188 / 212
第五章
公爵邸での日々 2
しおりを挟む
パソコン修理中につき短いです。
**************
訓練場所が決まらないのでマドレーヌは一番近い廃鉱山に目を付けた。週に3回鉱山を登ったり下りたりで体を作ろうとしているのだ。
その上り下りにたまに公爵が付き合ってくれる。マドレーヌと二人頂上で紅茶を楽しむと自分のペースで降りていく。ある日、マドレーヌが一人で頂上につくと見覚えのある人がげか二つ並んでいた。
「フロラン!アル殿下!」
マドレーヌは驚いている。アルはフロランの名前が先に出てるということはまだまだだなと思ったが何がまだまだなんだろうとも考えた。
「オヤジから伝言、『絵陸の治療はやや苦戦。魅了は早々に解けたし魅了も封印した。が、心の問題がなかなか。近いうちにクロードとは合わせるがジョアンたちはまだまだ時間がかかりそうだ」だってさ。……母さんたちは無理だろうな」
マドレーヌもうなずく。
「そうですね。父様に『無理せずに」とだけお伝えください」
そんなことがあってからフロランとアルは都度都度公爵帝に現れることになった。曰く『辺境と公爵邸をつなぐための第一弾をグランジエ領とした』だけだという。この転移は結局神殿のものを改良したものの利用らしい。詳しい仕組みは魔法師団と神殿の一部だけが知っているという。そしてドニが北へ旅立った。これは北と公爵邸をつなぐことでエマが護者の樹を育てやすくする狙いもあった。そして東、南という順でつなぐという。その理由は儀式が終わっている王宮の守護者の樹とグランジエ領の土の中の石の様子から守護者が決めたという。南の樹は政令もかかわって育てているので意外と安定してる、と。
冬が深くなる。マドレーヌがとったウサギで作ったコートやマフは実家の女性3人に渡されてみな喜んでいるとクロードが皆からの手紙を携えてグランジエの家から公爵邸へやってきた。マドレーヌはにっこりと笑って手紙を受け取った。クロードはくどくどと言い訳を始める。
「皆マドレーヌが嫌だとかじゃなく」
「ええわかっております」
「その、な、ちょっとマドレーヌは強いから」
クロードが言葉を選んでいるとフロランが割って入る。
「手のかかるマリアンヌにみんなかかり切りになってるだけだ、かな?」
クロードはそれが助け舟だと思って思いっきりうなずく。がマドレーヌは、その言葉を発したのはフロランではなく精霊であることがわかった。
**************
訓練場所が決まらないのでマドレーヌは一番近い廃鉱山に目を付けた。週に3回鉱山を登ったり下りたりで体を作ろうとしているのだ。
その上り下りにたまに公爵が付き合ってくれる。マドレーヌと二人頂上で紅茶を楽しむと自分のペースで降りていく。ある日、マドレーヌが一人で頂上につくと見覚えのある人がげか二つ並んでいた。
「フロラン!アル殿下!」
マドレーヌは驚いている。アルはフロランの名前が先に出てるということはまだまだだなと思ったが何がまだまだなんだろうとも考えた。
「オヤジから伝言、『絵陸の治療はやや苦戦。魅了は早々に解けたし魅了も封印した。が、心の問題がなかなか。近いうちにクロードとは合わせるがジョアンたちはまだまだ時間がかかりそうだ」だってさ。……母さんたちは無理だろうな」
マドレーヌもうなずく。
「そうですね。父様に『無理せずに」とだけお伝えください」
そんなことがあってからフロランとアルは都度都度公爵帝に現れることになった。曰く『辺境と公爵邸をつなぐための第一弾をグランジエ領とした』だけだという。この転移は結局神殿のものを改良したものの利用らしい。詳しい仕組みは魔法師団と神殿の一部だけが知っているという。そしてドニが北へ旅立った。これは北と公爵邸をつなぐことでエマが護者の樹を育てやすくする狙いもあった。そして東、南という順でつなぐという。その理由は儀式が終わっている王宮の守護者の樹とグランジエ領の土の中の石の様子から守護者が決めたという。南の樹は政令もかかわって育てているので意外と安定してる、と。
冬が深くなる。マドレーヌがとったウサギで作ったコートやマフは実家の女性3人に渡されてみな喜んでいるとクロードが皆からの手紙を携えてグランジエの家から公爵邸へやってきた。マドレーヌはにっこりと笑って手紙を受け取った。クロードはくどくどと言い訳を始める。
「皆マドレーヌが嫌だとかじゃなく」
「ええわかっております」
「その、な、ちょっとマドレーヌは強いから」
クロードが言葉を選んでいるとフロランが割って入る。
「手のかかるマリアンヌにみんなかかり切りになってるだけだ、かな?」
クロードはそれが助け舟だと思って思いっきりうなずく。がマドレーヌは、その言葉を発したのはフロランではなく精霊であることがわかった。
6
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

元婚約者が「俺の子を育てろ」と言って来たのでボコろうと思います。
音爽(ネソウ)
恋愛
結婚間近だった彼が使用人の娘と駆け落ちをしてしまった、私は傷心の日々を過ごしたがなんとか前を向くことに。しかし、裏切り行為から3年が経ったある日……
*体調を崩し絶不調につきリハビリ作品です。長い目でお読みいただければ幸いです。

新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。

姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。

前代未聞のダンジョンメーカー
黛 ちまた
ファンタジー
七歳になったアシュリーが神から授けられたスキルは"テイマー"、"魔法"、"料理"、"ダンジョンメーカー"。
けれどどれも魔力が少ない為、イマイチ。
というか、"ダンジョンメーカー"って何ですか?え?亜空間を作り出せる能力?でも弱くて使えない?
そんなアシュリーがかろうじて使える料理で自立しようとする、のんびりお料理話です。
小説家になろうでも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる