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301 足の踏み場も無い
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『傘』に乗ったルキアス、ザネク、ユアは螺旋回廊の天井近くを行く。すっかり目を覚ませたユアが目を輝かせて、『傘』の上を動き回りながら風景に魅入る。
「危ないから『傘』から乗り出さないようにね」
「ん!」
ルキアスの注意を理解しているのか怪しい限りだが、ユアが元気に返事する。ルキアスはザネクに目配せでユアの監視を頼んだ。
第四階層へと突入する。するとそこには夥しいクロコダイルとメガフロッグの骸が転がり、それを踏み付けて更に夥しいクロコダイルやメガフロッグが跋扈していた。
「一回倒せば終わりなんじゃないの?」
「後にもっと続いてりゃ、そりゃな」
ザネクが指差す方向に目を向けてみれば随分遠くまで魔物の絨毯になっている。目前の魔物を倒しただけではとても終わらない。
「こんな中をメイナーダさんはどこに行ったんだろう?」
「上に行ったんだろうな。ほら、焼け焦げた魔物が点々と転がってるぜ」
地面を見れば、焼け焦げた魔物の骸が第三階層への螺旋回廊の方へと繋がっている。見える範囲では火柱が立ち上がることも無いので、この階層に居ないと考えた方が自然だ。
そしてメイナーダがこの階層の魔物に倒される可能性は全く考えられない。
「それじゃ、第三階層に行ってみよう」
「ん!」
螺旋回廊の天井に張り付くように飛べば、クロコダイルの牙は勿論、メガフロッグの舌も届かない。安全な移動が可能だ。
しかし地面を見ればあまり安心しても居られない。第四階層から第三階層に続く螺旋回廊にはびっしり、足の踏み場も無いほどに魔物が詰まっている。螺旋回廊に入る数よりも出る数が少ないことが見て取れる。
「ゾッとするな」
「万が一落ちたらお終いだね……」
クロコダイルやメガフロッグ一頭ずつなら負けはしない。だが数は脅威だ。群に襲われればルキアスなど一溜まりもない。
そうして魔物に気を取られていたのがいけなかったのかも知れない。
「!」
ルキアスとザネクがその声に気付いた時にはユアは『傘』の外に居た。
「ユア!」
「しくった!」
ルキアスは手を伸ばすが『傘』をコントロールできなくなるような大きな動きはできないのでまるで届かない。ザネクは『傘』から身を乗り出して捉まえようとするが、その手は空を切った。
「危ないから『傘』から乗り出さないようにね」
「ん!」
ルキアスの注意を理解しているのか怪しい限りだが、ユアが元気に返事する。ルキアスはザネクに目配せでユアの監視を頼んだ。
第四階層へと突入する。するとそこには夥しいクロコダイルとメガフロッグの骸が転がり、それを踏み付けて更に夥しいクロコダイルやメガフロッグが跋扈していた。
「一回倒せば終わりなんじゃないの?」
「後にもっと続いてりゃ、そりゃな」
ザネクが指差す方向に目を向けてみれば随分遠くまで魔物の絨毯になっている。目前の魔物を倒しただけではとても終わらない。
「こんな中をメイナーダさんはどこに行ったんだろう?」
「上に行ったんだろうな。ほら、焼け焦げた魔物が点々と転がってるぜ」
地面を見れば、焼け焦げた魔物の骸が第三階層への螺旋回廊の方へと繋がっている。見える範囲では火柱が立ち上がることも無いので、この階層に居ないと考えた方が自然だ。
そしてメイナーダがこの階層の魔物に倒される可能性は全く考えられない。
「それじゃ、第三階層に行ってみよう」
「ん!」
螺旋回廊の天井に張り付くように飛べば、クロコダイルの牙は勿論、メガフロッグの舌も届かない。安全な移動が可能だ。
しかし地面を見ればあまり安心しても居られない。第四階層から第三階層に続く螺旋回廊にはびっしり、足の踏み場も無いほどに魔物が詰まっている。螺旋回廊に入る数よりも出る数が少ないことが見て取れる。
「ゾッとするな」
「万が一落ちたらお終いだね……」
クロコダイルやメガフロッグ一頭ずつなら負けはしない。だが数は脅威だ。群に襲われればルキアスなど一溜まりもない。
そうして魔物に気を取られていたのがいけなかったのかも知れない。
「!」
ルキアスとザネクがその声に気付いた時にはユアは『傘』の外に居た。
「ユア!」
「しくった!」
ルキアスは手を伸ばすが『傘』をコントロールできなくなるような大きな動きはできないのでまるで届かない。ザネクは『傘』から身を乗り出して捉まえようとするが、その手は空を切った。
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