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第2章 おちこぼれコースの召喚士
第19話 無詠唱魔法使い
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――どうしてこうなった。
思い返せば、ほぼ全裸のジェーンの為に、エリーの要らない服を貰いに来ただけなのに。
何故か今、俺はエリーの家でエリーとジェーン、そしてエリーにそっくりなお母さんと、大量の料理に囲まれていた。
「うふふ。嬉しいわぁ。エリーが男の子を家に連れて来るなんて初めてですもの」
「そうだっけー? でも、近所に住むトム君が遊びに来たりしてたよー?」
「あれは、五歳くらいの時の話でしょ? こうして、エリーが淑女になってから男の子を家に連れてきたのは初めてじゃない」
「淑女になってから……って、エリーは最初から女の子だよ?」
何と言うか、エリーは家でもこんな感じなのか。お母さん、頑張れ!
内心応援しつつも、いつもの事で慣れているらしく、特に気にしている様子は無いけど。
「それはそうと、ヘンリー君。錬金魔法で使う材料の品質を上げる事が出来るって、エリーから聞いたんだけど、本当なの?」
「はい、本当ですよ。やってみせましょうか?」
「そうね。疑う訳ではないけれど、俄かには信じられない話だから」
「じゃあ、何でも良いので何か材料を頂いても良いですか?」
「本当に何でも良いの? 例えば、このオレンジジュースとかでも」
念のためアオイに可能かどうか確認してみると、全く問題が無いと言うので、
「アブストラクト」
材料から特定の成分だけを抽出する魔法を使用する。
すると、透明なグラスに入っていたオレンジジュースが無色になり、机にオレンジ色の粉が現れた。
「えっと、先程のジュースからオレンジの成分だけを抽出しました。なので、コップの中にあるのは水分のみ――要は、水になっています」
「ほ、本当なの?」
「えぇ。飲んでいただければ、よく分かるかと」
俺の言葉に、お母さんがグラスに手を伸ばし、
「――ッ!? う、嘘でしょ!?」
大きく目を見開くと、すぐさまオレンジ色の粉を手に取り、恐る恐る口に近づける。
「お、オレンジジュースが水になっていて、この粉はオレンジの味がする……」
「お母さん、言ったでしょ。ハー君は凄いって」
「す、凄いなんてものじゃないわよっ! これは錬金魔法の歴史が変わる、とてつもない事よ。確かに、これなら不純物が取り除かれて、材料の品質が格段に上がるわ。是非、その魔法を教えてくれない?」
(アオイ、この魔法って教えても構わないのか?)
『全く問題ないですよ。攻撃魔法とかでもないですし、錬金魔法が得意ではない私が知っている基礎の基礎の魔法ですし』
(そうか。わかった、ありがとう)
「良いですよ。材料を持って、抽出したい成分を想い描きながら、アブストラクトって言うだけです」
「なるほど。イメージで制御するタイプの魔法なのね。で、呪文は?」
「え? 呪文なんて無いですよ?」
「またまたー。そんな事言わずに教えて……って、ちょっと待って。あら? そう言えば、さっき詠唱せずにすぐさま魔法を使った……って、まさかヘンリー君。無詠唱で魔法が使えるの!?」
「え? あ、はい」
正確にはアオイの力なのだが、言うとややこしくなりそうなので、そのままにしていると、お母さんが絶句したまま動かなくなってしまった。
「エリー。お母さんは、どうしたんだ?」
「主様。奥方様の母上様は、呆然としたまま意識が遠くへ行っている気がするのですが」
「お母さん、大丈夫? ねぇ、お母さん」
エリーの呼び掛けから暫くして、ようやく動き出したかと思うと、呻くように声を絞り出す。
「へ……ヘンリー君。もしかして、君はどんな魔法でも無詠唱で使えるの?」
「まぁ、一応。あ、でも召喚魔法だけは詠唱と魔法陣が要るかな」
「何て事……ヘンリー君。これは錬金魔法どころではないわ。世界がひっくり返る程の事態よ!?」
「いや、流石にそれは大袈裟過ぎる気がしますけど」
「いいえ。これまでは、魔法は強力だけど、発動までに時間が掛かって隙が多い。戦闘においては、ハイリスク・ハイリターンで、必ず誰か前衛が魔法使いを守らなければならないのが常識だった。だけど、無詠唱で魔法が使えるのなら、いきなり強力な魔法で敵を吹き飛ばす事が出来る――つまり、戦い方が変わる。無詠唱で魔法を使う事が出来るヘンリー君一人で、騎士団を――いえ、国を丸ごと潰す事だって出来てしまうかもしれないわ」
「そ、そこまで大きな話ですか!?」
「えぇ、大きな話よ。ヘンリー君。貴方は、これから無詠唱で魔法が使える事を、絶対に他人へ話してはダメよ。そして、人前で無詠唱の魔法を使う事も。噂が広がれば、絶対に軍事利用されるのが目に見えているわ。そして最悪の場合、ヘンリー君を使って他国へ戦争を仕掛ける事だって考えられるから」
マジで!? 無詠唱魔法のせいで、戦争が起きる!? 冗談だろ!?
だが、エリーのお母さんは真剣そのもので、冗談を言っている雰囲気ではない。
(なぁ、アオイ。今の話、どう思う?)
『んー、この国――というか、今の世界の魔法水準が分かりませんが、本当に無詠唱で魔法が使えないんですかね? 私が生きていた頃は、むしろ無詠唱で魔法を使うのが普通だったので』
(いや、俺も魔法に詳しい訳じゃないけど、お母さんの話からすると、凄い事なんじゃないのか?)
『そうなんですかねー。でも確かに、魔王や魔族と戦う時に詠唱なんて無駄な事をしていたら、その隙に殺されますからね。もしも今、無詠唱で魔法を使える者が居ないとしたら、戦い方が変わるのは本当だと思います』
なるほど。とりあえず、アオイの魔王や魔族とかって冗談はともかく、人前で無詠唱魔法はしない方が良さそうだな。
「わかりました。じゃあ、これからは詠唱するフリくらいは、しようと思います」
「そうね。それが良いと思うわ。……ところで、ヘンリー君。うちの娘、エリーの事はどう思っているのかしら?」
「えっ!? どうしたんですか!? 突然。まぁ可愛らしいとは思いますけど」
「でしょう! そうよね。エリーは可愛いわよね。ところで、ヘンリー君。今、貴方には恋人とかって居るのかしら?」
何だ!? 先程の話題から変えたいという意図は分かるけど、それにしても差が大き過ぎないか!?
「ちょ、ちょっとお母さん! ハー君に何を聞いているのー!?」
慌ててエリーも止めに入ったが、お母さんの勢いが止まらない。
「ヘンリー君。エリーは、少ーしドジっ娘な所もあるけれど、可愛いくて料理が上手だし、胸……はジェーンちゃんに負けるけど、まだまだこれから成長するわ。なんだったら、ヘンリー君が大きく育ててくれても良いのよ?」
「あの、エリーのお母さん。ちょっと何を言っているか分からないんですが」
「あら、ごめんなさい。私ったら、少し性急過ぎたわね。ところで、ヘンリー君。今日はもう遅いから、うちに泊まっていきなさいよ」
「え? いや、ですが寮に外泊手続きをしていないんですが……」
「寮? 大丈夫よ。私が連絡しておくから。ちゃんとヘンリー君が泊まる部屋もあるから心配しないで。そうそう、先ずはゆっくりお風呂へ入ってきたらどうかしら」
エリーのお母さんが凄い勢いで俺を脱衣所へ連れて行き、「ごゆっくりー」と言い残して去って行ってしまった。
「アオイ。エリーのお母さんって、ちょっと変わっているよな」
『変わっていると言うより、私には露骨な感じがします』
「露骨……? まぁ、いいや。せっかくだし、お風呂に入るよ」
『この流れでお風呂に入るんですか!? ヘンリーさんも疎いというか、脇が甘いと言うか……もっと気を付けましょうね』
風呂へ入るだけなのに、何故かアオイに呆れられてしまった。
思い返せば、ほぼ全裸のジェーンの為に、エリーの要らない服を貰いに来ただけなのに。
何故か今、俺はエリーの家でエリーとジェーン、そしてエリーにそっくりなお母さんと、大量の料理に囲まれていた。
「うふふ。嬉しいわぁ。エリーが男の子を家に連れて来るなんて初めてですもの」
「そうだっけー? でも、近所に住むトム君が遊びに来たりしてたよー?」
「あれは、五歳くらいの時の話でしょ? こうして、エリーが淑女になってから男の子を家に連れてきたのは初めてじゃない」
「淑女になってから……って、エリーは最初から女の子だよ?」
何と言うか、エリーは家でもこんな感じなのか。お母さん、頑張れ!
内心応援しつつも、いつもの事で慣れているらしく、特に気にしている様子は無いけど。
「それはそうと、ヘンリー君。錬金魔法で使う材料の品質を上げる事が出来るって、エリーから聞いたんだけど、本当なの?」
「はい、本当ですよ。やってみせましょうか?」
「そうね。疑う訳ではないけれど、俄かには信じられない話だから」
「じゃあ、何でも良いので何か材料を頂いても良いですか?」
「本当に何でも良いの? 例えば、このオレンジジュースとかでも」
念のためアオイに可能かどうか確認してみると、全く問題が無いと言うので、
「アブストラクト」
材料から特定の成分だけを抽出する魔法を使用する。
すると、透明なグラスに入っていたオレンジジュースが無色になり、机にオレンジ色の粉が現れた。
「えっと、先程のジュースからオレンジの成分だけを抽出しました。なので、コップの中にあるのは水分のみ――要は、水になっています」
「ほ、本当なの?」
「えぇ。飲んでいただければ、よく分かるかと」
俺の言葉に、お母さんがグラスに手を伸ばし、
「――ッ!? う、嘘でしょ!?」
大きく目を見開くと、すぐさまオレンジ色の粉を手に取り、恐る恐る口に近づける。
「お、オレンジジュースが水になっていて、この粉はオレンジの味がする……」
「お母さん、言ったでしょ。ハー君は凄いって」
「す、凄いなんてものじゃないわよっ! これは錬金魔法の歴史が変わる、とてつもない事よ。確かに、これなら不純物が取り除かれて、材料の品質が格段に上がるわ。是非、その魔法を教えてくれない?」
(アオイ、この魔法って教えても構わないのか?)
『全く問題ないですよ。攻撃魔法とかでもないですし、錬金魔法が得意ではない私が知っている基礎の基礎の魔法ですし』
(そうか。わかった、ありがとう)
「良いですよ。材料を持って、抽出したい成分を想い描きながら、アブストラクトって言うだけです」
「なるほど。イメージで制御するタイプの魔法なのね。で、呪文は?」
「え? 呪文なんて無いですよ?」
「またまたー。そんな事言わずに教えて……って、ちょっと待って。あら? そう言えば、さっき詠唱せずにすぐさま魔法を使った……って、まさかヘンリー君。無詠唱で魔法が使えるの!?」
「え? あ、はい」
正確にはアオイの力なのだが、言うとややこしくなりそうなので、そのままにしていると、お母さんが絶句したまま動かなくなってしまった。
「エリー。お母さんは、どうしたんだ?」
「主様。奥方様の母上様は、呆然としたまま意識が遠くへ行っている気がするのですが」
「お母さん、大丈夫? ねぇ、お母さん」
エリーの呼び掛けから暫くして、ようやく動き出したかと思うと、呻くように声を絞り出す。
「へ……ヘンリー君。もしかして、君はどんな魔法でも無詠唱で使えるの?」
「まぁ、一応。あ、でも召喚魔法だけは詠唱と魔法陣が要るかな」
「何て事……ヘンリー君。これは錬金魔法どころではないわ。世界がひっくり返る程の事態よ!?」
「いや、流石にそれは大袈裟過ぎる気がしますけど」
「いいえ。これまでは、魔法は強力だけど、発動までに時間が掛かって隙が多い。戦闘においては、ハイリスク・ハイリターンで、必ず誰か前衛が魔法使いを守らなければならないのが常識だった。だけど、無詠唱で魔法が使えるのなら、いきなり強力な魔法で敵を吹き飛ばす事が出来る――つまり、戦い方が変わる。無詠唱で魔法を使う事が出来るヘンリー君一人で、騎士団を――いえ、国を丸ごと潰す事だって出来てしまうかもしれないわ」
「そ、そこまで大きな話ですか!?」
「えぇ、大きな話よ。ヘンリー君。貴方は、これから無詠唱で魔法が使える事を、絶対に他人へ話してはダメよ。そして、人前で無詠唱の魔法を使う事も。噂が広がれば、絶対に軍事利用されるのが目に見えているわ。そして最悪の場合、ヘンリー君を使って他国へ戦争を仕掛ける事だって考えられるから」
マジで!? 無詠唱魔法のせいで、戦争が起きる!? 冗談だろ!?
だが、エリーのお母さんは真剣そのもので、冗談を言っている雰囲気ではない。
(なぁ、アオイ。今の話、どう思う?)
『んー、この国――というか、今の世界の魔法水準が分かりませんが、本当に無詠唱で魔法が使えないんですかね? 私が生きていた頃は、むしろ無詠唱で魔法を使うのが普通だったので』
(いや、俺も魔法に詳しい訳じゃないけど、お母さんの話からすると、凄い事なんじゃないのか?)
『そうなんですかねー。でも確かに、魔王や魔族と戦う時に詠唱なんて無駄な事をしていたら、その隙に殺されますからね。もしも今、無詠唱で魔法を使える者が居ないとしたら、戦い方が変わるのは本当だと思います』
なるほど。とりあえず、アオイの魔王や魔族とかって冗談はともかく、人前で無詠唱魔法はしない方が良さそうだな。
「わかりました。じゃあ、これからは詠唱するフリくらいは、しようと思います」
「そうね。それが良いと思うわ。……ところで、ヘンリー君。うちの娘、エリーの事はどう思っているのかしら?」
「えっ!? どうしたんですか!? 突然。まぁ可愛らしいとは思いますけど」
「でしょう! そうよね。エリーは可愛いわよね。ところで、ヘンリー君。今、貴方には恋人とかって居るのかしら?」
何だ!? 先程の話題から変えたいという意図は分かるけど、それにしても差が大き過ぎないか!?
「ちょ、ちょっとお母さん! ハー君に何を聞いているのー!?」
慌ててエリーも止めに入ったが、お母さんの勢いが止まらない。
「ヘンリー君。エリーは、少ーしドジっ娘な所もあるけれど、可愛いくて料理が上手だし、胸……はジェーンちゃんに負けるけど、まだまだこれから成長するわ。なんだったら、ヘンリー君が大きく育ててくれても良いのよ?」
「あの、エリーのお母さん。ちょっと何を言っているか分からないんですが」
「あら、ごめんなさい。私ったら、少し性急過ぎたわね。ところで、ヘンリー君。今日はもう遅いから、うちに泊まっていきなさいよ」
「え? いや、ですが寮に外泊手続きをしていないんですが……」
「寮? 大丈夫よ。私が連絡しておくから。ちゃんとヘンリー君が泊まる部屋もあるから心配しないで。そうそう、先ずはゆっくりお風呂へ入ってきたらどうかしら」
エリーのお母さんが凄い勢いで俺を脱衣所へ連れて行き、「ごゆっくりー」と言い残して去って行ってしまった。
「アオイ。エリーのお母さんって、ちょっと変わっているよな」
『変わっていると言うより、私には露骨な感じがします』
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