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515 水を防ぐには
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余計な事に気付いて微妙な気分になった一同だったが、ここで退く訳にも行かない。また自分達がただ働きだからと言って、誰かにただ働きを要求するのも筋違いだろう。
「ダンジョンに水が入らないようにする壁って、隙間があっちゃダメなのかな……?」
ルキアスに思い付きがあった。
「多少の隙間は問題無いよ。少しくらい水が入っても作業に支障が出なけりゃいいからね。だけどそれで何かあるのかい?」
「いえ、それならザネクの『大盾』で何とかできるんじゃないかなって……」
「あれかぁ」
ザネクは気乗りしない様子で思案する。
「まあ、何とかなると思うぜ」
しかし嫌とは言わないらしい。ただこの中でダイナリザードの体当たりを防ぐのを見たのはルキアスだけだ。タイラクとメイナーダは死屍累々たるダイナリザードは見ていても防ぐ場面は見ていない。フヨヨンに至っては初耳だ。
「一応見せて貰わなけりゃ判断できないね。やって見せてくれるかな?」
「いいぜ」
ザネクはやはり気乗りしない雰囲気だ。まだ割り切れないものが残っているのだろう。だがぐずぐずはしない。『傘』から飛び降り、ダンジョンの入口から一歩入った場所で外に向けて魔法を使う。
「『大盾』」
それはダンジョンの入口をほぼ塞ぐように展開された。
フヨヨンが内側からコツコツとノックしてみる。
「ふむふむ、これならどうにかできそうだね」
「ザネク、やるじゃない!」
シャルウィは外から『大盾』をノックしながら絶賛する。ザネクも褒められれば悪い気はしない様子だ。
「フヨヨン! いつまでそこで遊んでんだ? 早くこっちに戻れ!」
フヨヨンが『大盾』を吟味しに持ち場を離れたせいで一人で魔物の対応をしなければならなくなっていたタイラクが叫んだ。
「とにかく一度『大盾』を試してみようじゃないか。念のためザネク君はここで波を警戒していてくれたまえよ。ルキアス君、砲台を修理するよ。メイナーダは露払いを頼むよ」
「おい! 無視すんな!」
タイラクが叫ぶがフヨヨンは白い目で応える。
「だからメイナーダに露払いを頼んだじゃないか。早く戻って『傘』に乗りたまえよ」
「……」
先にさっさと『傘』に乗り込むフヨヨンに、タイラクは恨みがましい視線を送った。
そうして第一階層へと行くと、砲台は一基しか正常に動いていなかった。二基は流され、一基は壊され、一基は向きが変わったことで壁に向かって砲撃する有り様だった。
「ダンジョンに水が入らないようにする壁って、隙間があっちゃダメなのかな……?」
ルキアスに思い付きがあった。
「多少の隙間は問題無いよ。少しくらい水が入っても作業に支障が出なけりゃいいからね。だけどそれで何かあるのかい?」
「いえ、それならザネクの『大盾』で何とかできるんじゃないかなって……」
「あれかぁ」
ザネクは気乗りしない様子で思案する。
「まあ、何とかなると思うぜ」
しかし嫌とは言わないらしい。ただこの中でダイナリザードの体当たりを防ぐのを見たのはルキアスだけだ。タイラクとメイナーダは死屍累々たるダイナリザードは見ていても防ぐ場面は見ていない。フヨヨンに至っては初耳だ。
「一応見せて貰わなけりゃ判断できないね。やって見せてくれるかな?」
「いいぜ」
ザネクはやはり気乗りしない雰囲気だ。まだ割り切れないものが残っているのだろう。だがぐずぐずはしない。『傘』から飛び降り、ダンジョンの入口から一歩入った場所で外に向けて魔法を使う。
「『大盾』」
それはダンジョンの入口をほぼ塞ぐように展開された。
フヨヨンが内側からコツコツとノックしてみる。
「ふむふむ、これならどうにかできそうだね」
「ザネク、やるじゃない!」
シャルウィは外から『大盾』をノックしながら絶賛する。ザネクも褒められれば悪い気はしない様子だ。
「フヨヨン! いつまでそこで遊んでんだ? 早くこっちに戻れ!」
フヨヨンが『大盾』を吟味しに持ち場を離れたせいで一人で魔物の対応をしなければならなくなっていたタイラクが叫んだ。
「とにかく一度『大盾』を試してみようじゃないか。念のためザネク君はここで波を警戒していてくれたまえよ。ルキアス君、砲台を修理するよ。メイナーダは露払いを頼むよ」
「おい! 無視すんな!」
タイラクが叫ぶがフヨヨンは白い目で応える。
「だからメイナーダに露払いを頼んだじゃないか。早く戻って『傘』に乗りたまえよ」
「……」
先にさっさと『傘』に乗り込むフヨヨンに、タイラクは恨みがましい視線を送った。
そうして第一階層へと行くと、砲台は一基しか正常に動いていなかった。二基は流され、一基は壊され、一基は向きが変わったことで壁に向かって砲撃する有り様だった。
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