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1227.そのまま
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女将は暫くして正気を取り戻した。そして直ぐに思い出す。
「ああっ! お鍋がそのまま!」
魔王とオリエの鍋の仕度を放り出してしまっていた。
動転していたところに持って来たとんだ失態に、更に動転した女将はそのまま客室へと急いだ。
つまり全裸のままだ。
これに気付いたのは客室目前。今までに無い重みを感じる肩と二の腕の内側に当たる柔らかい感触に漸く目を向けた時だった。
女将は顔を真っ赤にして滝のような冷や汗を掻いた。
「ど、どどどどどどうしよう……」
だがここで引き返しては鍋が確実に煮詰まってしまう。
既に煮詰まっているかも知れないのだから、一刻の猶予も無い。
女将は現実逃避気味に鍋のことばかりを考えた。
「大変失礼いたしました。直ぐにお食事の仕度を続けさせていただきます」
そのまま客室の戸を開け、手を突いて頭を下げた。
「ああっ! お鍋がそのまま!」
魔王とオリエの鍋の仕度を放り出してしまっていた。
動転していたところに持って来たとんだ失態に、更に動転した女将はそのまま客室へと急いだ。
つまり全裸のままだ。
これに気付いたのは客室目前。今までに無い重みを感じる肩と二の腕の内側に当たる柔らかい感触に漸く目を向けた時だった。
女将は顔を真っ赤にして滝のような冷や汗を掻いた。
「ど、どどどどどどうしよう……」
だがここで引き返しては鍋が確実に煮詰まってしまう。
既に煮詰まっているかも知れないのだから、一刻の猶予も無い。
女将は現実逃避気味に鍋のことばかりを考えた。
「大変失礼いたしました。直ぐにお食事の仕度を続けさせていただきます」
そのまま客室の戸を開け、手を突いて頭を下げた。
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