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第二章
エディ、やらかす
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次の国に着いた後、エディの指には魔力の指輪が嵌められることになった。その黄色い石の指輪は商会間を接続する扉を通り抜けるのに足りるだけの魔力を貯められる指輪だった。魔力もちが身に着ける事で魔力を溜める事が出来るので、普段はアルとマドレーヌとロゼが順番にネックレスに通して首にかけて魔力を貯めていくことになった。
「便利だけど……高価よね」
「まぁ、借りる値段があれだものな」
「でも用が終わったら半額帰って来るし」
今、ロゼとエディはどこで暮らすかを考えているようだ。ただ何より、エディはアルが落ち着く先に着いてから、とロゼに言い切っている。アルとマドレーヌは何も言わずに見守っている。
一行は砂漠の国に着いた。その頃にはエディの故郷を出て半年くらい経っていた。今はある程度ギルドを経由した手紙が安全になった、らしい。まだ重要な事は銀の葉の手紙が前神官長の開発した魔力を通す手紙で来る。アルの妹レアの卒業まであと3か月を迎えたころに父親から前神官長の開発した手紙を通して連絡があった。それには正妃と聖女が事実上の廃妃になり、神殿が管理する王宮内の離宮(という名の軟禁館)に隔離された事。アルの母親、セイラ妃が第二正妃として立ったことが書いてあった。
この軟禁には前バスティエ公爵も一緒な事はアルには告げられていない、そこは聖騎士と神官に護られたというか見張られた場所で『黒い魔力に侵された人間』を隔離するための場所となる予定であった。
マドレーヌには兄のフロランから父親の仕事を手伝って王都に滞在していると簡単な連絡があり、姉マリアンヌからはアレン、アランの兄がどうしたこつしたとちょっと浮かれた報告があった。長兄クロードからはアレンとマリアンヌの婚約はマドレーヌが帰ってから、マドレーヌの意向を聞きたいと。理由はあの家にマリアンヌを嫁がせていいものかクロードも母親のジョアンも悩んでいる、と手紙があった。
マドレーヌは好きにすればいいとおもったが、父の胸先三寸なんだろうなとと考えた。
「今回は船旅という事になります」
港町の商会の支店の店長は言った。
「門より安全ですし、東の商会の自慢でありますから、船の安定性と速さは。最適な海流を選ぶので虎人国の港まで2泊3日の船旅をお楽しみください。虎人国から冒険者自治区までは空間魔術の名手が作った馬車で一度も野営することなく丸1日で着きます」
愛想のいい店長、エディよりも年上の30代半ばの男が言う。
「ま、ロゼ。冒険者自治区ともなれば俺よりもでかい男がいると思うぞ」
エディが本気でロゼに勧める。エディは自分でなくてもロゼが好む男を見つければそっちに行くだろうと思っていた。ロゼは一瞬目を見開いて何も言わずほろほろと涙を流す。
「な、おい、なんで」
マドレーヌはさすがに察してエディを睨む。
「……無神経。ロゼ、ちょっと外でようか」
ロゼは頷いてマドレーヌと店の外に出た。
「な、……」
「お客さんちょっと……やらかしましたね」
店長は困った顔にエディとアルに言う。
「あれは、ない、です」
店長はアルは役に立たないと判断したようだった。一部始終を見ていた女店員も頷いている。
「貴方達の関係は知りませんが……基本的な異性間の礼儀としてないです。まるで相手は好みの相手ならすぐに目移りする女だって言ってるようなもんです」
女性の店員は続ける。
「本当にそう思う、そうでも表に出しちゃダメです。その上、こんな衆人環視の中で言うなんて言語道断です」
女性の店員が聡し始めたので店長はぶらりと外へでてマドレーヌとロゼを捜し始めた。
少し探すと港の子供が遊んでいる場所で二人はベンチで腰を掛けている。かなり話し込んでいるようだった。
「お嬢さんたち、探しましたよ。体を冷やすのは良くないですよ。ちょっといいカフェに案内します」
店長は二人を自分が良く知った、自分の身内が経営するカフェに連れて行った。そこはカフェと言っても軽くお酒がのめて、お腹も満たせる店だった。
「落ち込んでる時はお酒はだめ。お酒は気持ちを増幅するからね。あとお腹あっためてどしんと、根性きめよう」
その店の女将、東の商会の支店の店長の姉だという女性、がにこやかに笑った。
「便利だけど……高価よね」
「まぁ、借りる値段があれだものな」
「でも用が終わったら半額帰って来るし」
今、ロゼとエディはどこで暮らすかを考えているようだ。ただ何より、エディはアルが落ち着く先に着いてから、とロゼに言い切っている。アルとマドレーヌは何も言わずに見守っている。
一行は砂漠の国に着いた。その頃にはエディの故郷を出て半年くらい経っていた。今はある程度ギルドを経由した手紙が安全になった、らしい。まだ重要な事は銀の葉の手紙が前神官長の開発した魔力を通す手紙で来る。アルの妹レアの卒業まであと3か月を迎えたころに父親から前神官長の開発した手紙を通して連絡があった。それには正妃と聖女が事実上の廃妃になり、神殿が管理する王宮内の離宮(という名の軟禁館)に隔離された事。アルの母親、セイラ妃が第二正妃として立ったことが書いてあった。
この軟禁には前バスティエ公爵も一緒な事はアルには告げられていない、そこは聖騎士と神官に護られたというか見張られた場所で『黒い魔力に侵された人間』を隔離するための場所となる予定であった。
マドレーヌには兄のフロランから父親の仕事を手伝って王都に滞在していると簡単な連絡があり、姉マリアンヌからはアレン、アランの兄がどうしたこつしたとちょっと浮かれた報告があった。長兄クロードからはアレンとマリアンヌの婚約はマドレーヌが帰ってから、マドレーヌの意向を聞きたいと。理由はあの家にマリアンヌを嫁がせていいものかクロードも母親のジョアンも悩んでいる、と手紙があった。
マドレーヌは好きにすればいいとおもったが、父の胸先三寸なんだろうなとと考えた。
「今回は船旅という事になります」
港町の商会の支店の店長は言った。
「門より安全ですし、東の商会の自慢でありますから、船の安定性と速さは。最適な海流を選ぶので虎人国の港まで2泊3日の船旅をお楽しみください。虎人国から冒険者自治区までは空間魔術の名手が作った馬車で一度も野営することなく丸1日で着きます」
愛想のいい店長、エディよりも年上の30代半ばの男が言う。
「ま、ロゼ。冒険者自治区ともなれば俺よりもでかい男がいると思うぞ」
エディが本気でロゼに勧める。エディは自分でなくてもロゼが好む男を見つければそっちに行くだろうと思っていた。ロゼは一瞬目を見開いて何も言わずほろほろと涙を流す。
「な、おい、なんで」
マドレーヌはさすがに察してエディを睨む。
「……無神経。ロゼ、ちょっと外でようか」
ロゼは頷いてマドレーヌと店の外に出た。
「な、……」
「お客さんちょっと……やらかしましたね」
店長は困った顔にエディとアルに言う。
「あれは、ない、です」
店長はアルは役に立たないと判断したようだった。一部始終を見ていた女店員も頷いている。
「貴方達の関係は知りませんが……基本的な異性間の礼儀としてないです。まるで相手は好みの相手ならすぐに目移りする女だって言ってるようなもんです」
女性の店員は続ける。
「本当にそう思う、そうでも表に出しちゃダメです。その上、こんな衆人環視の中で言うなんて言語道断です」
女性の店員が聡し始めたので店長はぶらりと外へでてマドレーヌとロゼを捜し始めた。
少し探すと港の子供が遊んでいる場所で二人はベンチで腰を掛けている。かなり話し込んでいるようだった。
「お嬢さんたち、探しましたよ。体を冷やすのは良くないですよ。ちょっといいカフェに案内します」
店長は二人を自分が良く知った、自分の身内が経営するカフェに連れて行った。そこはカフェと言っても軽くお酒がのめて、お腹も満たせる店だった。
「落ち込んでる時はお酒はだめ。お酒は気持ちを増幅するからね。あとお腹あっためてどしんと、根性きめよう」
その店の女将、東の商会の支店の店長の姉だという女性、がにこやかに笑った。
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