291 / 627
291 振り出しに
しおりを挟む
翌日からルキアスは習った射撃姿勢を実践した。
だが二日目には何となく判る。基本の立ち撃ちさえあまり出番が無い。出番があるのは先制攻撃を仕掛けられる時だけだ。それ以外は狙いを定める間がほぼ無いので腰撃ちになる。狙いを定める場合でも動きながらになれば立ったまま上半身だけ伏せ撃ちをするかのような姿勢になってしまう。ダン老人にへっぴり腰と言われた姿勢がほぼこれだ。
(振り出しに戻っちゃったかなぁ)
習ったのが無意味だとまでは感じてないが、最も矯正が不要だった腰撃ち以外を実戦に応用できるようにも思えないルキアスだ。
だがこうも考える。今感じたままの通りだったならダン老人は実戦を潜り抜けてないことになる。ロマの心当たりの人物であることからもそれはあまりに不自然だ。
(もう一度会ってみなくちゃ)
ルキアスは探索を早めに切り上げようとザネクとシャルウィに相談した。エリリースの居ない週末で相談相手が二人だけだったからでもないが、二人は特に何も言わずに同意してくれた。
二人からしてみればルキアスが気も漫ろになってしまっては危なくてしょうがないからではあったのだが。
ともあれ、ルキアスはロマを探す。ダン老人に連絡先を聞いていないので直接連絡を取れない。だから今はロマに頼るしかないのだ。アイスクリームをまた作る約束をしていながらこの為体であった。
(あ、アイスクリーム!)
次に合う時にのニュアンスでの約束だったので、アイスクリームを相談するより先に用意するべきだ。
ルキアスは直ぐに牛乳と砂糖を買い求め、アイスクリーム作成を試みる。
前回今一つだったのは単に力任せに掻き交ぜたからだ。それも全力で。これ以上の力任せはできないから、混ぜ方を改善しなければ味の向上を見込めない。
買い出しからの帰り道、どうしたものかと考える耳にシャカシャカした音が聞こえた。ルキアスが何の気なしに目をやると、菓子店の奥で泡立て器を使って何かを泡立てている。
(ああ! あれだ! あの動かし方だったんだ)
ひょんな所からヒントを得た。
だが二日目には何となく判る。基本の立ち撃ちさえあまり出番が無い。出番があるのは先制攻撃を仕掛けられる時だけだ。それ以外は狙いを定める間がほぼ無いので腰撃ちになる。狙いを定める場合でも動きながらになれば立ったまま上半身だけ伏せ撃ちをするかのような姿勢になってしまう。ダン老人にへっぴり腰と言われた姿勢がほぼこれだ。
(振り出しに戻っちゃったかなぁ)
習ったのが無意味だとまでは感じてないが、最も矯正が不要だった腰撃ち以外を実戦に応用できるようにも思えないルキアスだ。
だがこうも考える。今感じたままの通りだったならダン老人は実戦を潜り抜けてないことになる。ロマの心当たりの人物であることからもそれはあまりに不自然だ。
(もう一度会ってみなくちゃ)
ルキアスは探索を早めに切り上げようとザネクとシャルウィに相談した。エリリースの居ない週末で相談相手が二人だけだったからでもないが、二人は特に何も言わずに同意してくれた。
二人からしてみればルキアスが気も漫ろになってしまっては危なくてしょうがないからではあったのだが。
ともあれ、ルキアスはロマを探す。ダン老人に連絡先を聞いていないので直接連絡を取れない。だから今はロマに頼るしかないのだ。アイスクリームをまた作る約束をしていながらこの為体であった。
(あ、アイスクリーム!)
次に合う時にのニュアンスでの約束だったので、アイスクリームを相談するより先に用意するべきだ。
ルキアスは直ぐに牛乳と砂糖を買い求め、アイスクリーム作成を試みる。
前回今一つだったのは単に力任せに掻き交ぜたからだ。それも全力で。これ以上の力任せはできないから、混ぜ方を改善しなければ味の向上を見込めない。
買い出しからの帰り道、どうしたものかと考える耳にシャカシャカした音が聞こえた。ルキアスが何の気なしに目をやると、菓子店の奥で泡立て器を使って何かを泡立てている。
(ああ! あれだ! あの動かし方だったんだ)
ひょんな所からヒントを得た。
29
あなたにおすすめの小説
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活
アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。
妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。
貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。
しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。
小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。
天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~
けろ
ファンタジー
【完結済み】
仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!?
過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。
救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。
しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。
記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。
偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。
彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。
「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」
強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。
「菌?感染症?何の話だ?」
滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級!
しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。
規格外の弟子と、人外の師匠。
二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。
これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる