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103 怖い女
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ルキアスは意外に思った。ロマがメイナーダを見て喫驚し、あまつさえ愛称で呼んだのだ。
「ロマさん、メイナーダさんと知り合いだったの?」
「あ、ああ……」
ロマは苦い顔で認めたくなさそうにしながらも肯定した。
「あら、ロマじゃない。ルキアスちゃんはロマと知り合いだったのね?」
「そうだぞ。俺とルキアスは生死を共にした親友だ。な!」
「あ、はい」
ロマはルキアスの肩を抱いて答え、最後にルキアスに念を押した。これではルキアスも「いいえ」とは言えない。
「ふーん。だけどルキアスちゃんにはロマって呼ばせてるのね? ロムシャンデリアガチャンだっけ? あの長ったらしい名前で呼ばせないの?」
「ロムシャンテジロマだ! ガチャンって何だ。ガチャンって。わざと言ってるだろ!」
「あらよく判ったわね」
「わからいでか!」
「ロマさんってロマさんじゃなかったの?」
「ん、まあ、実はな」
ロマは何故か口籠もった。
「ふっふふー。以前のロマったらね、わたし達がロマって呼んだら必死に長い名前に訂正しようとしてたのよ。狩りの最中はそんな事気にしてられないのにね」
メイナーダがちょっと悪そうににやにやと笑う。
「あれ? お二人はどう言う関係なんでしょう?」
随分親しそうだから、単なる知り合いではないだろう。
するとロマが考え込む。
「関係か……」
「あら、そんなの簡単じゃない。ロマがわたしに告白して、わたしがロマを振ったのよ」
「わーっ! ちょっと待て! そんな事堂々と言うな! っとに怖い女だな……」
ロマの顔は目も口もこれでもかと開かれて、その驚愕を表現した。
メイナーダが楽しげに「うふふ」と笑う。
「冗談はともかく……」
「「冗談!?」」
ルキアスとロマの声が揃った。これにはメイナーダの顔に少しだけ喫驚が現れる。
「あら、本当に仲が良いのね。でもそれはともかく、わたしとロマは前に組んで狩りをしていたのよ」
「そうなの?」
ルキアスはロマに問い質すが、ロマは渋い顔をした。
「あれを組んだって言えるのかねぇ……。俺は殆ど荷物持ちでしかなくてな。使われてたようなもんだ」
「あら、人聞きの悪いこと」
「実際そうだったろ」
(どう言うこと?)
ルキアスは聞きたくなったが、何とも二人の間に入りづらくて声には出さなかった。しかし怪訝さが顔に出ていたのだろう。ロマがそれに気付いた。
「……魔物の殆どをメイが倒してたんだよ。俺なんか出番が全く無かった」
「ええ!? そんな風に見えないんだけど!」
「見えないだろうな。でも事実だ」
「そうだったんだ……」
「はいはい。昔のことはもういいじゃない。それよりこれからの話よ」
メイナーダは特にロマがめんどくさくなりそうだったので話を切り替えた。そしてルキアスに近付いてその頭を胸に抱く。
「わっ! メイナーダさん!?」
「ねえ、ルキアスちゃん? わたし達と一緒に暮らさない?」
「ロマさん、メイナーダさんと知り合いだったの?」
「あ、ああ……」
ロマは苦い顔で認めたくなさそうにしながらも肯定した。
「あら、ロマじゃない。ルキアスちゃんはロマと知り合いだったのね?」
「そうだぞ。俺とルキアスは生死を共にした親友だ。な!」
「あ、はい」
ロマはルキアスの肩を抱いて答え、最後にルキアスに念を押した。これではルキアスも「いいえ」とは言えない。
「ふーん。だけどルキアスちゃんにはロマって呼ばせてるのね? ロムシャンデリアガチャンだっけ? あの長ったらしい名前で呼ばせないの?」
「ロムシャンテジロマだ! ガチャンって何だ。ガチャンって。わざと言ってるだろ!」
「あらよく判ったわね」
「わからいでか!」
「ロマさんってロマさんじゃなかったの?」
「ん、まあ、実はな」
ロマは何故か口籠もった。
「ふっふふー。以前のロマったらね、わたし達がロマって呼んだら必死に長い名前に訂正しようとしてたのよ。狩りの最中はそんな事気にしてられないのにね」
メイナーダがちょっと悪そうににやにやと笑う。
「あれ? お二人はどう言う関係なんでしょう?」
随分親しそうだから、単なる知り合いではないだろう。
するとロマが考え込む。
「関係か……」
「あら、そんなの簡単じゃない。ロマがわたしに告白して、わたしがロマを振ったのよ」
「わーっ! ちょっと待て! そんな事堂々と言うな! っとに怖い女だな……」
ロマの顔は目も口もこれでもかと開かれて、その驚愕を表現した。
メイナーダが楽しげに「うふふ」と笑う。
「冗談はともかく……」
「「冗談!?」」
ルキアスとロマの声が揃った。これにはメイナーダの顔に少しだけ喫驚が現れる。
「あら、本当に仲が良いのね。でもそれはともかく、わたしとロマは前に組んで狩りをしていたのよ」
「そうなの?」
ルキアスはロマに問い質すが、ロマは渋い顔をした。
「あれを組んだって言えるのかねぇ……。俺は殆ど荷物持ちでしかなくてな。使われてたようなもんだ」
「あら、人聞きの悪いこと」
「実際そうだったろ」
(どう言うこと?)
ルキアスは聞きたくなったが、何とも二人の間に入りづらくて声には出さなかった。しかし怪訝さが顔に出ていたのだろう。ロマがそれに気付いた。
「……魔物の殆どをメイが倒してたんだよ。俺なんか出番が全く無かった」
「ええ!? そんな風に見えないんだけど!」
「見えないだろうな。でも事実だ」
「そうだったんだ……」
「はいはい。昔のことはもういいじゃない。それよりこれからの話よ」
メイナーダは特にロマがめんどくさくなりそうだったので話を切り替えた。そしてルキアスに近付いてその頭を胸に抱く。
「わっ! メイナーダさん!?」
「ねえ、ルキアスちゃん? わたし達と一緒に暮らさない?」
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