男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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わかんないよ

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気がついたら教室にいた。
もう、なにがなんだか良くわからない。
別れだったんだよね?
ならどうしてキスしたの?
最後のキス?お別れのキス?

俺一人盛り上がって勘違いして振られただけ。
先輩は最初から俺を好きになることはないと。
身体だけの関係だって。
このままの関係を続けても先輩は俺を好きになることなんて…
離れるのもツライしこのままも。



気付けば、先輩のマンションの前に来ていた。
多分今日はバイトの日。
帰ってくるのは夜。
ここにいてもどうしようもないのは分かる。
待っていても先輩の迷惑にしかならない。
分かってる分かってるけど、先輩と終わりにしたくない。
他の人と一緒にいて欲しくない。
俺はずっと側にいる。
先輩を一人になんてしない。
だからお願い俺を選んで。

何時間もマンションの前で待っていた。
マンションの塀にもたれながらひたすら待ち続けた。
待っている間、寒さは感じなかった。

「お前、ここでなにしてんの?」

いつの間にかずっと俯いていたらしく、目の前に立っている先輩に気付かなかった。

「あ、あの俺は」

「俺のところじゃなくてアイツの所に行けば良いだろう。その方がアイツも喜ぶぞ」

先輩は俺を突き放そうとしているように感じる。

「あれは、そうじゃなくて。俺は先輩と…先輩だって…」

「ん?俺が何?」

先輩の冷たい視線が突き刺さる

「先輩、他の人とキスしてた」

なんだか俺が責められてるみたい。

「それでお前はあの男とヤッてた所を俺に見られた」

「なっヤッてません」

冗談でも先輩にそんな勘違いしてして欲しくない。
あれはあの人が、たまたまあそこにいたから。
別にあの人じゃなくても…

「これからすんの?」

「しません」

どうしてそんな意地悪な言い方するの。
先輩は本気でそう思っているの?

「もう辞めたら?こんなんでいちいち疑ってたらお前がツライだろ」

「お、俺はそれでも先輩と一緒にいたい」

「俺の事信じられないのに?」

「信じてます」

「信じられないからあの男と抱き合ってたんだろう?」

「…………」

違うのに、抱き合っていたのは事実だけと。
どうして分かってくれないの。


先輩はマンション内に入ってしまった。
俺を置き去りにして。

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