上 下
428 / 453

106話・闇魔法

しおりを挟む
 空に逃げた悪魔に対し再び挑発してみたが、今度は怒る事なく冷静だった。
 しかも、空に浮かんでいる有利をいかし、降りる事なく小さな悪魔を召喚してきた。

「行け!!」

 悪魔の掛け声と共に、小さな悪魔たちは、体格にあった小さな羽をパタパタさせながら突っ込んでくる。
 言葉だけなら可愛げがあるが、見た目は醜悪な黒色のゴブリンのようで、手にはしっかり武器も持っているので実際は可愛げなんてものは一切なかった。

「「「ギギィ!!!」」」

 知能もそれなりにあるのか、一応連携らしきものをとりながら襲ってくる。
 まぁそれでも動き的にそこまでの相手ではないので、連携の隙をつき殺れる悪魔から片っ端から斬っていく。
 数体斬った所で、小さな悪魔も俺との実力差を悟ったのか足がすくんで動けなくなっていた。

「何している。まさかそこの人族の事を恐れているのではなかろうな?」

 それを見た悪魔が、小さな悪魔に対し圧をかけると

「「「ギギィ!!」」」

 残っていた小さな悪魔たちは、死に物狂いで向かってきた。
 そのせいか、先程の小さな悪魔たちより少しだけ動きが良くなった感じがするが、それでもやはり実力差があるので、どんどん数を減らし最後の1匹を斬り倒す。

「手駒は無くなったぞ? お前こそ恐れてないで降りてきたらどうだ?」

 こちらを観察している悪魔に再び挑発の言葉をかけると一瞬顔を歪めるだけで、まだ冷静を保っていた。

「みたいだな。ならまた呼べばいいだけだろ?」

 そう言いながら、再び召喚魔法を発動させ、先程より多くの小さな悪魔たちを召喚する。

「行け」

 召喚された小さな悪魔たちは、またしても襲ってくる。

「チッ」

 近くの小さな悪魔を斬っていくと同時にこの後どうするかを考える。そうしないとこの繰り返しになるとかなり面倒だからだ。
 いい手が思い浮かばない中、それでも小さな悪魔を斬ってると、

「ダークネスジャベリン!!」

 悪魔の声が聞こえたかと思った瞬間、空から無数の黒い槍の雨が降ってくる。
 槍の雨は、俺だけだなく近くにいた小さな悪魔たちも巻き込みながら着弾していく。
 小さな悪魔はそれだけで死んでいくが、俺には睡眠の霧がある為、俺に当たった黒い槍は消滅していく。
 全ての黒い槍が着弾したのか、辺りには土煙が巻き上がる。
 どうやら今の魔法で小さな悪魔たちは全滅してしまったようで、土煙の中には俺しか立っていないようだった。
 ただ悪魔も今の魔法で俺を倒したと思ったのか、空から降りてきていた。
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。

武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。 人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】 前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。 そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。 そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。 様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。 村を出て冒険者となったその先は…。 ※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。 よろしくお願いいたします。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。 ※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。 ※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・) 更新はめっちゃ不定期です。 ※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

処理中です...