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Ⅲ
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コンコンコンっとドアがノックされる。
「私だ。ソレイユだ。」
「お入りください」
キースは返答をする。
ソレイユは部屋に入るなり重いため息をついた。
「相変わらず、この部屋は気味が悪いな」
壁にはたくさんのレーリアの肖像画。そして額縁に入れられたレーリアの書いた手紙や絵。
レーリアが見たら卒倒しそうである。
そして当の本人はレーリアから貸してもらったハンカチを握り締め、ベッドに転がっている。
兄、ソレイユの悩みは火を見るより明らかだ。
「レーリアが最近女装をやめたと聞いたが」
「そうなんだ、兄様!レーリアが女装をやめちゃったんだ…」
キースは落ち込んでいる。
健常者のソレイユは、キースの食べる量が最近減ったのはそれが原因だとは思いたくない。
あまりにも弟がキモすぎるから。
「もちろん、レーリアはどんな格好をしていたって可愛い。レーリアがやりたいようにやればいい。男装が良いって言うなら反対はしないよ。
でも…
俺は女装してる方が好みなんだ!!」
ソレイユは熱く語るキースを冷たい目で見つめる。
「初めて会ったあの日、可愛い女の子だと思ったら男だと知った衝撃。
あんなに可愛いのに俺と同じものがついているって分かった瞬間の興奮が兄様には分かる!?」
「すまない、わからない」
「わかられても困る!レーリアは俺のだから!レーリアは俺だけの婚約者だから!」
どこで教育を間違えたのだろうか。
キースはとても優秀だ。成績優秀で、剣術にも秀でている。他人に少し冷淡なところはあるが、王族という点においてはそれもプラスである。
だと言うのに、レーリアが関係してくると途端に馬鹿になるのだから困ったものである。
「女の子の格好をしたレーリアと会うたび、本当は男なんだって思うだけで興奮するんだ!
もちろん、今のレーリアも素敵だけど!
レーリアは生きているだけで最高だけど!
レーリア!俺の天使!!」
食欲が落ちた弟を心配して部屋に来たは良いものの、無用だったようだ。
こんなに熱く語るものがあるなんて少し羨ましい。
「ステラのせいだ。ステラがレーリアにコンプレックスを植え付けた。
あの女…許せない」
「おいおい、逆恨みはやめろ。遅かれ早かれ、こうなる運命だったんだ。
レーリアがどんなに美しくたって、男だから逞しくなってしまうものだ。そんな中、女装をするのは自分の美に反したんだろう」
「俺はレーリアがマッチョになっても、女装してくれたら興奮する。
レーリアが俺より背が高くなっても、女装してくれたら萌える。」
これは病気なのだ。
ソレイユはつくづく思う。
弟を治せる医者など現れない。
「私だ。ソレイユだ。」
「お入りください」
キースは返答をする。
ソレイユは部屋に入るなり重いため息をついた。
「相変わらず、この部屋は気味が悪いな」
壁にはたくさんのレーリアの肖像画。そして額縁に入れられたレーリアの書いた手紙や絵。
レーリアが見たら卒倒しそうである。
そして当の本人はレーリアから貸してもらったハンカチを握り締め、ベッドに転がっている。
兄、ソレイユの悩みは火を見るより明らかだ。
「レーリアが最近女装をやめたと聞いたが」
「そうなんだ、兄様!レーリアが女装をやめちゃったんだ…」
キースは落ち込んでいる。
健常者のソレイユは、キースの食べる量が最近減ったのはそれが原因だとは思いたくない。
あまりにも弟がキモすぎるから。
「もちろん、レーリアはどんな格好をしていたって可愛い。レーリアがやりたいようにやればいい。男装が良いって言うなら反対はしないよ。
でも…
俺は女装してる方が好みなんだ!!」
ソレイユは熱く語るキースを冷たい目で見つめる。
「初めて会ったあの日、可愛い女の子だと思ったら男だと知った衝撃。
あんなに可愛いのに俺と同じものがついているって分かった瞬間の興奮が兄様には分かる!?」
「すまない、わからない」
「わかられても困る!レーリアは俺のだから!レーリアは俺だけの婚約者だから!」
どこで教育を間違えたのだろうか。
キースはとても優秀だ。成績優秀で、剣術にも秀でている。他人に少し冷淡なところはあるが、王族という点においてはそれもプラスである。
だと言うのに、レーリアが関係してくると途端に馬鹿になるのだから困ったものである。
「女の子の格好をしたレーリアと会うたび、本当は男なんだって思うだけで興奮するんだ!
もちろん、今のレーリアも素敵だけど!
レーリアは生きているだけで最高だけど!
レーリア!俺の天使!!」
食欲が落ちた弟を心配して部屋に来たは良いものの、無用だったようだ。
こんなに熱く語るものがあるなんて少し羨ましい。
「ステラのせいだ。ステラがレーリアにコンプレックスを植え付けた。
あの女…許せない」
「おいおい、逆恨みはやめろ。遅かれ早かれ、こうなる運命だったんだ。
レーリアがどんなに美しくたって、男だから逞しくなってしまうものだ。そんな中、女装をするのは自分の美に反したんだろう」
「俺はレーリアがマッチョになっても、女装してくれたら興奮する。
レーリアが俺より背が高くなっても、女装してくれたら萌える。」
これは病気なのだ。
ソレイユはつくづく思う。
弟を治せる医者など現れない。
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