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65話・一筋縄ではいかない
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油断した所を、マオさんに助けられた。
気合いを入れ直し、シエルさんと共に再びゴブリンに向かっていく。
「グギャ!!」
先程同様に、ゴブリンに一撃を加える。
やはり殴った感触が残るが、今度は気にせずに私に向かってくるゴブリンを殴っていく。
だけど、私が殴ったゴブリンは、少しして起き上がり再び向かってくる。
向かってきたゴブリンを相手にしていると、
「ラス。威力が足りてないわ!! 威力をあげるか、腰の短剣を使いなさい!!」
シエルさんから助言が飛んでくる。
「分かりました!! 怒れ・4倍」
短剣の使い方は未だ拙いので、身体強化の倍率をあげ威力をあげる事を選択する。
「はぁ!!」
威力の増した拳は、そのままゴブリンの骨を砕いた。
手には先程よりも嫌な感触が残るが、軽く頭をふり、次のゴブリンに向けて拳を振るう。
その後も、ゴブリンとの戦闘を続け、十数匹のゴブリンを倒した。
「ラスどう? まだやれそう?」
「はぁはぁ… はい、まだやれそうです!!」
多少息切れをしているが、まだ体力は残っている。
「そう、良かったわ。なら、少しここを任せてもいいかしら?」
「ここをですか?」
「えぇ。私はちょっと、あれの相手をしてくるから、ラスは、残っている普通のゴブリンの相手をお願い」
一瞬どういう事か分からなかったが、シエルさんの視線の先を見て、その意味に気づく。
「わ… 分かりました」
「なら、お願いね」
そう残し、シエルさんは駆けていった。
◆
儂の射った矢は、ゴブリンに次々と刺さっていく。
「お見事です。マオさん」
「まぁこんなもんは余裕じゃ。それで、むこうの様子はどうじゃ?」
魔力を温存しつつ、ラスだけでなく、他の冒険者たちの援護もしているので、騎士たちの状況の確認はシェーンに任せていたので確認をとる。
「今の所、副団長さんが鬼人さん相手に頑張っていますね。ただ、鬼人さん以外にも伏兵がいたようで、そちらにも騎士を割いているみたいで、少し苦戦している感じがしますね」
数本射って邪魔になりそうなゴブリンを倒してから、騎士たちの方を見る。
「そうみたいじゃな。これは、手早くゴブリンを倒してから援護に向かった方が良さそうじゃな」
「ですね」
「ぬ…」
「どうされましたマオさん?」
「どうやら、そう上手くいきそうにないみたいじゃ」
「それってどういう…」
儂は、ゴブリンたちを指差すと、シェーンはそれにつられゴブリンたちを見る。
「あれは、もしかして上位のゴブリンですか?」
「そうじゃな。しかも、たぶんじゃが、何かしら手を加えられ、強化されている様子があるみたいじゃな」
普通の上位ゴブリン以上の圧を醸し出すゴブリンたちが、後ろの方から前に出て来て、それにいち早く気づいたシエルがそれに向かっていた。
気合いを入れ直し、シエルさんと共に再びゴブリンに向かっていく。
「グギャ!!」
先程同様に、ゴブリンに一撃を加える。
やはり殴った感触が残るが、今度は気にせずに私に向かってくるゴブリンを殴っていく。
だけど、私が殴ったゴブリンは、少しして起き上がり再び向かってくる。
向かってきたゴブリンを相手にしていると、
「ラス。威力が足りてないわ!! 威力をあげるか、腰の短剣を使いなさい!!」
シエルさんから助言が飛んでくる。
「分かりました!! 怒れ・4倍」
短剣の使い方は未だ拙いので、身体強化の倍率をあげ威力をあげる事を選択する。
「はぁ!!」
威力の増した拳は、そのままゴブリンの骨を砕いた。
手には先程よりも嫌な感触が残るが、軽く頭をふり、次のゴブリンに向けて拳を振るう。
その後も、ゴブリンとの戦闘を続け、十数匹のゴブリンを倒した。
「ラスどう? まだやれそう?」
「はぁはぁ… はい、まだやれそうです!!」
多少息切れをしているが、まだ体力は残っている。
「そう、良かったわ。なら、少しここを任せてもいいかしら?」
「ここをですか?」
「えぇ。私はちょっと、あれの相手をしてくるから、ラスは、残っている普通のゴブリンの相手をお願い」
一瞬どういう事か分からなかったが、シエルさんの視線の先を見て、その意味に気づく。
「わ… 分かりました」
「なら、お願いね」
そう残し、シエルさんは駆けていった。
◆
儂の射った矢は、ゴブリンに次々と刺さっていく。
「お見事です。マオさん」
「まぁこんなもんは余裕じゃ。それで、むこうの様子はどうじゃ?」
魔力を温存しつつ、ラスだけでなく、他の冒険者たちの援護もしているので、騎士たちの状況の確認はシェーンに任せていたので確認をとる。
「今の所、副団長さんが鬼人さん相手に頑張っていますね。ただ、鬼人さん以外にも伏兵がいたようで、そちらにも騎士を割いているみたいで、少し苦戦している感じがしますね」
数本射って邪魔になりそうなゴブリンを倒してから、騎士たちの方を見る。
「そうみたいじゃな。これは、手早くゴブリンを倒してから援護に向かった方が良さそうじゃな」
「ですね」
「ぬ…」
「どうされましたマオさん?」
「どうやら、そう上手くいきそうにないみたいじゃ」
「それってどういう…」
儂は、ゴブリンたちを指差すと、シェーンはそれにつられゴブリンたちを見る。
「あれは、もしかして上位のゴブリンですか?」
「そうじゃな。しかも、たぶんじゃが、何かしら手を加えられ、強化されている様子があるみたいじゃな」
普通の上位ゴブリン以上の圧を醸し出すゴブリンたちが、後ろの方から前に出て来て、それにいち早く気づいたシエルがそれに向かっていた。
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