上 下
7 / 19

次の目標

しおりを挟む
 その日の放課後
 わたしは周りを確認して本を開いた。

『ひらけ、夢のかけら!!』

 本は光りだしてわたしをつつみこみ。
 気づけば、レシアのいる世界だ。

「レシア!!」
「はーい、いるわ」
 レシアはヒカリを放つ妖精達と一緒に何かしているみたい。
 なにしていたんだろう?

「なにしているの?」
「ちょっと……良いことの話し合い。まだ秘密よ。」
「えー」

 そんなこと言われたら気になっちゃうじゃん。
「はい、じゃあ、今日はダンスのレッスンよ。」
「はーい」

 気になるけど、また分かるか。
 よし練習開始!

 レシアがパンと手を叩くと、音が流れてきた。
「じゃあ、ここの動きはどんなダンスがいいかしら。」
「えっ。もしかして全部考えるの?」

 それってすごく時間かかりそう。
 楽しそうだけど。


「そうじゃないわ。ある程度、昔にみんながしていたダンスを取り入れるのはする予定だけど」
 そう言うと、わたしの肩に手を置いてグッとポーズをした。

「あなたの歌なんだから、あなたがしたい動きを入れたいの」
 そっか。

 わたしの歌だから、自分の想いをこめたダンスをするんだ。

「じゃあ、こういうのはどう?」
 わたしは一回転回って手を叩いた。


「すっごくいいわ。じゃあ、ここはこうして。で、次は逆回りしない?」
 レシアはわたしのマネをして、次は反対を回って手を叩いた。


「すっごくいい!」
「ありがとう」

 なんか、レシアと話し合うのってワクワクする。

 レシアはわたしの言うことを、うなずいてくれて良い方向へと教えてくれる。
 だから、もっと色んなアイデアを出したい。

「ここでジャンプ!とか」
「いいわね!!」

 こうして、わたしのダンスはなんとか決まった。
「じゃあ、音といっしょに全部やってみましょう」
「うん!」

 ステップ、横にジャンプ、一回転して手を叩く、反対も、そしてジャンプ!!

「いいわね!もっと全身を使ってあなたの想いを表すのよ!」
「大きく!!」

 運動会の時にダンスをした時は、はずかしくてできなかったんだ。

 でも、今はもっと大きく、自分の気持ちを表したいってわたしが言っている。
 はずかしくなんてない。

 楽しい!!


「うん! すっごく良いダンスよツイ!!」
「ありがとう」

 わたしは水筒の水を飲み干した。
 運動するって疲れるけど、このがんばったっていう感じがすごく満足する。

「ねぇ、ツイ。あと三日したら一回発表してみない?」
「は、発表?どこに」
「それはね。」


 レシアは立ち上がって手を大きく広げた。
「夢を持っている、あなたのせかいのみんなによ」
「そうなことできるの?どうやって?」

 だってここには、だれもいない。
 他の人をみたこともない。

 すると、レシアは大きく頷いた。
「ここにはね。かがやきを伝える力がある。夢やかがやきを持つ人、そして、かがやきたいと願う人がこの世界をみることができる。」

「そうなの?」
「例えば、スマホの画面、テレビ、水槽、鏡……なんでも心を持てば見れるようになるの。夢の中でもね」

「そんなことができるなんて」
 それがこの世界の力なんだ。

 みんなにみてもらえるのは嬉しいけど、あと三日なんて。


「まだ、心のじゅんびができない?」
「うん。でも、レシアがいるからきっと上手くいくと思う。」

 ここまでがんばってきたんだ。
 歌っておどって形になっている。

 きっと、これからの三日間もっと練習したらもっとよくなる。ここのかがやきを増やしてみたい。

「もしかしたら、ここに人が来るかも知れない。あなたみたいに」

「じゃあ、もっとにぎやかになるんだ。」
 レシアはうなずいた。


「がんばってみる?」
「もちろん!!」

「ふふっ、ツイはサイコーのエクスメーカーになれるわ」

 エクスメーカー。
 夢を作る人。

 まだまだかもしれないけど、
「うん、なってみせる!」


『ワンツー、ワンツー、タンタンタン!』
 ご飯をたべたあとに、レシアと練習をした。
 家でもダンス。なんかいつもの場所なのに新鮮。

 もっとうまくなりたい。
『いいわね。ツイはすっごくかがやいてる!!』

「ありがとう、レシア!」

「こら、ひとりでコソコソ言っていないで。もう寝ないとダメよ。」


 お母さんが独り言を聞いていたのか、心配そうにドアに入ってきた。でま、わたしがおどる姿をみてクスっと笑う。

「楽しいものはほどほどにね。あと、怪我はしないようにね。」
「うん。おやすみお母さん」

 お母さんに挨拶をして、わたしは枕元に本を置いた。
『そうね……怪我をしたらだめよ。無理しないようにね。おやすみツイ』

「うん。大丈夫だよ。おやすみ。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

処理中です...