魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１２１１．ターミナル

　鉄道のターミナルは創った島の中でも最も大きく長ひょろい島の中央付近の広い平野に始まる。
　魔王は異世界では副都心と呼ばれる都市を超高層ビルも含めて再現し、最速ならそこから１時間半掛からずに着ける温泉地までの鉄道を敷設した。
　そのターミナルからは他にも鉄道が伸びているが、それらは再現した都市内のみに留まる。つまり現状は張りぼてである。
　そんな都市へは転移陣で飛ぶ。
　オリエは魔王のアバターと伴に都市へと降り立った。
　魔王がアバターなのは本人が最奥から迂闊に移動したならダンジョンに天変地異が起きかねないからだ。
　だが折角創ったので自らも経験してみたい魔王であった。

「魔王のアバターって魔王そっくりなんだ？」
「やはりこの身体の形が最もしっくり来るからな」

　平々凡々とした容姿が魔王の生まれ持った姿だった。