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第9話
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それから、俺とミズハは身支度をして家を出た。
今日からオクキンたちと魔物の町作りが始まるんだ。俺も頑張らないとな……
俺たちは町の門を出てオクキンたちのいる場所に向かおうとした。すると、見張り台に立っているスキンヘッドの神父さんが話しかけてきた。
「おーい!今日から魔物の町を作るらしいな。応援してるぞ!困ったことがあったらいつでも相談に乗るぜ」
「はい、ありがとうございます!では行ってきます!」
「ああ、気を付けてな」
こうして、俺たちは町の外に向かって歩き出した。しばらく歩くと、森が見えてくる。俺たちは森の中に入ってオクキンの待つ場所にたどり着いた。
「オウ、勇者殿、待ッテイタゾ!!」
「おう、待たせたな。早速だけど、どんな感じで町を作ろうか?」
「ウム、ソウダナ……。木ノ家ト畑、ソレカラ便所ヲ作ロウト思ウ。水ハ、川ガアルカラ問題ナイダロ」
「おお、いいじゃないか!じゃあ、まずは家や豚便所を造ろうか。豚は山の中で捕まえよう」
「アア、分カッタ」
それから俺たちは必要な木材を揃えて作業に取り掛かった。魔物たちの中にも家を建てたり文化的な生活を営んでいる者がいるらしく、彼らが主導となって作業をしてくれた。魔物たちは斧などの武器を持っているので木材の加工も問題なくできた。
しばらく眺めていると、魔物たちはあっという間に立派なログハウスを完成させ、さらに豚便所用の豚小屋も完成させた。山から豚もすぐに捕まえてきたので豚小屋に豚を入れて豚便所が完成した。これで豚が魔物の糞便を処理してくれるようになるので町が衛生的になるはずだ。
「よし、次は畑を作っていこう!」
「アア、ワカッテイル」
俺はオクキンたちに地面の耕し方を教えることにした。木製の鍬をいくつか作ってもらい、使い方を教えていく。オークたちは力が強いので、みるみると農地を広げていった。それから、農地の真ん中に水路を作ってもらい、簡単に水やりができるシステムを作った。これで作物の成長も早まるだろう。
さらに、肥溜めの作り方も教えた。何メートルか地面に穴を掘って、その穴に家畜や自分たちの排泄物を入れるのだ。そのまま一定期間放置しておけば自然発酵して匂いがしなくなり、肥料として使えるようになる。発酵により70℃程度まで温度が上がるので、寄生虫や病原菌も死滅する。
ただし、肥溜めでの死亡事故には注意が必要だ。深い肥溜めの中に落ちてしまったら、底なし沼と同じように沈み込んでしまうし、有毒ガスによって意識を失ってしまう危険もある。温度が高くなっていれば、なおさら危険だ。だから、必ず蓋をして落ちないようにしなければならない。
俺はオクキンたちに注意事項を説明してから、実際に実演して見せた。ブリブリッ、ブリュリュッ。うん、今日も快便だ。
「ホウ、ナルホド……。コレナラ簡単ニデキソウダ」
「ああ、そうだな。ただ、ちゃんと蓋をしないとダメだぞ?誰かが落ちたら大変だしな」
「ワカッタ。ソレデハ俺タチモ試シテミヨウ」
そう言うと、魔物たちは一斉に用を足し始めた。ブポッ、ボトッ。ブリリリッ、ブリュッ、プピィーッ。うわぁ……臭っせぇ!!何だよ、これ!?魔物のウンコってこんな臭いのかよ。
「オオッ、スゴイナ!コレデ肥料ガ出来ルノカ!」
オクキンは喜んでいた。他のオークたちも喜んでいるようだった。しかし、俺はこの悪臭に耐えられなくなって、思わず鼻を押さえた。
「おい、お前ら。早く蓋しろよ……」
「アアッ、ソウダッタナ……」
そう言って、オクキンは肥溜めに蓋をした。すると臭いは少しマシになった気がした。
「ふぅ……、良かった……。それじゃあ、今日はそろそろ帰るから、後は自分たちで色々やってみてくれ」
「オウ、分カッタ。助カッタゾ」
こうして魔物の町づくりが始まった。最初は不安だったが、みんなと協力し合って町を作っていくのはとても楽しかった。これからもオクキンたちを手伝って町を発展させていければと思う。
今日からオクキンたちと魔物の町作りが始まるんだ。俺も頑張らないとな……
俺たちは町の門を出てオクキンたちのいる場所に向かおうとした。すると、見張り台に立っているスキンヘッドの神父さんが話しかけてきた。
「おーい!今日から魔物の町を作るらしいな。応援してるぞ!困ったことがあったらいつでも相談に乗るぜ」
「はい、ありがとうございます!では行ってきます!」
「ああ、気を付けてな」
こうして、俺たちは町の外に向かって歩き出した。しばらく歩くと、森が見えてくる。俺たちは森の中に入ってオクキンの待つ場所にたどり着いた。
「オウ、勇者殿、待ッテイタゾ!!」
「おう、待たせたな。早速だけど、どんな感じで町を作ろうか?」
「ウム、ソウダナ……。木ノ家ト畑、ソレカラ便所ヲ作ロウト思ウ。水ハ、川ガアルカラ問題ナイダロ」
「おお、いいじゃないか!じゃあ、まずは家や豚便所を造ろうか。豚は山の中で捕まえよう」
「アア、分カッタ」
それから俺たちは必要な木材を揃えて作業に取り掛かった。魔物たちの中にも家を建てたり文化的な生活を営んでいる者がいるらしく、彼らが主導となって作業をしてくれた。魔物たちは斧などの武器を持っているので木材の加工も問題なくできた。
しばらく眺めていると、魔物たちはあっという間に立派なログハウスを完成させ、さらに豚便所用の豚小屋も完成させた。山から豚もすぐに捕まえてきたので豚小屋に豚を入れて豚便所が完成した。これで豚が魔物の糞便を処理してくれるようになるので町が衛生的になるはずだ。
「よし、次は畑を作っていこう!」
「アア、ワカッテイル」
俺はオクキンたちに地面の耕し方を教えることにした。木製の鍬をいくつか作ってもらい、使い方を教えていく。オークたちは力が強いので、みるみると農地を広げていった。それから、農地の真ん中に水路を作ってもらい、簡単に水やりができるシステムを作った。これで作物の成長も早まるだろう。
さらに、肥溜めの作り方も教えた。何メートルか地面に穴を掘って、その穴に家畜や自分たちの排泄物を入れるのだ。そのまま一定期間放置しておけば自然発酵して匂いがしなくなり、肥料として使えるようになる。発酵により70℃程度まで温度が上がるので、寄生虫や病原菌も死滅する。
ただし、肥溜めでの死亡事故には注意が必要だ。深い肥溜めの中に落ちてしまったら、底なし沼と同じように沈み込んでしまうし、有毒ガスによって意識を失ってしまう危険もある。温度が高くなっていれば、なおさら危険だ。だから、必ず蓋をして落ちないようにしなければならない。
俺はオクキンたちに注意事項を説明してから、実際に実演して見せた。ブリブリッ、ブリュリュッ。うん、今日も快便だ。
「ホウ、ナルホド……。コレナラ簡単ニデキソウダ」
「ああ、そうだな。ただ、ちゃんと蓋をしないとダメだぞ?誰かが落ちたら大変だしな」
「ワカッタ。ソレデハ俺タチモ試シテミヨウ」
そう言うと、魔物たちは一斉に用を足し始めた。ブポッ、ボトッ。ブリリリッ、ブリュッ、プピィーッ。うわぁ……臭っせぇ!!何だよ、これ!?魔物のウンコってこんな臭いのかよ。
「オオッ、スゴイナ!コレデ肥料ガ出来ルノカ!」
オクキンは喜んでいた。他のオークたちも喜んでいるようだった。しかし、俺はこの悪臭に耐えられなくなって、思わず鼻を押さえた。
「おい、お前ら。早く蓋しろよ……」
「アアッ、ソウダッタナ……」
そう言って、オクキンは肥溜めに蓋をした。すると臭いは少しマシになった気がした。
「ふぅ……、良かった……。それじゃあ、今日はそろそろ帰るから、後は自分たちで色々やってみてくれ」
「オウ、分カッタ。助カッタゾ」
こうして魔物の町づくりが始まった。最初は不安だったが、みんなと協力し合って町を作っていくのはとても楽しかった。これからもオクキンたちを手伝って町を発展させていければと思う。
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