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1246.出掛ける

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 自宅と仕事場が同じ場合には出掛ける機会が少なくなる。
 女将もまたそうで、特にこの3日間は自らに起きた現象のこともあって一歩も宿から出ていなかった。

「一度外を見て回りましょう」

 女将は宣言した。

「ちょっと待ってください! その恰好のまま出掛けるんですか!?」

 仲居は常識的だ。

「だって着られる服が無いのだもの。それに誰も居ないなら平気でしょう? 居るならわたしを見に出て来るかも知れないじゃない」
「出て来るのは警察だけです!」
「それならそれで人が居るのがはっきりしていいじゃない」
「掴まって貰っては困ります!」
「いいからいいから、さあ番頭さん一緒に行きましょう」

 女将は仲居の苦言を振り払って番頭と出掛けた。
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