65 / 72
言葉の難しさ
しおりを挟む
走って凛の姿を探した。
凛の姿を見つけるまで走り続けた。
角を曲がればすぐに見つけることが出来た。
「りぃん」
名前を呼べば振り向いた。
「兄ちゃーん」
呼びながらこちらに向かって走ってくる。
可愛い天使。
絶対に傷付けさせないから。
あんな下品な男に負けないよ。
「凛は歩くの早いね」
「そうかな?兄ちゃんは大丈夫だったの?」
「平気だよ」
「…そっかぁ、良かった」
二人で家に向かって歩き出した。
会話するもずっとあの男の言葉がちらついてきた。
凛にも手を出すって言った。
あんな奴に…。
あんな奴に大事な凛を汚されたくない。
兄ちゃんが絶対守るからね。
「兄ちゃん、聞いてる?」
「えっあーごめんなんだっけ?」
「もう、だから帰ったら約束してた映画みようねって話」
「あっそっかぁ、約束してたもんね。うん見よう」
「うん」
家に入ると安心し、少しだけ涙が出た。
認めたくないけど、怖かった。
怖くて涙が我慢出来なかった。
「兄ちゃん?どうしたの?」
「え?あっ、なんでもないよ」
無理して笑顔を作った。
凛に引っ張られるままリビングで映画をみた。
ミステリーものだった。
謎解きなんて全く出来ず、探偵が推理するままを受け入れた。
犯人は女性で恋人を殺された恨みから復讐を行ったと。
未来を見ることをせず、幸せだった過去を追いかけていた。
彼女の回想では最後に幸せだった頃の恋人との口付けで締め括られていた。
「兄ちゃん、口付けとキスは同じなの?」
「ん?」
「字幕に口付けって書いてあったりキスって書いてあったりしたよ」
「んー確かにねぇ」
途中俺も?とは思ったが差ほど気にしてなかったなぁ。
「口付けって…神聖な時とか?」
「なら、キスは?」
「キスは家族やエッチィ時?」
「エッチぃー」
本日二度目の凛の叫び。
「どうしたの?」
台所にいた母さんもやってきた。
「変なこと大声で叫ばないでね、ご近所さんに聞こえたら…」
その言葉で今さらなが口を押さえて頷く凛。
顔を真っ赤にしながらコクコクとする姿は本当に可愛かった。
「母さんはどう思う?口付けとキスの違い?」
「同じじゃない?」
「なら、翻訳ミスって事?」
「んー、口付けって日本ポイよね。キスは外国っぽい」
「そのまんまじゃない?」
「イメージよイメージ。恋愛映画ではキスのがしっくり来るけど、口付けって言われると神様の前でするような…誓いの儀式とか?」
ん゛ー、三人で口付けとキスの違いに悩んでしまった。
ただなんとなく分かったのはキスは外国からの言葉で家族のキスだったり恋人との激しいものを連想し、口付けは日本の言葉であるので慎ましやか謙虚っぽさが出るとか?無理矢理答えを出した。
凛の姿を見つけるまで走り続けた。
角を曲がればすぐに見つけることが出来た。
「りぃん」
名前を呼べば振り向いた。
「兄ちゃーん」
呼びながらこちらに向かって走ってくる。
可愛い天使。
絶対に傷付けさせないから。
あんな下品な男に負けないよ。
「凛は歩くの早いね」
「そうかな?兄ちゃんは大丈夫だったの?」
「平気だよ」
「…そっかぁ、良かった」
二人で家に向かって歩き出した。
会話するもずっとあの男の言葉がちらついてきた。
凛にも手を出すって言った。
あんな奴に…。
あんな奴に大事な凛を汚されたくない。
兄ちゃんが絶対守るからね。
「兄ちゃん、聞いてる?」
「えっあーごめんなんだっけ?」
「もう、だから帰ったら約束してた映画みようねって話」
「あっそっかぁ、約束してたもんね。うん見よう」
「うん」
家に入ると安心し、少しだけ涙が出た。
認めたくないけど、怖かった。
怖くて涙が我慢出来なかった。
「兄ちゃん?どうしたの?」
「え?あっ、なんでもないよ」
無理して笑顔を作った。
凛に引っ張られるままリビングで映画をみた。
ミステリーものだった。
謎解きなんて全く出来ず、探偵が推理するままを受け入れた。
犯人は女性で恋人を殺された恨みから復讐を行ったと。
未来を見ることをせず、幸せだった過去を追いかけていた。
彼女の回想では最後に幸せだった頃の恋人との口付けで締め括られていた。
「兄ちゃん、口付けとキスは同じなの?」
「ん?」
「字幕に口付けって書いてあったりキスって書いてあったりしたよ」
「んー確かにねぇ」
途中俺も?とは思ったが差ほど気にしてなかったなぁ。
「口付けって…神聖な時とか?」
「なら、キスは?」
「キスは家族やエッチィ時?」
「エッチぃー」
本日二度目の凛の叫び。
「どうしたの?」
台所にいた母さんもやってきた。
「変なこと大声で叫ばないでね、ご近所さんに聞こえたら…」
その言葉で今さらなが口を押さえて頷く凛。
顔を真っ赤にしながらコクコクとする姿は本当に可愛かった。
「母さんはどう思う?口付けとキスの違い?」
「同じじゃない?」
「なら、翻訳ミスって事?」
「んー、口付けって日本ポイよね。キスは外国っぽい」
「そのまんまじゃない?」
「イメージよイメージ。恋愛映画ではキスのがしっくり来るけど、口付けって言われると神様の前でするような…誓いの儀式とか?」
ん゛ー、三人で口付けとキスの違いに悩んでしまった。
ただなんとなく分かったのはキスは外国からの言葉で家族のキスだったり恋人との激しいものを連想し、口付けは日本の言葉であるので慎ましやか謙虚っぽさが出るとか?無理矢理答えを出した。
12
あなたにおすすめの小説
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる