるし、優しくしてくれる周りの人たちのことを見て、声をきくこともできるから、充分だって」
母親が通訳をしてくれた。
(倉橋さん……)
かつて自分が彼女を罵っていたこを、心底恥じた。
「所で会社の皆さん、手話を使われるんですか」
父親は驚いたように言った。
「あ、はい、殆どの人が……」
「みなさん、本当に……有り難いですね……」
声を詰まらせ、父親は感謝を伝えてきた。
「良くしていただいて……」
母親も創平に向かって頭を下げる。
「いえ、俺……自分は何もしてなくて、職場の同僚達が……」
「山岡さんという方には奥様にも、娘がお世話になっているそうなんですよ」
母親は嬉しそうに言う。
(そういえば)
「あ、はい、山岡がそう言っていましたね」
「里佳子さん、だったかしらね。奥様にも親しくしていただいてて……。そうだ、どうやら山岡さんには、娘が高校生の頃、助けていただいたことがあるらしくて」
「そうなんですか?」
驚き、真緒を見ようと視線を向けたが、彼女の姿はなかった。母親がお茶を出したあと、台所で片付けをしている様子だ。
(山岡と……以前に、会ったことがあったのか……)
「詳しくは話してもらったことはないんですが、今の会社に昔助けてくれた人がいた、と」
「そう、ですか……。山岡も驚いたでしょうね」
「どうなんでしょうね、どういうふうにおっしゃったかは聞いていないんですけど」
優しい方達ばかりで有り難い、と母親はしきりに言った。
(そうなんだ……山岡が……)
聞いたことないな、と思った。もしかすると、言う必要はないと判断したのかもしれない。真緒が入社してから創平はずっと彼女のことを悪く言っていたし、言わなくなった今は、こちらが真緒に好意を抱いていると知り、山岡が気を遣っているのかもしれない。
(やっぱり倉橋さんは……山岡が好きだったんじゃないのかな)
山岡は、否定はしていたが。
胸の奥にどす黒い気持ちと、羨望のような気持ちが入り交じる。
「あのう、本当にみなさんにはなんと感謝したらいいのか……ありがとうございます。これからも娘をよろしくお願いします」
「お願いします」
「えっ、あっ、こちらこそよろしくお願いします……」
片付けを終え、菓子を乗せた盆を手に戻ってきた真緒の顔を見ると、申し訳なさそうに創平を見返しているのだった。
持てなしてくれた倉橋家を後に、創平は自分のアパートに戻った。
美味しくて満腹で、夢心地だった。
真緒は両親に大切にされているから、あんなに真っ直ぐなのだろう。
銀行を辞めたのも誰にも言わずに決め……というより誰にも言えなかったのだろうと創平は思った。
(俺が、あの子を好きだと言ったら困らせるんじゃないかな……。もしうまく行ったとしても、彼女を大切にできるか、自信は……ない、な)
真緒のことだ、自分が真緒を罵ったことなども、きっと誰にも言ってやしない。あの様子だと、いいことしか言っていないはずだ。
会社の人が良くしてくれる、なんて創平以外の人間のことだ。
(あー俺、マジで最低だ……)
その後暫くして、真緒からメッセージが届いた。自分から先に、お礼のメッセージを送るつもりだったのにだ。
真緒からのメッセージに胸が高鳴る自分がいる。
(ヤバい、倉橋さんにハマる……)
創平から礼のメッセージと、写真を送ると、すぐに既読になった。
食卓には、たくさんの料理が並べられている。これを真緒の母親が作ってくれたのかと思うと、驚きしかない。
母親にしたように挨拶をした。これまでの彼女たちの親に会ったこともないのに、付き合ってもいない女性の親に挨拶をすることになるとは思わなかった。
「まあまあ気楽に」
「こちらの席にどうぞ」
上座に父親、その両サイドには二席ずつ椅子が並んでいる。
台所に近い方に母親、その向かいに真緒。真緒の隣に創平が着席した。
怖そうな父親だったらどうしようかと思ったが、厳ついようには見えなかった。
「妻が食べていってもらうつもりで用意したので、口に合うかわからないが召し上がってもらえれば」
「あ、えと、ありがとうございます。突然お邪魔して申し訳ないです」
緊張しかない創平だった。
粗相をしないように必死な自分がいる。
「松浦さん、どうぞ」
真緒の父親にビールを勧められたが、母親と真緒に、
「駄目ですよ」
『車を運転されるから駄目だよ』
と言われていた。
「ああ、これは申し訳ない」
「いえ」
「また今度是非」
「は、はい……」
(今度があるのか?)
今日はどうだったの、と真緒は両親に尋ねられ、
『楽しかったよ』
と答えていた。
「娘が誰かと出かけるなんてなかったから、ちょっとだけ心配したけど、会社の方がご一緒だと聞いて安心したんですよ」
(それって、どういう意味なんだ?)
ちょっとだけ心配、というのは、人と出かけることに対してなのか、相手が男だからなのか、創平は考えたが深く追求することは控えた。
会社の人間と一緒で安心した、ということは自分は害のある人間ではないと思ってもらえたのだろう。こうして食事まで振る舞ってくれているのだから。
食事のあと、コーヒーをと言われたが、
『松浦さんは、コーヒーじゃなくて緑茶のほうがいいよ』
と真緒が伝えた。
「そうなの? わかったわ」
母親が準備している間、創平は父親に話しかけられた。
「娘は会社ではどんな感じですか? 上手くやれていますか?」
真緒のことを心配しているのだろう、父親は創平に質問をした。
「は、はい! それはもう! 俺……自分たちが働きやすいようにサポートしてくれますし、社長も、社長の奥さんもすごく助かるって……。パソコンも出来て仕事も早いし……。気も利く方なんで、本当に働きやすくて」
あれほど毛嫌いしていたというのに、この変わり様が自分でも滑稽だ。
真緒の両親は、自分が彼らの娘にひどいことを言っていたことは知っているのだろうか。知っていて、その相手にそんなことを訊いたのだろうか。
(いや、そんなことはないよな……)
「そうですか……会社の方にそう言っていただけて安心しました」
「他社の社長さんや事務の人にも頼りにされてるみたいで、話題に出ますよ」
「……本当に安心しました」
父親は心底安堵したような表情を見せた。
「娘は、会社で良くしてもらっているというばかりで、本当のことを言っていなんじゃないかと思っていました。このとおり、話すことが出来ないので、またそちらでも嫌な思いをしても言わないのかと」
「え……?」
真緒は、高校卒業後は、地元銀行の障害者雇用制度枠で勤めていたが、いじめに遭っていたという。真緒自身はそれは言わなかったようだが、ある日突然退職してきたらしい。
前の職場でうまく立ち回れずに辞めることになった話は耳にしてはいたが、それが銀行だったとは。
二年勤務して突然退職した、という話に創平が真緒を見ると、俯いていた。
「言葉が話せるように生んであげられなかったのが申し訳なくて……」
母親がお茶を淹れて出してくれた。
「生まれてから少しの間は……声が出せたんですけれど」
『別に不幸じゃない、耳も聞こえるし、目も見えるから、いい。優しいみんなの顔も見られるし、声も聴こえるから充分』
真緒が手話を使って何かを伝えて来た。
「えと、なんて……。すみません、自分、手話はまだ覚え始めたばっかりで……職場の同僚達はみんな出来るんですけど……すみません」
「不幸だと思っていないって。耳も目も使えるし、優しくしてくれる周りの人たちのことを見て、声をきくこともできるから、充分だって」
母親が通訳をしてくれた。
(倉橋さん……)
かつて自分が彼女を罵っていたこを、心底恥じた。
「所で会社の皆さん、手話を使われるんですか」
父親は驚いたように言った。
「あ、はい、殆どの人が……」
「みなさん、本当に……有り難いですね……」
声を詰まらせ、父親は感謝を伝えてきた。
「良くしていただいて……」
母親も創平に向かって頭を下げる。
「いえ、俺……自分は何もしてなくて、職場の同僚達が……」
「山岡さんという方には奥様にも、娘がお世話になっているそうなんですよ」
母親は嬉しそうに言う。
(そういえば)
「あ、はい、山岡がそう言っていましたね」
「里佳子さん、だったかしらね。奥様にも親しくしていただいてて……。そうだ、どうやら山岡さんには、娘が高校生の頃、助けていただいたことがあるらしくて」
「そうなんですか?」
驚き、真緒を見ようと視線を向けたが、彼女の姿はなかった。母親がお茶を出したあと、台所で片付けをしている様子だ。
(山岡と……以前に、会ったことがあったのか……)
「詳しくは話してもらったことはないんですが、今の会社に昔助けてくれた人がいた、と」
「そう、ですか……。山岡も驚いたでしょうね」
「どうなんでしょうね、どういうふうにおっしゃったかは聞いていないんですけど」
優しい方達ばかりで有り難い、と母親はしきりに言った。
(そうなんだ……山岡が……)
聞いたことないな、と思った。もしかすると、言う必要はないと判断したのかもしれない。真緒が入社してから創平はずっと彼女のことを悪く言っていたし、言わなくなった今は、こちらが真緒に好意を抱いていると知り、山岡が気を遣っているのかもしれない。
(やっぱり倉橋さんは……山岡が好きだったんじゃないのかな)
山岡は、否定はしていたが。
胸の奥にどす黒い気持ちと、羨望のような気持ちが入り交じる。
「あのう、本当にみなさんにはなんと感謝したらいいのか……ありがとうございます。これからも娘をよろしくお願いします」
「お願いします」
「えっ、あっ、こちらこそよろしくお願いします……」
片付けを終え、菓子を乗せた盆を手に戻ってきた真緒の顔を見ると、申し訳なさそうに創平を見返しているのだった。
持てなしてくれた倉橋家を後に、創平は自分のアパートに戻った。
美味しくて満腹で、夢心地だった。
真緒は両親に大切にされているから、あんなに真っ直ぐなのだろう。
銀行を辞めたのも誰にも言わずに決め……というより誰にも言えなかったのだろうと創平は思った。
(俺が、あの子を好きだと言ったら困らせるんじゃないかな……。もしうまく行ったとしても、彼女を大切にできるか、自信は……ない、な)
真緒のことだ、自分が真緒を罵ったことなども、きっと誰にも言ってやしない。あの様子だと、いいことしか言っていないはずだ。
会社の人が良くしてくれる、なんて創平以外の人間のことだ。
(あー俺、マジで最低だ……)
その後暫くして、真緒からメッセージが届いた。自分から先に、お礼のメッセージを送るつもりだったのにだ。
真緒からのメッセージに胸が高鳴る自分がいる。
(ヤバい、倉橋さんにハマる……)
創平から礼のメッセージと、写真を送ると、すぐに既読になった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる