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雨なんて大っ嫌い

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目が覚めればソファで先輩に抱き締められていた。

「んん゛ふん…せんぱぃ」

「…起きたのか」

「うん…俺どのくらい眠っちゃってた?」

「三十分くらいか」

「そっか」

良かった。
凛との約束守れそう。

「シャワー浴びないと」

「…」

俺の言葉で家に帰る気がある事を悟ったのか、抱き締めている先輩の腕に力が入ったのが分かった。
そんな事されたら、離れにくいよ。

「また直ぐ来るから、ねっ」

おまけにチュッと唇の端にした。
起き上がりお風呂場に向かった。
当然のように先輩も一緒に。
お尻のを掻き出すのに先輩がやってくれたが、そこにエッチな雰囲気は無かった。
なんだか先輩が淋しそうに見えた。
そんな顔しないで。

シャワーを終え、制服に着替えることにした。
先輩もバイトの為一緒にマンションを出た。
途中で先輩と分かれバスには乗らず歩いて帰ることにした。
ふと、携帯が気になった。
俺携帯鞄に入れたっけ?
鞄のなかを探すも見当たらない。
ん゛ー。

「あっ、ソファー」

エッチに雪崩れ込む前に凛と電話してて、その後携帯の存在をすっかり忘れていた。
ソファーのどっかに有るかも。
戻らないと。
先輩からの合鍵も…うん、ちゃんと有る。
戻って携帯取りに行こう。
再び先輩のマンションに向かうも肌寒さを感じた。
空も急に暗くなったように見えた。
まさか、降らないよね?
不安になったので早足で歩き始めたが、俺が先輩のマンションに着くよりも早く雨が降り始めた。
突然の豪雨に襲われ雨宿りするにも出来そうな場所が見当たらず走り続けた。
足腰が本調子ではないためそんなに早く走れず、マンションに着く頃にはびしょ濡れになってしまった。
ワイシャツもズボンもびしょびしょでベッタリと肌に張り付いていた。
エレベーターが来る間、震えながら待った。
これだとシャワーを浴びないと風邪を引く。
今日は何回シャワーを浴びることになるんだ。
エレベーターに乗り込み振り帰れば、同じように濡れた男性がいた。
仲間だと思いながら回数ボタンを押せば、その男は1階下のボタンを押した。

「へぇー、ここに住んでんだ」

突然の声に男の顔をみれば、最も会いたくない男がいた。
あのチャラ男コンビニ店員。

「………」

驚きの余り声がでなかった。

「エロいね、もしかして誘ってる?」

男の視線を辿れば、ピッタリくっついたワイシャツ越しに俺の胸の突起がハッキリと分かる。

「なっ」

慌てて両手で隠し背を向けたが、男のニヤケ顔が不快だった。

「一緒に風呂入る?」

「結構です」

早くエレベーターを降りたかった。
早く着いて早く着いて早く着いて。

「ぎゃっ」

「寒いだろ?」

背を向けていたため男が近づくのが分からず、後ろから男の腕に抱き入れられていた。
濡れたワイシャツ越しに男の体温が伝わり別の震えが生じた。

「震えてる、俺が暖めてやるよ」

耳元で喋んなっ、気持ち悪い。
あんたの所為で震えてんの。

「やめて、離してっ」

抵抗するも男は全く離さないどころか力が込められた。

「やぁっ」

首筋を舐められた。
舐められた瞬間ゾワゾワと嫌悪感が身体中を走った。

「おっいいねぇ、その反応」

「ちょっといい加減にして」

「初めてじゃないだろ、こんなに痕付けて。それとも無理矢理やられんのが好きなの?」

首筋を舐めながら舌でワイシャツの襟をずらされ肩を晒される。
そこはつい先程、先輩に噛まれた所。

「ちがっ」

「噛み痕もある、結構激しいんだな。いいよ、俺もそういうの好きだから」

「あんたの好みなんて聞いてないっもう、離してっ」


ポーン


「ほら、着いたっ早く降りてぇ」

「なぁ、まじで俺の部屋来いよ」

「やだぁ、行かない」

「なら、俺が行こうか?」

「来んなぁ、先輩の家が穢れる」

「あーん、彼氏の部屋かぁ」

「………」

しまった。
先輩の家ってばらしちゃった。

「なら、やっぱり俺の部屋だな」

「本当にやめて」

無理矢理下ろされそうになった。
開いていたドアが閉まろうとするのを男が足でドアを押さえた。

「そんなにイヤ?」

男の問いに何度も頷いた。

「彼氏がいるから?それとも俺が好みじゃないとか?」

「両方っ」

なんなのこの人。
好みじゃない?好みじゃないに決まってる。
どっから来るんだよその自信。
あんたなんか先輩の足元にも及ばないよ。
いい加減離せこの野郎。

「ふーん…」

「…い゛や゛っ」

ガブっと肩を噛まれた。
先輩に噛まれた場所と同じところを。
更に同じ場所をキツく吸われた。
痕を上書きされてるって理解するも男の腕が強すぎて全く抜け出せないでいる。
やだっ先輩助けてぇ。
どのくらいなんて分からないけど、長く強く吸われた。
絶対濃い痕が残ってるし、先輩にバレる。
男の息も舌も気持ち悪い。早く離れてよ。
涙目になりながら男が離れるのを待った。
何度も何度も同じ場所を吸われた。
気か済んだのか男の唇が離れたと気を抜いてしまった、吸っていた場所からベロっと肩から首筋うなじまでを舐められた。
油断していたため実際よりも舐められた感覚があった。

「俺、3Pでもいいから、彼氏に言っといてよ」

耳元で囁き耳を気持ち悪く舐められ口に含まれた。
満足したのか漸く腕から解放され男は出ていった。
ドアは閉まり先輩の部屋の階に着いた。
ドアが開き急いで鍵を使い部屋へ入った。
鍵を閉めて、直ぐにお風呂場に直行してシャワーで流した。
石鹸で力強く洗った。

「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」

泣きながら首筋や肩、耳を洗いまくった。



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