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64話・いざゴブリンへ
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シエルさんから声をかけられ、それに返事をするのだが、自分でも声が震えているのに気づく。
自分で、皆の為に役に立つと決めた事なのに、モンスターとはいえ、改めて人型のゴブリンを相手にすると考えてしまうとやはり緊張してしまう。
そんな私に気づいたのか、シエルさんとマオさんの2人は声をかけてくれる。シェーンさんに至っては、魔法をかけてくれた。
その魔法のお陰で、先程まであった緊張が和らいだ。
皆にお礼を伝え、シエルさんの後に続いて、ゴブリンの群れへと向かっていく。
「ラス。戦う前に言っておくけど、手加減をしてはダメよ。相手は人型だからと言っても、モンスター。だから必ず息の根を止めなさい。後、殺ったと思っても、モンスターはしぶといから最後の最後まで油断しては、ダメよ」
向かっている中、シエルさんは、真面目な顔で私に注意する。
「分かりました。気を付けます」
「よし。なら行くわよ!!」
「はい!!」
冒険者らの間を縫って乱戦中の先頭まで移動したシエルさんは、目の前にいたゴブリンに斬りかかる。
一振りで、ゴブリンの首は胴体と永遠の別れを告げた。
「うっ…」
それを見て、少し不快感をつのらせ、胃から込み上げてくるものがあった。
「ダメダメ… 怒れ・2倍。怒り。怒る力」
込み上げて来るものを気合いで押し戻し、私は、スキルを発動させ、その近くにいたゴブリンに向けて拳を振るう。
「グギャ!!」
振るった拳は、しっかりとゴブリンの頬へと当たり、殴られたゴブリンは、吹っ飛んでいく。ただ、当たり前の事なのだが、何かを殴ったという感触が手に残っていた。
模擬戦で相手を殴る時とそこまで変わらない筈なのに、何故かそれに一瞬気をとられてしまう。そのせいで、他のゴブリンが迫って来ていた事に気づくのが遅れ、ゴブリンの振るう棍棒での攻撃の回避も遅れてしまう。
腕をクロスさせ、攻撃の衝撃に備えるようとしたのだが、
「グギャ!!」
だけど、私に攻撃しようとしてきたゴブリンに、次々と矢が突き刺さり、攻撃を免れた。
矢が飛んできた方向を確認すると、マオさんが手を振ってくれていた。
ペコリと頭を軽く下げ、すぐゴブリンたちへと向き直って、
パンパンッ!!
自ら頬を叩き、気合いを入れ直す。
「ラス、次行けそう?」
隣にいたシエルさんが確認してくる。
どうやらシエルさんも、私のフォローに来てくれていたらしい。
「はい、行けます!! 今度は油断しません」
「そう、その意気よ。さっきみたいに、すぐ援護に入るから、自分のやりたいようにやりなさい。じゃあ、行くわよ!!」
「はい!!」
同時にゴブリンに向かっていく。
自分で、皆の為に役に立つと決めた事なのに、モンスターとはいえ、改めて人型のゴブリンを相手にすると考えてしまうとやはり緊張してしまう。
そんな私に気づいたのか、シエルさんとマオさんの2人は声をかけてくれる。シェーンさんに至っては、魔法をかけてくれた。
その魔法のお陰で、先程まであった緊張が和らいだ。
皆にお礼を伝え、シエルさんの後に続いて、ゴブリンの群れへと向かっていく。
「ラス。戦う前に言っておくけど、手加減をしてはダメよ。相手は人型だからと言っても、モンスター。だから必ず息の根を止めなさい。後、殺ったと思っても、モンスターはしぶといから最後の最後まで油断しては、ダメよ」
向かっている中、シエルさんは、真面目な顔で私に注意する。
「分かりました。気を付けます」
「よし。なら行くわよ!!」
「はい!!」
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一振りで、ゴブリンの首は胴体と永遠の別れを告げた。
「うっ…」
それを見て、少し不快感をつのらせ、胃から込み上げてくるものがあった。
「ダメダメ… 怒れ・2倍。怒り。怒る力」
込み上げて来るものを気合いで押し戻し、私は、スキルを発動させ、その近くにいたゴブリンに向けて拳を振るう。
「グギャ!!」
振るった拳は、しっかりとゴブリンの頬へと当たり、殴られたゴブリンは、吹っ飛んでいく。ただ、当たり前の事なのだが、何かを殴ったという感触が手に残っていた。
模擬戦で相手を殴る時とそこまで変わらない筈なのに、何故かそれに一瞬気をとられてしまう。そのせいで、他のゴブリンが迫って来ていた事に気づくのが遅れ、ゴブリンの振るう棍棒での攻撃の回避も遅れてしまう。
腕をクロスさせ、攻撃の衝撃に備えるようとしたのだが、
「グギャ!!」
だけど、私に攻撃しようとしてきたゴブリンに、次々と矢が突き刺さり、攻撃を免れた。
矢が飛んできた方向を確認すると、マオさんが手を振ってくれていた。
ペコリと頭を軽く下げ、すぐゴブリンたちへと向き直って、
パンパンッ!!
自ら頬を叩き、気合いを入れ直す。
「ラス、次行けそう?」
隣にいたシエルさんが確認してくる。
どうやらシエルさんも、私のフォローに来てくれていたらしい。
「はい、行けます!! 今度は油断しません」
「そう、その意気よ。さっきみたいに、すぐ援護に入るから、自分のやりたいようにやりなさい。じゃあ、行くわよ!!」
「はい!!」
同時にゴブリンに向かっていく。
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