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第四章
公爵の宿泊部屋
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「……賠償金支払いの為に冒険者にでもなったか?」
フロランがやっとの事で口にする。
「リディ。バスチエ?」
前陛下が首を傾げた。
「あー、今起こってる騒動のきっかけになった女の子だな」
マドレーヌたちの祖父が解説する。アルは子供のくせに女の手管を使おうとした女児を思い出し総毛だった。
「なんだ、アル?酸っぱいものでも喰ったか?」
公爵に訊ねられてアルは暫くためらった後口を開いた。
「王宮にいた時、王子宮に入り込んで、私の膝に乗ってきたり体擦り付けて来て『気持ちいい事してあげる』って言う女児がいたんですよ……。父親の用事で正妃様の所に来てるって言ってたのが……そのリディ・バスチエって子だったかと」
アルが今一つ女性に興味がない一因でもあった。
「時には聖女様の所に来たって言ってる事もありました」
「そんな昔から、か」
公爵が難しい顔になる。
「叔父上、……何の事です?」
「よし、元側近も連れて館の俺が泊ってる部屋に来い。マドレーヌたちもアルも一緒にな。下手にばらけるより安全だしエリクがいるので色々話も出来る」
皆で侯爵邸の公爵に割り当てられた部屋に戻った。
「……侯爵も落ち着いたか」
「いや、……お恥ずかしい。神官長に色々たっぷり聴いてもらえてすっきりしました」
「侯爵には後ろ向きになるように暗示がかかってましたよ」
エリクがにこにこ胡散臭く笑いながら告げる。
「お歴々が……」
「つゆほども敬ってないのは知ってるからおべんちゃらは禁止な」
ベルティエ侯爵家の分家筋のドルイユ前伯爵がエリクに言い渡す。もちろん、エリクとも親戚である。
「ドルイユの小父様、手厳しい」
「うるさい。ここにいる人間は基本エリクの性格は判ってるからな」
北の侯爵以外はエリクの素の顔に気が付いていた。もちろんドルイユ前伯爵の様に『被害』にあった人間もいる。
「しかし、グランジエの。あんたの孫娘はウジェにそっくりだの」
「そうだな」
ドルイユ前伯爵はにやりと笑う。
「でもあんなに悪そうな匂いはしないな」
「お転婆ではありますけどな」
エリクはこの部屋、3間続きで公爵夫妻用の寝室と応接間、使用人用の小部屋が着いた全ての部屋に結界をはる。もちろん罠も張っているが誰も何も言わない。公爵家からの使用人にエリクは指示をし、居間に女性用に仕切りを作ってもらう。
「皆さん、マジックバッグに寝袋や睡眠道具は用意してますね?」
エリクの言葉にそれぞれ頷く。
「アーノルド侯爵もこちらの部屋に泊まってください」
北の侯爵は眼を白黒させている。
「理由は説明しますから。この部屋にいる事は……知られてるかな」
「執事が知ってる」
侯爵がエリクに告げる。
「じゃ、奥方には知られてますね。……アルとマドレーヌには認識阻害の魔法をかけて、と」
エリクが一人でぶつぶつ言いながら部屋の中を動き始める。
フロランがやっとの事で口にする。
「リディ。バスチエ?」
前陛下が首を傾げた。
「あー、今起こってる騒動のきっかけになった女の子だな」
マドレーヌたちの祖父が解説する。アルは子供のくせに女の手管を使おうとした女児を思い出し総毛だった。
「なんだ、アル?酸っぱいものでも喰ったか?」
公爵に訊ねられてアルは暫くためらった後口を開いた。
「王宮にいた時、王子宮に入り込んで、私の膝に乗ってきたり体擦り付けて来て『気持ちいい事してあげる』って言う女児がいたんですよ……。父親の用事で正妃様の所に来てるって言ってたのが……そのリディ・バスチエって子だったかと」
アルが今一つ女性に興味がない一因でもあった。
「時には聖女様の所に来たって言ってる事もありました」
「そんな昔から、か」
公爵が難しい顔になる。
「叔父上、……何の事です?」
「よし、元側近も連れて館の俺が泊ってる部屋に来い。マドレーヌたちもアルも一緒にな。下手にばらけるより安全だしエリクがいるので色々話も出来る」
皆で侯爵邸の公爵に割り当てられた部屋に戻った。
「……侯爵も落ち着いたか」
「いや、……お恥ずかしい。神官長に色々たっぷり聴いてもらえてすっきりしました」
「侯爵には後ろ向きになるように暗示がかかってましたよ」
エリクがにこにこ胡散臭く笑いながら告げる。
「お歴々が……」
「つゆほども敬ってないのは知ってるからおべんちゃらは禁止な」
ベルティエ侯爵家の分家筋のドルイユ前伯爵がエリクに言い渡す。もちろん、エリクとも親戚である。
「ドルイユの小父様、手厳しい」
「うるさい。ここにいる人間は基本エリクの性格は判ってるからな」
北の侯爵以外はエリクの素の顔に気が付いていた。もちろんドルイユ前伯爵の様に『被害』にあった人間もいる。
「しかし、グランジエの。あんたの孫娘はウジェにそっくりだの」
「そうだな」
ドルイユ前伯爵はにやりと笑う。
「でもあんなに悪そうな匂いはしないな」
「お転婆ではありますけどな」
エリクはこの部屋、3間続きで公爵夫妻用の寝室と応接間、使用人用の小部屋が着いた全ての部屋に結界をはる。もちろん罠も張っているが誰も何も言わない。公爵家からの使用人にエリクは指示をし、居間に女性用に仕切りを作ってもらう。
「皆さん、マジックバッグに寝袋や睡眠道具は用意してますね?」
エリクの言葉にそれぞれ頷く。
「アーノルド侯爵もこちらの部屋に泊まってください」
北の侯爵は眼を白黒させている。
「理由は説明しますから。この部屋にいる事は……知られてるかな」
「執事が知ってる」
侯爵がエリクに告げる。
「じゃ、奥方には知られてますね。……アルとマドレーヌには認識阻害の魔法をかけて、と」
エリクが一人でぶつぶつ言いながら部屋の中を動き始める。
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