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Ⅳ
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早朝、レーリアは学校の練習場で木刀を振っていた。
もちろん、キース付きで。
「298,299,300!!!」
素振りを終え、レーリアはその場に倒れ込みそうになる。
そこをキースがサッと支えた。
「初めからこんなに飛ばさなくても良いのに」
「いや、ダメだ。僕はずっと剣術をしてこなかったからね。周りに追いつくには人一倍努力しないと」
レーリアの健気な姿にキースの胸が苦しくなる。
「努力するレーリアも素敵だ…」
「キース?大丈夫か?心臓でも悪いのか?」
「レーリアがキスしてくれたら治る」
「はあ?」
「キスして。口に」
キースが目を閉じる。
レーリアは呆れつつも嬉しそうに、顔を近づける。
レーリアはキースのお願いに弱いのだ。
もう少しで触れる…その時、人影が現れた。
「キース様!朝の練習お疲れ様です!」
ステラである。
キースはレーリアとのキスを邪魔されたことを不快に思いつつも、表面上取り繕った笑みを浮かべる。
「やあ、ステラ。何のようだい?」
「キース様のためにクッキーを作ったんです!よろしければ食べてください!」
ステラは可愛らしい星型のクッキーを渡す。
「わあ!可愛い!星型だ!焼くの大変だったんじゃない?」
しかし、レーリアの問いかけにはステラは返答せず、キースに話しかけ続ける。
「キース様は甘いものがそこまで得意ではないとのことでしたので、甘さ控えめで作りました!」
「悪いけど、安全性が確保されていない食べ物は食べれない」
キースはレーリアを抱き寄せたまま、そっけなく答える。
「そうですか…」
ステラはしゅんと項垂れる。その様子がウサギのようで、リスのようで、レーリアは守ってあげたくなる。
「僕が味見しよう。その後、キースが食べれば良いだろ?」
レーリアがクッキーを一口齧る。
「うん!美味しい!甘さ控えめで素朴な味わいがある!お店で売っていてもおかしくないくらいだ!」
そしてもう一口食べた時、キースがレーリアの齧っている最中のクッキーを食べた。
軽いリップ音が響く。
レーリアは何が起こったのか理解できず、顔を真っ赤にして硬直している。
「本当だ。美味しいね。ありがとう、ステラ」
キースはとても美しく微笑んだ。
ステラは何だか居た堪れなくなり、その場から逃げるように去った。
「あんな見せつけるようにキスしなくても…」
「キスの邪魔されて余裕がなかったんだ。
もう1回口移しで食べさせてよ」
キースがニヤリと笑う。
レーリアは顔を真っ赤にして、もう!と怒った。
もちろん、キース付きで。
「298,299,300!!!」
素振りを終え、レーリアはその場に倒れ込みそうになる。
そこをキースがサッと支えた。
「初めからこんなに飛ばさなくても良いのに」
「いや、ダメだ。僕はずっと剣術をしてこなかったからね。周りに追いつくには人一倍努力しないと」
レーリアの健気な姿にキースの胸が苦しくなる。
「努力するレーリアも素敵だ…」
「キース?大丈夫か?心臓でも悪いのか?」
「レーリアがキスしてくれたら治る」
「はあ?」
「キスして。口に」
キースが目を閉じる。
レーリアは呆れつつも嬉しそうに、顔を近づける。
レーリアはキースのお願いに弱いのだ。
もう少しで触れる…その時、人影が現れた。
「キース様!朝の練習お疲れ様です!」
ステラである。
キースはレーリアとのキスを邪魔されたことを不快に思いつつも、表面上取り繕った笑みを浮かべる。
「やあ、ステラ。何のようだい?」
「キース様のためにクッキーを作ったんです!よろしければ食べてください!」
ステラは可愛らしい星型のクッキーを渡す。
「わあ!可愛い!星型だ!焼くの大変だったんじゃない?」
しかし、レーリアの問いかけにはステラは返答せず、キースに話しかけ続ける。
「キース様は甘いものがそこまで得意ではないとのことでしたので、甘さ控えめで作りました!」
「悪いけど、安全性が確保されていない食べ物は食べれない」
キースはレーリアを抱き寄せたまま、そっけなく答える。
「そうですか…」
ステラはしゅんと項垂れる。その様子がウサギのようで、リスのようで、レーリアは守ってあげたくなる。
「僕が味見しよう。その後、キースが食べれば良いだろ?」
レーリアがクッキーを一口齧る。
「うん!美味しい!甘さ控えめで素朴な味わいがある!お店で売っていてもおかしくないくらいだ!」
そしてもう一口食べた時、キースがレーリアの齧っている最中のクッキーを食べた。
軽いリップ音が響く。
レーリアは何が起こったのか理解できず、顔を真っ赤にして硬直している。
「本当だ。美味しいね。ありがとう、ステラ」
キースはとても美しく微笑んだ。
ステラは何だか居た堪れなくなり、その場から逃げるように去った。
「あんな見せつけるようにキスしなくても…」
「キスの邪魔されて余裕がなかったんだ。
もう1回口移しで食べさせてよ」
キースがニヤリと笑う。
レーリアは顔を真っ赤にして、もう!と怒った。
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