男子校に入学しても絶対そっち側には行かないって思っていたのに、助けてくれた先輩が気になってます

天冨 七緒

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入学して始めての友達

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「瀬里崎君もさぁ呼び出しされて、律儀に行くことなんて無いんだよ」

声をかけて来たのは同じクラスの功刀律くぬぎりつ。彼は初等部からこの学校に通っているらしい。
綺麗な顔。常に冷静な為かちょっと冷たく感じるが、暴走したりせず普通に声をかけてくれるこの学校で数少ないまともな人。

「瀬里崎君優しいから、皆その優しさに付け入って告白しに来ているんだよ。ただ、話したいだけ。これ切っ掛けに仲良くなって~とか邪な気持ちがあるんだよ」

「うーん、そうなんだろうけどずっと待たせるのも悪いかなって」

「相手が勝手に呼び出して待ってるだけだし、行くこと事態が相手に気を持たせる行為でもあるよ」

功刀の言っている事は正しい。

「それに瀬里崎君は外部入学だからあまり信じてないようだけど、告白してくる人たちは八割が本気だと思った方がいい」

「ほんき?」

「そう本気。俺からの忠告としてはあまり人気の無い所とか放課後の呼び出しには行かないこと」

功刀は大袈裟に行って俺を怯えさせようとしているわけでもなく、事実を淡々と話している。

「う、うん。ありがとう…もしかして功刀君も…その……彼氏とかいたりするの?」

恐る恐る功刀に聴いた。
顔も整っているし性格もいい、きっと中学生の頃から先輩後輩問わずモテていたはず。
こんな冷静な人を落とす人はどんな人だろうか、とか。
初恋初彼はどんな人だったのか色々知りたい。

「そんなの居たりしないから。過去も今も未来も」

「そ、そっか」

そう言うことに全く興味無さそうに居ないと答えたがきっと告白は何度もされてそう。身長は俺より高いがそんなに変わらない、表情はあんまりないけどずっと見ていたい程綺麗な顔。

「俺もそう言うの詳しくは知らないけどクラスの奴は大体彼氏が居る、もしくは居たことがある奴だから」

呆然と功刀を見詰めるも、周りを確認したいが怖くて功刀から視線をそらすことが出来なくなった。

「あっ、そうなんだ。大体の奴が…」

周りから視線を感じるような…気のせいだよね、きっと。

「そっ初等部からの代わり映えしない面子だから外部入学の人間なんてどの学年もチェックしてる。今年は八人だったけど定員数ではなく試験結果によってだから0人の年もある」

「へぇー」

徐々に顔がひきつっていく。
普通の顔が出来なくなってくる。

「学生全員が瀬里崎君を知っていると思った方がいい」

なにこれ、ゾワゾワって寒気?悪寒?っていうのを感じた。

「はい」

怖いよー
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