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閑話・マレン(過去編) 2
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私は、部屋に戻り、布団にまた寝転がり、再度視覚の共有する為、集中する。
少し時間がかかったが、なんとか共有できた。
共有した視界は、まだ少し揺れている。
どうやら、まだお父さんは、歩いているみたいだ。
「でも、どこにむかっているんだろ…」
むかっている場所が気になったので、ばれない範囲で、周りを見渡すように指示する。
しがみついた状態で、更に視線も低く、少し見えにくかったが、お父さんが今いる、大まかな現在地がおぼろげに分かった。
だけど、ただでさえ視界が揺れていたのに、無理に辺りを確認させたせいで、先ほどよりも、気持ち悪くなってくるが、我慢したまま視覚の共有を続けた。
しばらく歩いた所で、揺れが止まる。
「…どこかについたのかな?」
私は、すぐその場から下りて、男(お父さん)を見上げるように指示する。
すぐに、その場から下り、視線を上にやらせると、お父さんと見知らぬ、女の人が話していた。
「誰だろ、この女の人? お友達かな?」
話している内容まで理解できないが、何だか親しげに見える。
お父さんは、そのまま女の人と家の中へと入ろうとしたので、私も、慌てて家の中へと入るように指示する。
なんとかスレスレで、家の中に入る事が出来た。
「危なかった… はっ!! お父さんは?」
目の前に、足下があったので、そのまま見上げさせたら、お父さんと女の人と唇同士をあわせている姿があった。その光景に、少し驚いていると、突然女の人がこちらを指差してきた。
お父さんも、振り返り、逃げ出す前に、足を振り下ろした所で、視界の共有が途切れた。
◆
俺は今、妻に内緒でとある女性に会いに来ていた。
族に言う、不倫と言うやつだ。
彼女とは、仕事先で出会い、妻の妊娠を気に関係をもってしまった。かれこれ、8年くらいになる。
妻に不満がある訳ではないが、ずるずると関係が続いている。
彼女の家に到着し、扉をノックすると、彼女が出てくる。
「お待たせ。」
「いらっしゃい、待ってたわ。今日は、何て言って出てきたの?」
「いつも通り、仕事って言って出てきたよ。」
「そう… それじゃあ、早速中へ入って。」
「あぁ。入らせて貰うよ。」
俺は、中へと入る。
扉が閉まるのも待たず、彼女が唇を奪ってきたので、流れに任せる。
すると、
「きゃー!! そこに、蜘蛛がいる!!」
彼女が指差す方を見てみると、小さな蜘蛛がいた。
「早く殺してちょうだい!!」
「分かった。ちょっと、待ってて。」
俺は、小さな蜘蛛に近づき、足を振り下ろし、その命をたつ。
少し時間がかかったが、なんとか共有できた。
共有した視界は、まだ少し揺れている。
どうやら、まだお父さんは、歩いているみたいだ。
「でも、どこにむかっているんだろ…」
むかっている場所が気になったので、ばれない範囲で、周りを見渡すように指示する。
しがみついた状態で、更に視線も低く、少し見えにくかったが、お父さんが今いる、大まかな現在地がおぼろげに分かった。
だけど、ただでさえ視界が揺れていたのに、無理に辺りを確認させたせいで、先ほどよりも、気持ち悪くなってくるが、我慢したまま視覚の共有を続けた。
しばらく歩いた所で、揺れが止まる。
「…どこかについたのかな?」
私は、すぐその場から下りて、男(お父さん)を見上げるように指示する。
すぐに、その場から下り、視線を上にやらせると、お父さんと見知らぬ、女の人が話していた。
「誰だろ、この女の人? お友達かな?」
話している内容まで理解できないが、何だか親しげに見える。
お父さんは、そのまま女の人と家の中へと入ろうとしたので、私も、慌てて家の中へと入るように指示する。
なんとかスレスレで、家の中に入る事が出来た。
「危なかった… はっ!! お父さんは?」
目の前に、足下があったので、そのまま見上げさせたら、お父さんと女の人と唇同士をあわせている姿があった。その光景に、少し驚いていると、突然女の人がこちらを指差してきた。
お父さんも、振り返り、逃げ出す前に、足を振り下ろした所で、視界の共有が途切れた。
◆
俺は今、妻に内緒でとある女性に会いに来ていた。
族に言う、不倫と言うやつだ。
彼女とは、仕事先で出会い、妻の妊娠を気に関係をもってしまった。かれこれ、8年くらいになる。
妻に不満がある訳ではないが、ずるずると関係が続いている。
彼女の家に到着し、扉をノックすると、彼女が出てくる。
「お待たせ。」
「いらっしゃい、待ってたわ。今日は、何て言って出てきたの?」
「いつも通り、仕事って言って出てきたよ。」
「そう… それじゃあ、早速中へ入って。」
「あぁ。入らせて貰うよ。」
俺は、中へと入る。
扉が閉まるのも待たず、彼女が唇を奪ってきたので、流れに任せる。
すると、
「きゃー!! そこに、蜘蛛がいる!!」
彼女が指差す方を見てみると、小さな蜘蛛がいた。
「早く殺してちょうだい!!」
「分かった。ちょっと、待ってて。」
俺は、小さな蜘蛛に近づき、足を振り下ろし、その命をたつ。
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