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1437.夫
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モトバが正気を失った男達と戯れる中、年老いた男の声で悲痛な叫びが響いた。
「モトバ! モトバなのか!?」
あまりに場違いなその声に居並ぶ男達は一瞬顔を顰める。
一瞬だけだ。
一瞬後には目を血走らせながらモトバや魔法使いに鼻の下を伸ばして鼻息を荒くする。
今の彼らの記憶力は皆無であった。
一方、モトバは顔に喫驚を浮かべて暫し固まった。
首から下はモトバの上で下でハッスルする男達の相手をしながら首から上は真顔になり、冷や汗を掻いて視線を彷徨わせる。
「あ、あなたお久しぶりね……」
老いた男はモトバの夫だったのだ。
夫はモトバが今の姿になってからも一緒に暮らしていたので姿は知っている。
ただその頃は全裸の妻を恥に思い、夫婦間に擦れ違いも起きていた。
変わったのはモトバがダンジョンから帰って来なくなってからだ。
恥よりも喪失感と焦燥が強かった。
ところがモトバの方は夫が焦燥に苛まれる間もダンジョン生活を楽しんでいた。
わ、忘れていましたわ。
夫の存在が頭から抜け落ちるほどであった。
「モトバ! モトバなのか!?」
あまりに場違いなその声に居並ぶ男達は一瞬顔を顰める。
一瞬だけだ。
一瞬後には目を血走らせながらモトバや魔法使いに鼻の下を伸ばして鼻息を荒くする。
今の彼らの記憶力は皆無であった。
一方、モトバは顔に喫驚を浮かべて暫し固まった。
首から下はモトバの上で下でハッスルする男達の相手をしながら首から上は真顔になり、冷や汗を掻いて視線を彷徨わせる。
「あ、あなたお久しぶりね……」
老いた男はモトバの夫だったのだ。
夫はモトバが今の姿になってからも一緒に暮らしていたので姿は知っている。
ただその頃は全裸の妻を恥に思い、夫婦間に擦れ違いも起きていた。
変わったのはモトバがダンジョンから帰って来なくなってからだ。
恥よりも喪失感と焦燥が強かった。
ところがモトバの方は夫が焦燥に苛まれる間もダンジョン生活を楽しんでいた。
わ、忘れていましたわ。
夫の存在が頭から抜け落ちるほどであった。
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