スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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107話・羽

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 悪魔が放ってきた魔法で小さな悪魔たちは全滅してしまったが、俺には睡眠の霧のおかげで効果はなかった。
 だけど今の魔法で土煙が巻きおこり、生きている俺の姿が見えていないのか、俺を倒したと思った悪魔が空から降りてきたのを気配感知で感知する。

「そういえばあの悪魔、感知系のスキルは持ってなかったな。だとしたらこれはチャンスだな…」

 あの悪魔の事なので、絶対俺を倒したと油断している筈だ。だから、その油断をつく為に、土煙が変にはれないようにその場から動かないで悪魔を殺れる機会を伺う。
 一瞬見えた土煙の先に、悪魔の背中が見えた。

「ここだ」

 土煙を抜け、背を向けている悪魔目掛けて一直線に駆ける。

「後ろです!!」 「!?」

 あともう少しという所で、悪魔と話していたクソ野郎が俺の存在に気づく。
 クソ野郎の声を受け、悪魔は振り返りながら羽を広げだす。
 これじゃあ悪魔を殺るのに手数が足りそうにないと判断し、すぐ新しい手を考える。

「一か八かこれでいくか」

 空へと逃げる前に、数撃当て魔法障壁を破壊した所で悪魔が飛び立ってしまう。
 それを横目に、悪魔を追う事無く俺は足を止めずにクソ野郎へと向かっていく。

「な!?」

 クソ野郎の元へと一気に駆け寄る。
 すると、クソ野郎は慌てて手に持っていた短剣を振るってきたので、それを飛び上がる事で躱す。
 そして、クソ野郎の顔面を踏みつけ、クソ野郎を蹴り飛ばすと同時に飛び上がりそのまま悪魔へと向かっていく。

「あいつ、どこいっ… ぎゃあぁ!!」

 咄嗟に空に逃げた事で、俺の姿を見失った悪魔に向けて刀を振るう。
 距離がギリギリで、殺るまでは無理そうだったので片羽を狙って斬る。





 召喚した下級悪魔たちに下等種の相手をさせ、闇魔法の詠唱に入る。
 どうやら下等種にしては、それなりに動けるようなので、躱されないよう広範囲の魔法を選択する。
 このまま放つと下級悪魔たちまで巻き込む事になってしまうが、私の為に死ねるなら下級悪魔たちも本望だろうと詠唱を終えた瞬間魔法を発動する。
 発動した魔法は、下級悪魔たちを巻き込みながらも、確実に下等種に当たったのを確認する。
 そして、続けざまに次々と魔法が着弾しながら土煙を巻き起こす。
 土煙に巻き込まれないよう着地し、召喚者に話しかける。

「終わったぞ。早速用意した贄を頂こうか。あぁ後、先程殺した下等種の魂も頂くが構わないな」

「えぇ構いません。そこはお好きになさって下さい」

「なら、そうさせて貰うぞ」

「!? 後ろです!!」

 召喚者の声に、まさかと思いながらも羽を広げながら振り返る。
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