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第五章
婚約式 1
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「マドレーヌったら水臭い」
ジョアンはドレスを着つけてもらいながら呟く。
「あの子は独立独歩だからね」
用意が終わった祖母が答える
「親がいるのに親代わりにグランサニュー公爵が立つなんて」
マドレーヌの祖母はきゅっと口をつぐんだ。親らしいこと何もしてないわ、というのも角が立つからだ。が、部屋にいたマリアンヌがきっぱりと言い渡す。
「だってお母さん、マドレーヌの面倒もみてないし、放置だったじゃん」
愛娘にはっきりと言われてジョアンは苦笑いをする。ジョアンの侍女だったメイド長は結局田、舎に帰った。いつからか、悪夢を見ることが増え、とても勤まらないと自ら職を辞していった。今も時折ジョアン宛に手紙が来ている。
ジョアンとウージェーヌの仲は微妙なままだった。ウージェーヌがジョアンに見切りをつけたからだ。領地の共同経営者という意識もなくなり『クロードとマリアンヌの親』として遇している感じだ。
ジョアン自身は夫を愛しているのだが、夫との間の壁も理解していた。アルノー家のアレンとマリアンヌの恋愛からの一連の出来事以前の事も夫に知られたのは正直『痛い』と感じていた。
しかもマリアンヌがいちいち解説と説明をしたから理解したくなくても理解してしまった。
マリアンヌは囲い込まれる苦しさをはっきりと母親に告げた。『私は可愛い可愛い可愛そうな子供』扱いされたくないとはっきりと母親に言うと、ジョアンは傷ついたようだったが『でもね、私はお母様が大好きで。……最後までいつものように領地でおかし作ったりして過ごしたいの。私が幸せなのは領地でお母様と一緒に過ごすことだよ』と口説かれほだされた。領地でマリアンヌと一緒に館の主婦として過ごすのはジョアンにとっても癒しの日々であった。
マドレーヌは帰ってきて魔の森に行っている様子はあるがどこで寝泊りしているのか自室を使った様子はなかった。マドレーヌに関してはジョアンに情報は与えられなかった。
今日はマドレーヌとアルの婚約式であった。先年あったクロードの結婚式にはフロランは外国に行っていたので出られなかった。(アルと一緒に狼国へ冒険者として行っていたらしい)クロードはフロランから直接理由を聞いていたし納得していたがそのあたりの情報もジョアンには伏せられていた。マリアンヌは自分と会わない為だと理解していた。今日はアルマン殿下も絡むし、王族が絡むところへ封じられているとはいえ魅了持ちが出るのも失礼であるとマリアンヌから出席を辞退した。
ジョアンにはウージェーヌが確認した。
『親としてはグランサニュー公爵が立ってくれるので、俺と君がそろう必要はない。そのうえで君はマドレーヌの婚約式を祝ってでるかい?呪って出るならでなくていいよ』
ウージェーヌはこれを笑顔で言える程度にジョアンの事を見放していた。ジョアンはこの人と心はもう通わないとこの時に本気で悟った。
マリアンヌとクロードの母親とは認めてもらっているがフロランとマドレーヌの母親とは思われていない、と。それでもジョアンはマドレーヌを祝う事を選んだ。
「母様、私は王族の前に出られない身ですからね?変なこと考えないでよ。最後まで領地にいるって決めたのは私だし」
マリアンヌはジョアンにマリアンヌも『王族と結婚』とか考えるなよとくぎを刺す。そしてマドレーヌの婚約式には新婚のクロード夫妻がジョアンの付き添いで参加することになっている。
移動は複数人いるのとクロードの妻は魔力がないので王宮の魔術師が転移をしてくれると決まっていた。
「今日は私もお義母様もいないから……」
「そんな心配しないで。もし何かあったらマリーが母様に連絡くれるし、警備のために騎士団もおいててくれるから安心して」
マリアンヌは母親の花の宴からこちらかなりしっかりした側面が表に出ている。周りに大事にされて『病人』扱いされている時よりもかなり気力も張っていて元気だ。無理はできないが日常生活は過不足なく過ごすことができる。
「母様、マドレーヌにお土産わすれないでね」
それはマリアンヌが祝いにつくった小菓子を詰めたかごであった。
「鹿のパイも入ってるの」
マリアンヌはジョアンを見つめ微笑んだ。
===============
あと1~2話で完結の予定です。
ジョアンはドレスを着つけてもらいながら呟く。
「あの子は独立独歩だからね」
用意が終わった祖母が答える
「親がいるのに親代わりにグランサニュー公爵が立つなんて」
マドレーヌの祖母はきゅっと口をつぐんだ。親らしいこと何もしてないわ、というのも角が立つからだ。が、部屋にいたマリアンヌがきっぱりと言い渡す。
「だってお母さん、マドレーヌの面倒もみてないし、放置だったじゃん」
愛娘にはっきりと言われてジョアンは苦笑いをする。ジョアンの侍女だったメイド長は結局田、舎に帰った。いつからか、悪夢を見ることが増え、とても勤まらないと自ら職を辞していった。今も時折ジョアン宛に手紙が来ている。
ジョアンとウージェーヌの仲は微妙なままだった。ウージェーヌがジョアンに見切りをつけたからだ。領地の共同経営者という意識もなくなり『クロードとマリアンヌの親』として遇している感じだ。
ジョアン自身は夫を愛しているのだが、夫との間の壁も理解していた。アルノー家のアレンとマリアンヌの恋愛からの一連の出来事以前の事も夫に知られたのは正直『痛い』と感じていた。
しかもマリアンヌがいちいち解説と説明をしたから理解したくなくても理解してしまった。
マリアンヌは囲い込まれる苦しさをはっきりと母親に告げた。『私は可愛い可愛い可愛そうな子供』扱いされたくないとはっきりと母親に言うと、ジョアンは傷ついたようだったが『でもね、私はお母様が大好きで。……最後までいつものように領地でおかし作ったりして過ごしたいの。私が幸せなのは領地でお母様と一緒に過ごすことだよ』と口説かれほだされた。領地でマリアンヌと一緒に館の主婦として過ごすのはジョアンにとっても癒しの日々であった。
マドレーヌは帰ってきて魔の森に行っている様子はあるがどこで寝泊りしているのか自室を使った様子はなかった。マドレーヌに関してはジョアンに情報は与えられなかった。
今日はマドレーヌとアルの婚約式であった。先年あったクロードの結婚式にはフロランは外国に行っていたので出られなかった。(アルと一緒に狼国へ冒険者として行っていたらしい)クロードはフロランから直接理由を聞いていたし納得していたがそのあたりの情報もジョアンには伏せられていた。マリアンヌは自分と会わない為だと理解していた。今日はアルマン殿下も絡むし、王族が絡むところへ封じられているとはいえ魅了持ちが出るのも失礼であるとマリアンヌから出席を辞退した。
ジョアンにはウージェーヌが確認した。
『親としてはグランサニュー公爵が立ってくれるので、俺と君がそろう必要はない。そのうえで君はマドレーヌの婚約式を祝ってでるかい?呪って出るならでなくていいよ』
ウージェーヌはこれを笑顔で言える程度にジョアンの事を見放していた。ジョアンはこの人と心はもう通わないとこの時に本気で悟った。
マリアンヌとクロードの母親とは認めてもらっているがフロランとマドレーヌの母親とは思われていない、と。それでもジョアンはマドレーヌを祝う事を選んだ。
「母様、私は王族の前に出られない身ですからね?変なこと考えないでよ。最後まで領地にいるって決めたのは私だし」
マリアンヌはジョアンにマリアンヌも『王族と結婚』とか考えるなよとくぎを刺す。そしてマドレーヌの婚約式には新婚のクロード夫妻がジョアンの付き添いで参加することになっている。
移動は複数人いるのとクロードの妻は魔力がないので王宮の魔術師が転移をしてくれると決まっていた。
「今日は私もお義母様もいないから……」
「そんな心配しないで。もし何かあったらマリーが母様に連絡くれるし、警備のために騎士団もおいててくれるから安心して」
マリアンヌは母親の花の宴からこちらかなりしっかりした側面が表に出ている。周りに大事にされて『病人』扱いされている時よりもかなり気力も張っていて元気だ。無理はできないが日常生活は過不足なく過ごすことができる。
「母様、マドレーヌにお土産わすれないでね」
それはマリアンヌが祝いにつくった小菓子を詰めたかごであった。
「鹿のパイも入ってるの」
マリアンヌはジョアンを見つめ微笑んだ。
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あと1~2話で完結の予定です。
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