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599 待つのは
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魔物の居ない小部屋が候補止まりなのは、涌いた魔物が部屋の外で徘徊している可能性があるから。
魔物の少ない小部屋も候補になるのは、別の場所から徘徊してやって来た可能性があるから。
魔物が多い小部屋が候補にならないのは、全て別の場所からやって来ていたとしても吹き溜まりのようになっている証拠だから。安全からは程遠い。
「後は候補地で待つだけですね」
「待つのも必要だけど、魔物を倒して回らなければならないわ。できれば階層全てをね」
涌出ポイントはそこから涌いた魔物が消滅しない限り次の魔物を産み出さないと言うのが通説だ。例外の報告が無い程度には信憑性が高い。
だからもし候補地に涌出ポイントが在って涌いた魔物が別所を徘徊していた場合、じっと待っていては安全地帯ではないのに安全地帯と誤認しかねない。この可能性の排除のために可能な限り階層内の魔物を倒す必要がある。
「だから待つのはザネクちゃんとシャルウィちゃんに任せてルキアスちゃんはわたしとデートしましょ」
ルキアスの『傘』に乗って動けば地図を見ながら回廊を塗り潰すように動けば良い。
「ちょっと待った! それだとメイナーダだけ楽し過ぎじゃないかい!? ルキアス君の『傘』にはボクを乗せてくれたまえよ」
フヨヨンは徒歩で回るのがかったるいらしい。
だが、だったら『傘』に二人とも乗れば良いとはならない。メイナーダとフヨヨンは一人で十分な殲滅力を持つのだから同じ場所に居ては非効率だ。
「……ザネクと一緒に行くのは?」
「シャルウィ君だけ残す訳に行かないだろう?」
「タイラクさんに残って貰えば」
「……ああ、そっか。タイラクはどうせ地図なんか見ないから虱潰しのようなのには向かないね。でもタイラクとシャルウィ君の二人だけを残すのは色々心配だよ」
「人聞きが悪いな!」
何がどうなるものでもないのが判っていても、不安になる組み合わせとはあるものだ。
「だからシャルウィ君も一緒に行って、タイラク一人で残ってくれたまえよ」
「……」
フヨヨンはタイラクの抗議をスルーして話を進め、タイラクは腕組み顰めっ面でそっぽを向いた。
「どうやら問題ないみたいだね。それじゃ、そう言うことで始めようか」
「ええっ!? ほんとにいいんですか!?」
ルキアスは目線でタイラクを指し示すが、フヨヨンは肩を竦めてみせる。
「子供みたいに拗ねるおっさんは放っておきたまえよ」
タイラクはますます顰めっ面になった。
魔物の少ない小部屋も候補になるのは、別の場所から徘徊してやって来た可能性があるから。
魔物が多い小部屋が候補にならないのは、全て別の場所からやって来ていたとしても吹き溜まりのようになっている証拠だから。安全からは程遠い。
「後は候補地で待つだけですね」
「待つのも必要だけど、魔物を倒して回らなければならないわ。できれば階層全てをね」
涌出ポイントはそこから涌いた魔物が消滅しない限り次の魔物を産み出さないと言うのが通説だ。例外の報告が無い程度には信憑性が高い。
だからもし候補地に涌出ポイントが在って涌いた魔物が別所を徘徊していた場合、じっと待っていては安全地帯ではないのに安全地帯と誤認しかねない。この可能性の排除のために可能な限り階層内の魔物を倒す必要がある。
「だから待つのはザネクちゃんとシャルウィちゃんに任せてルキアスちゃんはわたしとデートしましょ」
ルキアスの『傘』に乗って動けば地図を見ながら回廊を塗り潰すように動けば良い。
「ちょっと待った! それだとメイナーダだけ楽し過ぎじゃないかい!? ルキアス君の『傘』にはボクを乗せてくれたまえよ」
フヨヨンは徒歩で回るのがかったるいらしい。
だが、だったら『傘』に二人とも乗れば良いとはならない。メイナーダとフヨヨンは一人で十分な殲滅力を持つのだから同じ場所に居ては非効率だ。
「……ザネクと一緒に行くのは?」
「シャルウィ君だけ残す訳に行かないだろう?」
「タイラクさんに残って貰えば」
「……ああ、そっか。タイラクはどうせ地図なんか見ないから虱潰しのようなのには向かないね。でもタイラクとシャルウィ君の二人だけを残すのは色々心配だよ」
「人聞きが悪いな!」
何がどうなるものでもないのが判っていても、不安になる組み合わせとはあるものだ。
「だからシャルウィ君も一緒に行って、タイラク一人で残ってくれたまえよ」
「……」
フヨヨンはタイラクの抗議をスルーして話を進め、タイラクは腕組み顰めっ面でそっぽを向いた。
「どうやら問題ないみたいだね。それじゃ、そう言うことで始めようか」
「ええっ!? ほんとにいいんですか!?」
ルキアスは目線でタイラクを指し示すが、フヨヨンは肩を竦めてみせる。
「子供みたいに拗ねるおっさんは放っておきたまえよ」
タイラクはますます顰めっ面になった。
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